1. 企業情報

大本組は、岡山県を地盤とする中堅ゼネコンで、土木工事から建築工事へと事業を拡大しています。全国展開しており、無人化施工技術などの独自技術を強みとしています。

2. 業界のポジションと市場シェア

大本組は、建設業界において中堅クラスに位置しています。建設業界は、公共投資や民間設備投資に左右されやすく、競争が激しい業界です。同社は、無人化施工技術などの独自技術を強みとしており、これが競争優位性につながっています。
課題: 建設資材価格の高騰、労務費の高騰、競争激化といった課題に直面しています。

3. 経営戦略と重点分野

経営ビジョン: 中期経営計画(2024~2026年度)に基づき、収益基盤の強化を最優先としています。

中期経営計画の重点分野:

  • 収益性の高い建築事業の強化
  • 土木事業における技術力の向上
  • 無人化施工技術などの独自技術の活用
  • コスト削減と効率化の推進

4. 事業モデルの持続可能性

大本組の収益モデルは、公共工事と民間工事の両方に依存しています。建設需要は景気変動の影響を受けやすいですが、同社は技術革新やコスト削減を通じて、市場ニーズの変化に対応しようとしています。

5. 技術革新と主力製品

技術開発の動向: 無人化施工技術など、生産性向上に繋がる技術開発に注力しています。
収益を牽引している製品やサービス: 建築事業と土木事業が収益の柱となっています。

6. 株価の評価

  • PER (会社予想): 22.58倍
  • PBR (実績): 0.49倍
  • EPS (会社予想): 55.09円
  • BPS (実績): 2,552.27円

比較:

  • 業界平均PER: 11.3
  • 業界平均PBR: 0.7

大本組のPERは業界平均よりも高く、割高感があります。PBRは業界平均を下回っており、割安感があります。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価推移を見ると、株価は1,165円から1,244円の間を変動しています。2025年7月4日の終値は1,244円であり、年初来高値1,382円からは下落、年初来安値1,028円からは上昇しています。

8. 財務諸表分析

項目 2025/3 (百万円) 2024/3 (百万円) 2023/3 (百万円) 2022/3 (百万円)
売上高 70,092 83,060 94,477 71,276
営業利益 1,814 1,695 589 2,347
経常利益 2,110 2,033 887 2,674
当期純利益 1,788 1,021 516 1,784
自己資本比率 72.0%
EPS (円) 63.47 35.75 17.55 58.72

分析:

  • 売上高は減少傾向にあります。
  • 営業利益、経常利益、当期純利益は増加しており、収益性は改善しています。
  • 2025年3月期は、第4四半期に法人税等調整額(益)を計上しています。
  • 自己資本比率は72.0%と高く、財務基盤は安定しています。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 3.05%
  • 1株配当(会社予想): 38.00円
  • 配当性向 (2025年3月期): 64.6%

配当の推移:

  • 2024年3月期:年間配当金65.00円(うち、特別配当5円00銭)
  • 2025年3月期:年間配当金41.00円(うち、特別配当5円00銭)
  • 2026年3月期(予想):年間配当金38.00円

配当は安定的に行われており、株主還元への意識は高いと考えられます。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近10日間の株価は、上昇傾向にあります。出来高は少ないため、今後の株価変動には注意が必要です。

株価への影響要因:

  • 建設業界の動向(公共投資、民間設備投資)
  • 建設資材価格や労務費の変動
  • 中期経営計画の進捗状況
  • 無人化施工技術などの独自技術の評価

11. 総評

大本組は、岡山地盤の中堅ゼネコンで、収益性の改善が見られます。無人化施工技術などの独自技術を強みとしており、今後の業績拡大に期待できます。

ポジティブな点:

  • 収益性の改善
  • 高い自己資本比率
  • 安定的な配当
  • 独自技術の保有

ネガティブな点:

  • 売上高の減少
  • PERは業界平均より高い
  • 建設業界特有のリスク(資材価格高騰、労務費高騰、競争激化)

総合的な見解:

大本組は、中長期的な視点で見れば、成長の可能性を秘めた企業と言えます。ただし、株価は割高感があるため、今後の業績動向や業界の状況を注視しながら、慎重に投資判断を行う必要があります。


企業情報

銘柄コード 1793
企業名 大本組
URL http://www.ohmoto.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 建設・資材 – 建設業

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