1. 企業情報
- 企業名：いちご株式会社（Ichigo Inc.）
- 設立：2000年3月17日
- 本社所在地：東京都千代田区丸の内2-6-1 丸の内パークビルディング
- 代表者：S.キャロン
- 従業員数：671名（平均年齢43.0歳、平均年収1,147万円）
- 事業内容：
- 不動産流動化・アセットマネジメント（ファンド組成・運用、REIT運用）
- 不動産の再生・バリューアップ（「心築」事業）
- 太陽光・風力発電などのクリーンエネルギー
- ホテル運営、セルフストレージ、ショッピングモール運営
- シリカ（二酸化ケイ素）研究開発・生産、アニメスタジオ開発など
- 社名の由来：「一期一会」から
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション：
- 不動産流動化やアセットマネジメントに強みを持つパイオニア的存在。
- REIT（不動産投資信託）の運用や再生不動産のバリューアップ事業が主力。
- クリーンエネルギー分野にも積極的に進出。
- 競争優位性・課題：
- 多角的な事業展開による安定的な収益基盤。
- 不動産市況や金利動向の影響を受けやすい点、再生不動産の競争激化が課題。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営陣のビジョン・戦略：
- 「心築」事業による不動産の価値最大化と社会貢献を重視。
- クリーンエネルギー事業の拡大と安定収益化。
- ファンド・REIT運用の高度化と投資家基盤の拡大。
- 中期経営計画の重点施策：
- 既存不動産のバリューアップ、再生事業の強化。
- 再生可能エネルギーの新規開発・運営。
- 新規事業（ホテル、セルフストレージ、アニメスタジオ等）の成長投資。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル：
- 不動産運用手数料、物件売却益、賃料収入、発電事業収入など多様。
- 市場ニーズ変化への適応力：
- 不動産再生やクリーンエネルギーなど、社会的要請の高い分野に注力。
- 市況変動リスクはあるが、事業多角化でリスク分散を図る。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発・独自性：
- 不動産再生ノウハウ、エネルギー発電・運用技術、アセットマネジメント力。
- 主力サービス：
- 「心築」ブランドによる不動産再生
- REIT・ファンド運用
- 太陽光・風力発電事業
6. 株価の評価
- PER（株価収益率）：
- 株価：410円、EPS（1株当たり利益）：34.81円
- PER＝410 ÷ 34.81 ≒ 11.78（業界平均13.6よりやや低い水準）
- PBR（株価純資産倍率）：
- BPS（1株当たり純資産）：262.19円
- PBR＝410 ÷ 262.19 ≒ 1.56（業界平均1.6と同等水準）
7. テクニカル分析
- 株価推移：
- 直近10日間で400～416円のレンジで推移し、410円で推移中。
- 52週高値：463円、52週安値：306円
- 50日移動平均：387.86円、200日移動平均：377.17円
- 現在値は移動平均をやや上回り、直近は横ばい～やや上昇基調。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益推移：
- 売上高は2022年～2025年で56,934百万円→83,576百万円と増加傾向。
- 営業利益・純利益も増加基調（純利益：6,473百万円→15,187百万円）。
- 利益率・効率性：
- 営業利益率：約22.7%、純利益率：約18.2%
- ROE：12.9%、ROA：2.63%
- キャッシュフロー：
- 営業キャッシュフロー：-28,450百万円（マイナス）
- フリーキャッシュフロー：-32,790百万円（マイナス）
- 現金保有は多いが、投資・運転資金増加によるCFマイナスが目立つ
- 財務健全性：
- 流動比率6.72と高水準
- 有利子負債比率（D/E）：213.61%と高め
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り：
- 予想年間配当：23円、配当利回り：約5.69%
- 実績配当性向：30.18%（利益の約3割を配当に充当）
- 株主還元策：
- 自社株買い実施（自己株式保有比率4.4%）
- 安定配当を重視する方針
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム：
- 直近10日間は400～416円のレンジで推移し、出来高も安定。
- 信用倍率5.96倍と買い残が多いが、前週比でやや減少傾向。
- 投資家関心：
- 機関投資家比率78.6%と高く、安定株主構成。
- 配当利回りの高さや安定収益性が注目材料。
11. 総評
いちご株式会社は、不動産流動化・再生とクリーンエネルギーを主力とする多角化企業です。売上・利益は堅調に伸長し、配当利回りも高水準を維持しています。財務面では現金保有が厚い一方、キャッシュフローのマイナスや高い有利子負債比率には注意が必要です。株価は業界平均に対して割安感があり、安定的な株主還元策や機関投資家の高い保有比率も特徴です。不動産市況や金利動向の影響を受けやすい点には留意が必要ですが、事業多角化と安定収益基盤が強みとなっています。
企業情報
| 銘柄コード | 2337 |
| 企業名 | いちご |
| URL | http://www.ichigo.gr.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 不動産 – 不動産業 |
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