1. 企業情報
大紀アルミニウム工業所は、アルミニウム二次合金地金の国内トップ企業です。ダイカスト・鋳物用アルミニウム合金を主力とし、自動車や二輪車、精密機器向けに製品を提供しています。また、東南アジアでの事業展開も強化しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内でのポジション: 国内の再生アルミ地金市場で首位を誇っています。
- 競争優位性: 再生アルミ技術、ダイカスト・鋳物用合金の製造ノウハウ、東南アジアでの製販体制などが強みです。
- 課題: 原材料価格の変動、自動車産業の動向、海外市場での競争激化などが課題として挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 詳細な情報は開示されていませんが、東南アジアでの事業拡大や特殊材の拡大を推進しています。
- 中期経営計画: 中期経営計画に関する具体的な情報は開示されていません。
- 重点分野: ダイカスト・鋳物用合金の強化、特殊材の拡大、東南アジアでの事業展開が重点分野と考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: アルミニウム二次合金の製造販売が中心であり、自動車産業の需要に大きく依存しています。
- 市場ニーズの変化への適応力: EVシフトなど、自動車産業の変化に対応するため、技術開発や製品ラインナップの拡充が求められます。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向: 再生アルミ技術、ダイカスト・鋳物用合金に関する技術開発が重要です。
- 主力製品: ダイカスト・鋳物用アルミニウム合金が収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- PER (会社予想): 11.75倍 (業界平均: 80.4倍)
- PBR (実績): 0.54倍 (業界平均: 0.8倍)
- EPS (会社予想): 84.91円
- BPS (実績): 1,842.83円
PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は950円～1005円で推移しており、50日移動平均線（944.62円）を上回っています。年初来高値は1,077円、年初来安値は804円です。
- 現在の株価: 998円であり、年初来高値には近づいていますが、まだ高値圏とは言い切れません。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2025年3月期は299,795百万円と、前期比で14.1%増加しました。
- 営業利益: 2025年3月期は4,834百万円と、前期比で4.7%増加しました。
- 経常利益: 2025年3月期は3,749百万円と、前期比で10.0%減少しました。
- 当期純利益: 2025年3月期は699百万円と、前期比で78.5%減少しました。
- ROE (過去12か月): 0.73%
- ROA (過去12か月): 2.00%
- 自己資本比率: 44.7%
売上高は増加しているものの、当期純利益は大幅に減少しており、収益性の改善が課題です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り (会社予想): 5.51%
- 1株配当 (会社予想): 55.00円
- 配当性向: 319.58%
- 自社株買い: 情報なし
高い配当利回りは魅力的ですが、配当性向が高い点は注意が必要です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動傾向: 直近10日間の株価は上昇傾向にあります。
- 株価への影響要因: 自動車産業の動向、アルミニウム価格の変動、為替相場などが影響を与える可能性があります。
- 信用取引: 信用買残は増加傾向にあり、個人投資家の関心は高いと考えられます。
11. 総評
大紀アルミニウム工業所は、国内の再生アルミ地金市場で高いシェアを持つ企業です。高い配当利回りは魅力的ですが、当期純利益の減少、低いROE、高い配当性向など、収益性に関する課題があります。株価は割安感がありますが、今後の業績改善と、自動車産業の動向、原材料価格の変動に注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 5702 |
| 企業名 | 大紀アルミニウム工業所 |
| URL | http://www.dik-net.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 鉄鋼・非鉄 – 非鉄金属 |
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