1. 企業情報
- 企業名: コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス株式会社
- 設立: 1960年12月20日
- 本社: 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー
- 代表者: C.ドラガン
- 従業員数: 14,084人
- 事業内容: 日本国内最大手のコカ・コーラ製品ボトラー。炭酸飲料、コーヒー、茶系飲料、ミネラルウォーターなどの清涼飲料を中心に、仕入・製造・販売・流通・マーケティングを一貫して展開。自動販売機事業や、オフィスコーヒーサービス、食品の製造販売、アルコール飲料の流通も手掛ける。主要ブランドは「コカ・コーラ」「ファンタ」「スプライト」「ジョージア」「アクエリアス」など。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 国内コカ・コーラボトラーの最大手。2017年の東西ボトラー統合で誕生し、全国規模での販売網を持つ。
- 競争優位性: ブランド力、広範な流通網、自販機設置台数の多さ、全国カバレッジが強み。
- 課題: 清涼飲料市場の成熟化・人口減少・健康志向の高まりによる炭酸飲料需要の鈍化、原材料・物流コストの上昇、競合（サントリー、アサヒ、キリン等）とのシェア争い。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略: 「持続可能な成長と収益性の改善」を掲げ、コアブランドの強化、商品ポートフォリオの最適化、価格改定やコスト構造改革を推進。
- 中期経営計画の施策:
- 価格改定による収益力向上
- コアカテゴリー（コーラ、コーヒー、茶、ミネラルウォーター等）の強化
- 自販機ネットワークの効率化
- サステナビリティ推進（リサイクル、環境配慮型容器等）
- 希望退職プログラム等による構造改革
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 清涼飲料の大量生産・大量流通モデル。自販機・小売・飲食店など多様なチャネルを活用。
- 市場ニーズへの適応力: 健康志向商品（糖質オフ、無糖茶、ミネラルウォーター等）の拡充や、サステナブルパッケージ導入などで市場変化に対応。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向: 環境配慮型ペットボトル、リサイクル技術、自販機の省エネ化、デジタルマーケティングの強化。
- 主力製品: 「コカ・コーラ」「ファンタ」「ジョージア」「アクエリアス」などが収益を牽引。
6. 株価の評価
- 株価: 2,318.5円（2025/7/3終値）
- EPS（会社予想）: 62.50円
- BPS（実績）: 2,560.47円
- PER（会社予想）: 37.10倍（業界平均19.5倍より高い）
- PBR（実績）: 0.91倍（業界平均1.3倍より低い）
- 株価と指標の比較:
- PERは業界平均を大きく上回り、利益成長に対する市場期待は高くない。
- PBRは1倍を下回り、資産価値から見て割安感がある。
- BPSに対し株価は約0.91倍。
7. テクニカル分析
- 年初来高値: 2,744円
- 年初来安値: 2,206円
- 直近株価: 2,318.5円（7/3）
- 移動平均線:
- 50日: 2,415.35円
- 200日: 2,353.31円
- 現状: 直近株価は50日・200日移動平均線を下回っており、年初来安値圏に近い水準。短期的にはやや下落基調。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 892,681百万円（2024/12期予想、前年比増加傾向）
- 営業利益: 13,375百万円（2024/12期予想、黒字転換）
- 純利益: 7,309百万円（2024/12期予想）
- ROE: 1.56%（実績、低水準）
- ROA: 0.87%（実績）
- 自己資本比率: 58.0%（財務健全性は高い）
- キャッシュフロー: 営業CFは安定して黒字、フリーCFもプラス
- 過去数年の傾向:
- 2021～2022年は赤字だったが、2023年以降は黒字転換。
- 売上は緩やかに増加、利益率は依然低い。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（予想）: 2.46%
- 1株配当（予想）: 57円（前年53円から増配予定）
- 配当性向: 265.66%（利益水準に対し配当水準は高い）
- 自社株買い: 直近では大規模な実施なし
- 方針: 安定配当を基本としつつ、業績に応じて増配も実施
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価変動: 6月下旬～7月初旬にかけて株価は下落基調。出来高は安定しているが、短期的には弱含み。
- 信用取引動向: 信用買残減少、信用倍率5.05倍とやや買い長。
- 投資家構成: インサイダー保有比率が高く、安定株主が多い。
11. 総評
コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングスは、国内最大級の清涼飲料ボトラーとして全国規模の販売網とブランド力を有しています。近年は構造改革や価格改定などで収益性改善を図っていますが、利益率は依然として低く、PERは業界平均を大きく上回る一方、PBRは1倍を下回っています。財務基盤は堅固で、配当も安定的に実施されていますが、短期的な株価モメンタムは弱含みです。今後は、コアブランド強化やコスト構造改革の進展、健康志向への対応が持続的成長のカギとなります。
※本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資助言を行うものではありません。
企業情報
| 銘柄コード | 2579 |
| 企業名 | コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス |
| URL | https://www.ccbj-holdings.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 食品 – 食料品 |
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