1. 企業情報
ロック・フィールドは、高級総菜「RF1」を主力とする企業です。デパ地下を中心に店舗を展開し、「神戸コロッケ」など複数のブランドも展開しています。サラダを主体とした高級総菜に強みがあり、百貨店での展開が中心です。
2. 業界のポジションと市場シェア
中食・惣菜業界に属しており、高級総菜分野で一定の地位を確立しています。百貨店という特定の販路に強みを持つ一方で、競合他社との差別化や、原材料価格高騰などの課題に直面しています。
3. 経営戦略と重点分野
経営ビジョン: 「ビジョン2030」達成に向け、「成長へ繋げる改革」と「未来へ」の両立を基本方針とした新たな3ヶ年の中期経営計画を策定しています。
中期経営計画の重点分野:
- 既存業態の利益率向上（RF1を中心としたサラダの独自性・付加価値の追求、コンパクトモデル出店、ファクトリーの生産性向上、顧客満足度向上）。
- 新たな市場領域への拡大（冷凍食品の拡大、外販・ECの拡大、新ブランド開発）。
- 人財の活躍促進（人的資本経営の推進、専門能力向上施策の実施）。
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデルは、高級総菜の販売に依存しており、高付加価値商品による利益確保を目指しています。市場ニーズの変化への適応として、冷凍食品やECへの展開を進めていますが、原材料価格高騰や人件費上昇の影響を受けやすい構造です。
5. 技術革新と主力製品
技術革新に関する具体的な情報は開示されていません。主力製品は、サラダを主体とした高級総菜「RF1」です。
6. 株価の評価
- 株価: 1,555.0円
- PER（会社予想）: 43.64倍 (業界平均: 19.5)
- PBR（実績）: 1.41倍 (業界平均: 1.3)
- EPS（会社予想）: 35.63円
- BPS（実績）: 1,106.30円
PERは業界平均を大きく上回っており、割高感があります。PBRは業界平均とほぼ同水準です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年6月20日には1492円まで下落しましたが、その後は1500円台を維持しています。年初来高値1,652円、年初来安値1,431円であり、現在の株価は年初来安値から上昇し、高値圏に近づいている状況です。
* 50日移動平均: 1515.30
* 200日移動平均: 1526.73
8. 財務諸表分析
売上高: 過去12ヶ月で51,357百万円。2025年4月期は51,184百万円と、前期比0.3%減。
営業利益: 過去12ヶ月で1,738百万円。2025年4月期は1,242百万円と、前期比28.5%減。
当期純利益: 過去12ヶ月で1,252百万円。2025年4月期は329百万円と、前期比73.7%減。
ROE（実績）: 1.13%
自己資本比率（実績）: 81.9%
売上高はほぼ横ばいですが、利益面では原材料価格高騰や人件費上昇の影響を受け、大幅な減益となっています。自己資本比率は高く、財務基盤は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 1.54%
- 1株配当（会社予想）: 24.00円
- 配当性向: 2024年4月期48.0%、2025年4月期182.5% (当期純利益の減少により上昇)
2026年4月期の配当予想は24円で、増配を予定しています。中期経営計画期間において、連結配当性向40%以上に加え、配当の維持もしくは増配を継続する方針です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、2025年6月20日の安値1492円から反発し、1500円台を維持しています。信用倍率は0.34倍と、売り残が買い残を大きく上回っており、株価の上昇には圧力がかかっています。
* 信用買残: 31,800株（前週比-1,100株）
* 信用売残: 94,400株（前週比+5,600株）
11. 総評
ロック・フィールドは、高級総菜「RF1」を主力とする企業で、高い自己資本比率を誇り、財務基盤は安定しています。しかし、2025年4月期は、原材料価格高騰や人件費上昇の影響により、減収減益となりました。株価はPERが高く、割高感があります。今後の成長戦略として、既存業態の利益率向上、新たな市場領域への拡大、人財の活躍促進を掲げています。株価は直近で上昇傾向にありますが、信用売り残が多く、今後の株価動向には注意が必要です。投資を検討する際には、今後の業績回復と、中期経営計画の進捗状況を注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 2910 |
| 企業名 | ロック・フィールド |
| URL | http://www.rockfield.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 食品 – 食料品 |
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