1. 企業情報
株式会社ICは、独立系のシステムインテグレーター（SIer）として、主にシステム開発と運用を手掛けています。顧客先に常駐してサービスを提供する形態が中心で、日立グループ向けのシステム開発が売上の過半数を占めています。
2. 業界のポジションと市場シェア
株式会社ICは、独立系SIerとして、特定のメーカーに依存しない点が特徴です。日立グループとの取引が中心であるため、安定した収益基盤を築いていると考えられます。
競争優位性:
- 日立グループとの安定した取引関係
- 客先常駐型の開発・運用サービスによる顧客ニーズへの対応
課題:
- 日立グループへの依存度が高く、リスク分散の必要性
- 独立系SIerとしての競争激化
3. 経営戦略と重点分野
株式会社ICは、中期経営計画「co-creation Value 2025」を掲げています。
中期経営計画の主な内容:
- DX推進の動きに対応し、IT投資意欲が拡大する市場での成長を目指す
- 2025年4月には、株式会社日本画像配信を連結子会社化
4. 事業モデルの持続可能性
株式会社ICの収益モデルは、システム開発と運用という安定した需要が見込める分野に依存しています。顧客ニーズの変化への対応として、DX推進への対応や、連結子会社化による事業拡大を図っています。
5. 技術革新と主力製品
株式会社ICは、技術革新に関する具体的な情報は開示されていません。主力製品・サービスは、顧客先に常駐して行うシステム開発と運用サービスです。
6. 株価の評価
- 株価: 1,000円 (2025年7月3日)
- PER（会社予想）: 17.05倍
- PBR（実績）: 1.21倍
- EPS（会社予想）: 58.64円
- BPS（実績）: 827.44円
PERとPBRの比較:
- 業界平均PER: 17.6
- 業界平均PBR: 1.6
株式会社ICのPERは業界平均を下回っており、割安感があります。PBRも業界平均を下回っています。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年6月20日に1,060円の高値をつけた後、株価は下落傾向にあり、現在は1,000円で推移しています。
* 年初来高値: 1,146円
* 年初来安値: 860円
* 50日移動平均: 1,017.40円
* 200日移動平均: 972.16円
50日移動平均線を下回っており、短期的な下落トレンドにある可能性があります。
8. 財務諸表分析
売上高: 過去12ヶ月で9.64Bと増加傾向にあります。
利益:
- 営業利益: 過去12ヶ月で10.38%
- 当期純利益: 過去12ヶ月で485M
その他の指標:
- ROE（実績）: 7.96%
- ROA（過去12ヶ月）: 3.56%
- 自己資本比率（実績）: 74.3%
損益計算書（年度別比較）
| 項目 | 2024年9月期 | 2023年9月期 | 2022年9月期 | 2021年9月期 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 9,290,040 | 8,562,325 | 8,489,321 | 8,107,632 |
| 営業利益 | 443,085 | 404,610 | 633,054 | 598,541 |
| 当期純利益 | 384,044 | 372,148 | 526,358 | 487,754 |
売上高は増加傾向にありますが、営業利益と当期純利益は変動が見られます。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.40%
- 1株配当（会社予想）: 34.00円
- 配当性向: 51.90%
株式会社ICは、安定した配当を実施しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。
株価への影響要因:
- IT業界全体の動向
- 日立グループとの取引状況
- 中期経営計画の進捗
11. 総評
株式会社ICは、独立系SIerとして安定した収益基盤を持つ企業です。日立グループとの取引が中心であり、安定した業績が期待できます。株価は割安感があり、配当利回りも魅力的です。ただし、日立グループへの依存度が高いこと、業界競争が激しいこと、直近の株価が下落傾向にあることなど、注意すべき点もあります。投資を検討する際には、これらの点を考慮し、ご自身の投資判断に基づいて決定してください。
企業情報
| 銘柄コード | 4769 |
| 企業名 | IC |
| URL | https://www.ic-net.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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