1. 企業情報
企業名：人・夢・技術グループ株式会社（People, Dreams & Technologies Group Co., Ltd.）
設立：2021年10月1日
本社所在地：東京都中央区日本橋蛎殻町1-20-4
従業員数：2,101人
平均年齢／年収：44.0歳／7,570千円
事業内容：
– インフラ（橋梁・道路・鉄道・港湾等）に関する建設コンサルタント業務が主力。特に長大橋の実績は世界的。
– 環境・再生可能エネルギー分野、都市・地域開発、ICTサービス、PPP/PFI、医療・福祉、災害対策など幅広い分野で事業展開。
– 連結事業構成：コンサルタント96%、サービスプロバイダ2%、プロダクツ2%（2024年9月期）
2. 業界のポジションと市場シェア
- 建設コンサルタント業界の上位に位置し、特に長大橋分野で世界的な実績。
- 官公庁からの受注が多く、公共事業の安定した需要を背景に事業を展開。
- 業界全体では国土強靭化、老朽化インフラ対策、ICT活用、地域創生、再エネ推進などによる多様化・高度化が進行。
- 競合他社としては日本工営、パシフィックコンサルタンツ、オリエンタルコンサルタンツなどが挙げられる。
- 課題は、官需依存度の高さ、技術者不足、受注競争の激化など。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期経営計画「持続成長プラン2025」に基づき、持続的成長を目指す基盤づくりを推進。
- 重点分野：
- 橋梁・道路の維持管理、老朽化対策、耐震補強
- ICT活用による効率化・高度化
- 地域創生やエネルギー政策関連事業
- サービスプロバイダ事業（バイオマス発電、公用地活用、海外インフラ整備）
- プロダクツ事業では循環型資材やオリジナル商品の拡充
4. 事業モデルの持続可能性
- 官公庁を中心とした安定した受注基盤を持つが、官需依存度が高い点はリスク。
- インフラ老朽化対策や国土強靭化政策の継続、再生可能エネルギーやICT分野への進出で新たな成長機会を模索。
- 環境・社会課題への対応（ESG）や海外展開も事業モデルの持続性を高める要素。
5. 技術革新と主力製品
- 長大橋の設計・維持管理、構造ヘルスモニタリングシステムなどの高度な技術力が強み。
- ICTを活用したインフラ管理、環境技術（KISOナノバブル、Geotube脱水など）も展開。
- サービスプロバイダ事業ではバイオマス発電や海外インフラ開発、プロダクツ事業では循環型資材・独自商品の開発に注力。
6. 株価の評価
- 株価：1,674円（2025/7/5時点）
- PER（予想）：13.05倍（業界平均17.0倍より低い）
- PBR（実績）：0.70倍（業界平均1.8倍より低い）
- EPS（予想）：128.24円
- BPS（実績）：2,374.62円
- 配当利回り（予想）：3.58%
- 配当性向：74.8%
株価は業界平均と比較して割安水準に位置。利益水準の変動や一時的な赤字が影響している可能性あり。
7. テクニカル分析
- 年初来高値：1,810円
- 年初来安値：1,371円
- 現在株価：1,674円
- 50日移動平均：1,689.94円
- 200日移動平均：1,620.89円
株価は年初来高値からやや下落しているが、200日移動平均を上回る水準。50日移動平均付近で推移しており、直近は横ばい圏。
8. 財務諸表分析
- 売上高：39,814百万円（2024/9期）、前年同期比ほぼ横ばい
- 営業利益：1,791百万円（2024/9期）、前年2,861百万円から減少
- 純利益：-190百万円（2024/9期）、前年1,203百万円から赤字転落
- ROE：-0.93%（2024/9期、過去12か月-1.41%）
- ROA：2.05%（過去12か月）
- 自己資本比率：53.9%（2024/9期）
- 営業キャッシュフロー：839百万円（過去12か月）
- フリーキャッシュフロー：273百万円（過去12か月）
売上は堅調だが、利益率が低下し、直近は赤字。財務安全性は高いが、収益性の改善が課題。
9. 株主還元と配当方針
- 年間配当予想：120円（中間60円＋期末60円）
- 配当利回り：約7.06%（Forward）、3.58%（Trailing）
- 配当性向：74.8%
- 自社株買い：自己株式保有あり（640,277株、発行済株式の約6.8%）
高い配当利回りを維持。利益水準が安定すれば株主還元は魅力的。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価推移：52週で-8.57%とやや下落傾向
- 出来高：3,900株（本日）、流動性はやや低め
- 信用倍率：110.44倍（信用買い残が多い）
- インサイダー保有：28.12%、機関投資家保有：16.38%
- 直近の業績発表・配当発表等が株価に影響を与える可能性
11. 総評
人・夢・技術グループは、建設コンサルタント業界の上位企業として、橋梁・道路分野で高い技術力と豊富な実績を有しています。国土強靭化やインフラ老朽化対策、ICT・再エネ分野への対応など、社会的ニーズの高まりを背景に安定した受注基盤を持ちます。一方で、直近の収益性低下や一時的な赤字、官需依存度の高さなどが課題となっています。
株価指標は業界平均と比較して割安水準で推移しており、高い配当利回りも特徴です。今後は、収益性の回復や新規事業分野での成長が注目されます。財務の安全性は高いものの、持続的な利益成長が今後の重要なポイントとなります。
企業情報
| 銘柄コード | 9248 |
| 企業名 | 人・夢・技術グループ |
| URL | https://www.pdt-g.co.jp |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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