1. 企業情報

概要

レイズネクスト株式会社(RAIZNEXT Corporation)は、主にエンジニアリングおよびメンテナンス事業を展開しています。石油精製・石油化学プラントの補修・保守で国内トップクラスの実績を持ち、ENEOSグループをはじめとする大手企業が主要顧客です。事業内容は、設備・機械の設計・施工・保守・コンサルティング、土木・電気計装・配管工事、技術開発など多岐にわたります。1938年創業、横浜市に本社を置き、従業員数は2,155名です。

2. 業界のポジションと市場シェア

競争優位性

  • 石油・石油化学プラントのメンテナンス分野で国内首位級。
  • ENEOSグループとの強固な取引関係。
  • プラント保守・建設に特化した技術力と実績。

課題

  • 石油・石油化学分野の国内需要減少(エネルギー転換の影響)。
  • 新規分野(再生可能エネルギー、医薬・食品等)への事業拡大が課題。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣のビジョン・戦略

  • 産業領域の拡大(従来の石油・化学分野から他分野への展開)。
  • サービス価格の適正化、賃上げ対応による収益力強化。
  • 新規工事受注の確保と既存顧客との関係強化。

中期経営計画

  • 具体的な中期経営計画の記載はなし。
  • デフレ脱却を見据えた価格戦略、新分野の開拓に注力。

4. 事業モデルの持続可能性

収益モデル

  • プラントの日常保全・定期修繕工事を主軸とするストック型収益。
  • 新規工事受注によるフロー収益も確保。

市場ニーズへの適応力

  • エネルギー転換(GX)政策対応、再生可能エネルギー分野への進出。
  • 既存分野の需要減少を新分野で補う戦略。

5. 技術革新と主力製品

技術開発の動向・独自性

  • プラントメンテナンスに関する高度な技術力・ノウハウを保有。
  • 研究開発・技術支援を強化し、顧客ニーズに対応。

主力サービス

  • 石油・石油化学プラントの保守・修繕工事
  • 工場・プラント設備の設計・施工・監理

6. 株価の評価

  • PER(予想):12.05倍(業界平均14.0倍よりやや割安)
  • PBR(実績):1.15倍(業界平均1.1倍とほぼ同水準)
  • EPS(予想):150.11円
  • BPS(実績):1,576.12円
  • 株価:1,808円

株価指標からの評価

  • PER・PBRともに業界平均と比較して割安~同等圏。
  • EPS・BPSから見ても、株価は妥当な水準。

7. テクニカル分析

  • 年初来高値:1,826円(現在値1,808円は高値圏)
  • 年初来安値:1,281円
  • 50日移動平均:1,648.7円
  • 200日移動平均:1,575.3円

直近の株価推移

  • 6月下旬より急速に上昇し、年初来高値圏で推移。
  • 短期的には上昇モメンタムが強い。

8. 財務諸表分析

売上・利益の推移(過去3年)

  • 売上高:129,832百万円(2022年3月期)→140,061百万円(2023年)→157,371百万円(2025年)
  • 営業利益:10,994百万円(2022年)→10,932百万円(2023年)→10,858百万円(2025年)
  • 純利益:7,748百万円(2022年)→7,741百万円(2023年)→8,100百万円(2025年)

収益性・効率性

  • 営業利益率:6.9%
  • ROE:9.62%
  • ROA:6.01%

財務安全性

  • 自己資本比率:73.8%(非常に高い水準)
  • 総資産:115,196百万円、純資産:85,654百万円

キャッシュフロー

  • 営業CF:-107百万円(ややマイナス)
  • フリーCF:-6,040百万円(投資・財務活動の影響)

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(予想):5.03%(高水準)
  • 1株配当(予想):91円
  • 配当性向:60.31%
  • 自社株買い:自己株式保有割合は0.39%と限定的

配当実績

  • 安定した高配当を維持

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価モメンタム:直近で急上昇し高値圏に到達
  • 出来高:直近10日間で増加傾向
  • 信用取引:信用買残はやや減少、信用倍率3.54倍と適度
  • 投資家関心:ENEOSグループ関連、配当利回りの高さから一定の注目

11. 総評

レイズネクストは、石油・石油化学プラントのメンテナンス分野で国内トップクラスの実績を持ち、安定した収益基盤と高い財務健全性を有しています。近年は売上・利益ともに堅調に推移し、配当利回りも高水準を維持しています。株価は直近で高値圏にあり、モメンタムも強い状況です。一方で、石油・石油化学分野の国内需要減少という構造的課題があり、今後は新規分野への展開や技術革新が持続的成長のカギとなります。財務の健全性や株主還元策も堅実であり、安定感のある企業といえます。
(本レポートは情報提供を目的とし、投資判断を目的としたものではありません。)


企業情報

銘柄コード 6379
企業名 レイズネクスト
URL https://www.raiznext.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – 建設業

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By シャーロット

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