1. 企業情報
概要
カナミックネットワークは、医療・介護分野に特化したクラウドサービスを主力とするIT企業です。自治体、医師会、介護事業者向けに、在宅介護支援、訪問サービス、施設サービス、障がい者支援など多岐にわたるクラウド型業務支援システムを提供しています。また、医療・介護連携を促進するプラットフォームや、子育て支援のクラウドサービス、Webサイト制作、システムコンサルティング、教育研修、フィットネスジム運営なども展開しています。
本社は東京都渋谷区恵比寿に所在し、従業員数は304人です。
2. 業界のポジションと市場シェア
業界内ポジション
高齢化社会の進展に伴い、医療・介護分野のICT化・DX（デジタルトランスフォーメーション）需要が拡大する中、カナミックネットワークは自治体や医療・介護事業者向けクラウドサービスで高いシェアを有しています。ストック型の収益モデルが中心で、業界内でも安定した成長を維持しています。
競争優位性・課題
- 競争優位性：クラウドサービスの先行導入、自治体・医師会との強固なネットワーク、ストック型ビジネスによる安定収益。
- 課題：競合他社の参入や、医療・介護領域の法制度変更、セキュリティ対策強化への対応。
3. 経営戦略と重点分野
経営ビジョン・戦略
- 医療・介護クラウドプラットフォームの深化と拡大
- 健康寿命延伸事業（フィットネスジム等）の拡大
- ソリューション開発事業の強化（Webサービス・DX支援）
中期経営計画の施策
- 既存顧客へのサービス拡充とアップセル
- M&Aによる新規事業・サービス領域の拡張（例：THE WORLD MANAGEMENT PTE LTDの連結）
- 店舗運営の効率化と新規出店
- 海外展開や新規領域への進出も視野
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル：クラウドサービスの月額・年額課金によるストック型収益が主力。フィットネスジムやWeb開発なども加わり、収益源の多様化を進行中。
- 市場ニーズ適応力：高齢化社会・医療介護DX推進の社会的要請に合致。法制度やIT技術の変化にも柔軟に対応。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向：医療・介護現場の業務効率化・情報連携を支援するクラウドサービスの進化。セキュリティ・データ連携技術の強化。
- 主力サービス：医療・介護クラウドプラットフォーム（自治体・医師会向け）、健康寿命延伸サービス（24時間ジム）、Webソリューション。
6. 株価の評価
- EPS（会社予想）：23.18円
- BPS（実績）：85.42円
- PER（会社予想）：18.33倍 → 業界平均（23.2倍）より割安水準
- PBR（実績）：4.98倍 → 業界平均（2.3倍）より高い水準
- 株価：425円
- 理論株価例（PER基準）：EPS × 業界平均PER = 23.18 × 23.2 ≒ 538円
- 理論株価例（PBR基準）：BPS × 業界平均PBR = 85.42 × 2.3 ≒ 196円
※PBRは高めだが、成長性や収益性の高さが評価されている可能性。
7. テクニカル分析
- 年初来高値：506円
- 年初来安値：349円
- 直近株価：425円（2025/7/3終値）
- 50日移動平均：418.38円
- 200日移動平均：464.82円
- 現在値位置：年初来安値圏からは反発し、50日線付近で推移。200日線を下回る水準。
- 直近10日間の値動き：420～438円のレンジで推移、出来高は平均10万株前後。
8. 財務諸表分析
- 売上高：5,007百万円（2024/9期予想）、前年比増加基調
- 営業利益：1,439百万円（2024/9期予想）、営業利益率約29%
- 純利益：919百万円（2024/9期予想）
- ROE（実績）：26.23%（高水準）
- ROA（実績）：16.31%
- 自己資本比率：62.1%（財務健全）
- 営業CF：1,630百万円（過去12か月）
- フリーCF：1,190百万円（過去12か月）
- 成長性：売上・利益ともに過去数年増加傾向。営業利益率も高い水準を維持。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（予想）：1.76%
- 1株配当（予想）：7.50円
- 配当性向：31.46%
- 過去5年平均配当利回り：0.80%（近年増配傾向）
- 自社株買い：自己株式保有あり（1.4%）
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム：直近は420～430円台で安定推移。年初来安値からは回復傾向だが、200日線を下回る。
- 信用取引状況：信用買残多め（信用倍率14.23倍）、やや買い長。
- 出来高：直近10日平均で10万株超。流動性は一定水準。
- 投資家関心：インサイダー（経営陣等）保有比率が高く、安定株主構成。
11. 総評
カナミックネットワークは、医療・介護分野に特化したクラウドサービスを主力とし、高齢化社会の進展やDX需要の高まりを背景に、安定した成長を続けています。ストック型収益モデルと高い利益率、健全な財務体質が特徴です。株価指標ではPERが業界平均より低い一方、PBRは高めで、成長性や収益性が評価されていると考えられます。配当も増加傾向にあり、株主還元姿勢も確認できます。直近の株価は年初来安値から回復しつつあるものの、200日移動平均線を下回って推移しています。今後も医療・介護分野のDX推進や新規事業展開、M&A戦略などが注目されます。
※本レポートは公開情報に基づく企業分析であり、特定の投資判断を推奨するものではありません。
企業情報
| 銘柄コード | 3939 |
| 企業名 | カナミックネットワーク |
| URL | http://www.kanamic.net/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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