1. 企業情報
稲葉製作所は、鋼製物置で国内トップシェアを誇る企業です。オフィス家具事業も展開しており、自社ブランドとOEM供給を行っています。
* 事業内容: 鋼製物置（約7割の売上）とオフィス家具（約3割の売上）
* 特徴: 鋼製物置で高い市場シェア、オフィス家具は内田洋行などへOEM供給
2. 業界のポジションと市場シェア
- 競争優位性: 鋼製物置における高い国内シェア（4割強）が強みです。
- 課題: 住宅着工件数の変動や、鋼材価格の変動による影響を受けやすい可能性があります。オフィス家具事業においては、価格競争が激化しています。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 詳細なビジョンは開示されていませんが、鋼製物置とオフィス家具の両事業の成長を目指していると考えられます。
- 中期経営計画: 2025年7月期の第3四半期決算短信によると、鋼製物置事業では製品説明会・勉強会の開催、用途開発、建築対応製品の拡充、オフィス家具事業では積極的な提案営業を行っています。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 鋼製物置は、住宅需要に連動しやすく、景気の影響を受けやすい側面があります。オフィス家具は、働き方の変化に対応した需要を取り込むことが重要です。
- 市場ニーズへの適応力: オフィス家具事業では、新しい働き方への対応が求められています。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発: 詳細は不明ですが、鋼製物置においては、耐久性やデザイン性の向上が重要と考えられます。
- 主力製品: 鋼製物置、オフィス家具（デスク、会議テーブル、オフィスチェアなど）
6. 株価の評価
- PER: 21.13倍（会社予想）
- PBR: 0.68倍（実績）
- EPS: 87.42（会社予想）
- BPS: 2,728.17（実績）
- 業界平均との比較: 業界平均PERは11.3であり、稲葉製作所のPERはやや高めです。PBRは業界平均0.5よりも高く、割安感は薄いです。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は1800円台で推移しており、年初来高値1891円に近づいています。50日移動平均線1743.62円、200日移動平均線1729.94円を上回っており、上昇トレンドにあると見られます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去5年間で増加傾向にあります。
- 利益: 2025年7月期第3四半期は、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益が減少しています。
- ROE: 5.68%（実績）
- ROA: 2.12%（過去12か月）
- 自己資本比率: 72.0%（実績）と高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 2.27%（会社予想）
- 1株配当: 42.00円（会社予想）
- 配当性向: 36.26%
- 株主還元策: 2025年7月期の年間配当は42.00円を予想しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近10日間の株価は上昇傾向にあります。
- 株価への影響要因: 住宅着工件数、鋼材価格、オフィス家具市場の動向、業績発表などが考えられます。
- 信用取引: 信用倍率0.08倍と、売り残が買い残を大きく上回っており、売り圧力が強い状況です。
11. 総評
稲葉製作所は、鋼製物置で高いシェアを持つ安定した企業です。財務体質も良好で、配当も実施しています。しかし、2025年7月期第3四半期は減益となっており、今後の業績動向に注目が必要です。株価は上昇トレンドにありますが、PERはやや高めであり、今後の業績次第では割高感が出てくる可能性もあります。住宅市場の動向や、鋼材価格の変動、オフィス家具事業の競争激化など、注意すべき点も存在します。
企業情報
| 銘柄コード | 3421 |
| 企業名 | 稲葉製作所 |
| URL | http://www.inaba-ss.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 金属製品 |
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