1. 企業情報
株式会社山善は、工作機械や住宅設備機器、家庭用機器などを国内外で展開する専門商社です。生産財(工作機械など)、住建(住宅設備)、家庭機器の3つの主要事業を展開しており、国内外の製造業や住宅市場を主な顧客としています。近年では、問題解決サービスの強化にも注力しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
山善は、工作機械や住宅設備機器の分野で一定の市場シェアを有しています。同社の強みは、幅広い商品ラインナップと、国内外の顧客ニーズに対応できる販売・サービス体制です。
競争優位性:
- 幅広い商品ラインナップ
- 国内外の販売・サービス体制
- 問題解決サービスの提供
課題:
- 景気変動の影響を受けやすい事業構造
- 競合他社との価格競争
3. 経営戦略と重点分野
経営ビジョン:
詳細なビジョンは開示されていませんが、決算短信からは、顧客ニーズへの対応、問題解決サービスの強化、海外展開の推進などが推測されます。
中期経営計画:
中期経営計画に関する具体的な情報は開示されていません。
重点分野:
- 生産財事業における、自動車産業向け部品加工メーカー、半導体装置部品メーカー向けの工作機械以外の製品の拡販。
- 住建事業における、省エネ改修需要や空調設備の販売強化。
- 家庭機器事業における、プライベートブランド商品の販売強化。
- 海外事業の拡大。
4. 事業モデルの持続可能性
山善の事業モデルは、製造業や住宅市場の動向に大きく左右されます。
収益モデル:
- 工作機械、住宅設備機器、家庭用機器などの販売
- 付随するサービス(メンテナンス、修理など)
市場ニーズの変化への適応力:
- 省エネ、自動化、省人化といったニーズへの対応が重要。
- 顧客ニーズに合わせた商品開発やサービス提供が求められる。
5. 技術革新と主力製品
山善は、特定の技術に特化しているというよりは、幅広い製品を取り扱っています。
技術開発の動向:
- 顧客の課題解決に貢献する製品やサービスの提供。
- 省エネ、自動化、省人化に関する製品の拡充。
主力製品:
- 工作機械
- 住宅設備機器
- 家庭用機器
6. 株価の評価
EPS(1株あたり当期純利益): 81.89円(会社予想)
PER(株価収益率): 15.03倍(会社予想)
BPS(1株あたり純資産): 1,481.00円(実績)
PBR(株価純資産倍率): 0.83倍(実績)
現在の株価: 1,232.0円
* PERは業界平均(12.1倍)と比較してやや高い水準です。
* PBRは業界平均(1.0倍)を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年6月23日には1290円を付けていますが、その後は下落傾向にあり、7月4日の終値は1232円です。年初来安値1211円に近づいており、やや弱気な地合いとなっています。50日移動平均線、200日移動平均線も下回っており、下落トレンドを示唆しています。
8. 財務諸表分析
売上高:
- 2025年3月期:5,161億26百万円(前年比1.8%増)
営業利益:
- 2025年3月期:95億35百万円(前年比3.6%減)
経常利益:
- 2025年3月期:100億18百万円(前年比4.0%減)
当期純利益:
- 2025年3月期:78億45百万円(前年比20.9%増)
ROE(自己資本利益率): 6.08%
ROA(総資産利益率): 2.03%
自己資本比率: 43.3%
* 売上高は増加していますが、営業利益、経常利益は減益となっています。
* 当期純利益は増加しており、増配の要因となっています。
* 自己資本比率は高く、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
配当利回り(会社予想): 4.22%
1株配当(会社予想): 52.00円
* 高い配当利回りであり、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
* 配当性向は62.88%です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価の直近の変動:
直近10日間の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。
株価への影響要因:
- 業績動向(特に、工作機械の需要、住宅設備投資の動向)
- 金利動向
- 為替相場(円安はプラス要因)
- 世界経済の動向
11. 総評
山善は、工作機械、住宅設備機器、家庭用機器などを手掛ける専門商社であり、安定した事業基盤を持っています。高い配当利回りは魅力的ですが、直近の業績は、売上高は増加しているものの、営業利益、経常利益は減益となっており、今後の動向に注意が必要です。株価は、テクニカル的には下落トレンドを示しており、割安感もあります。今後の業績回復と、株価の反転に期待したいところです。投資判断は、ご自身の責任において行ってください。
企業情報
銘柄コード | 8051 |
企業名 | 山善 |
URL | http://www.yamazen.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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