1. 企業情報
ひろぎんホールディングス（7337）は、広島銀行を中核とする持株会社で、広島県を中心に、岡山、山口、愛媛県で金融サービスを展開しています。預金、融資、金融商品、リース、資産運用、コンサルティングなど幅広いサービスを提供しています。リテール部門の強化と多角化を推進しており、地域経済への貢献を目指しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ひろぎんホールディングスは、中国地方を地盤とする地方銀行グループとしては上位に位置しています。広島銀行は、預金シェア約4割、貸出金シェア約3割半ばと、高いシェアを誇っています。競争優位性としては、地域密着型の営業体制と、地域経済への貢献を通じた信頼関係が挙げられます。課題としては、低金利環境下での収益性維持、FinTechを活用した競争激化への対応などが挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、リテール部門の強化、法人向け融資の拡大、資産運用ビジネスの成長、デジタル技術を活用した効率化などを重点分野としています。中期経営計画では、これらの戦略を通じて、収益基盤の強化と持続的な成長を目指しています。具体的には、顧客ニーズに合わせた商品・サービスの提供、デジタルチャネルの拡充、地域社会への貢献などを推進しています。
4. 事業モデルの持続可能性
ひろぎんホールディングスの収益モデルは、預貸金利鞘、手数料収入、有価証券運用益などによって構成されています。人口減少や低金利環境といった構造的な課題はありますが、地域経済の活性化に貢献することで、顧客との長期的な関係を構築し、安定的な収益基盤を維持することを目指しています。市場ニーズの変化に対しては、デジタル技術の活用や、多様な金融商品の提供を通じて、適応力を高めていくことが重要です。
5. 技術革新と主力製品
ひろぎんホールディングスは、FinTechを活用したサービスの提供や、デジタルチャネルの拡充を進めています。具体的な技術革新としては、オンラインバンキングの機能強化、AIを活用した顧客対応などが挙げられます。主力製品としては、預金、融資、投資信託、保険商品など、幅広い金融商品を提供しています。
6. 株価の評価
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 株価 | 1,173円 |
| PER（会社予想） | 8.81倍 |
| PBR（実績） | 0.70倍 |
| 配当利回り | 4.60% |
| EPS（会社予想） | 133.15円 |
| BPS（実績） | 1,679.10円 |
PERは業界平均10.7倍を下回っており、割安感があります。PBRも1倍を下回っており、割安と判断できます。配当利回りは4.60%と高く、株主還元にも積極的な姿勢を示しています。EPS、BPSから見ても、現在の株価は割安と評価できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年6月30日には1221円まで上昇しましたが、その後は調整局面に入り、7月4日の終値は1173円となっています。50日移動平均線（1207.98円）と200日移動平均線（1169.47円）を上回っており、中長期的な上昇トレンドを示唆しています。年初来高値1298円に近づいており、高値圏での推移となっています。
8. 財務諸表分析
| 指標 | 2025/3 (百万円) | 2024/3 (百万円) | 2023/3 (百万円) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 148,840 | 140,218 | 126,807 |
| 営業利益 | 51,041 | 39,945 | 18,255 |
| 当期純利益 | 35,835 | 27,691 | 12,508 |
| 売上高成長率 | 6.1% | 10.6% | -1.9% |
| 営業利益成長率 | 27.8% | 119.3% | -5.3% |
| 当期純利益成長率 | 29.4% | 121.4% | 121.4% |
| ROE | 6.90% | – | – |
| ROA | 0.29% | – | – |
過去1年間の業績は好調で、売上高、営業利益、当期純利益ともに増加しています。特に当期純利益の伸びが顕著です。ROEは6.90%と、まずまずの水準です。自己資本比率は4.2%と、低い水準にあります。
9. 株主還元と配当方針
配当利回りは4.60%と高く、株主還元に積極的な姿勢を示しています。2025年3月期の1株配当は54.00円を予定しており、前期の48.00円から増配となっています。自社株買いに関する情報は開示されていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近10日間の株価は、上昇と下落を繰り返しながらも、全体としては高値圏で推移しています。信用買い残は増加傾向にあり、個人投資家の関心も高いと考えられます。信用倍率は46.03倍と非常に高く、需給面での過熱感もみられます。株価への影響を与える要因としては、金融政策の動向、金利変動、地域経済の状況などが挙げられます。
11. 総評
ひろぎんホールディングスは、中国地方を地盤とする地方銀行グループとして、安定した収益基盤を築いています。業績は好調で、増収増益を達成しており、株価も割安感があります。配当利回りも高く、株主還元にも積極的です。テクニカル面では高値圏での推移となっており、今後の株価動向には注意が必要です。信用倍率が高いことからも、需給面でのリスクも考慮する必要があります。
総合的に見て、ひろぎんホールディングスは、中長期的な視点で見れば、魅力的な投資対象となり得る可能性があります。ただし、金融市場の動向や、地域経済の状況など、外部環境の変化には注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 7337 |
| 企業名 | ひろぎんホールディングス |
| URL | https://www.hirogin-hd.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 銀行 – 銀行業 |
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