1. 企業情報
事業内容
タカラスタンダード株式会社は、主に住宅設備機器の製造・販売を行う企業です。主力製品はホーロー（琺瑯）を用いたシステムキッチンであり、洗面化粧台、浴室、その他住宅向け設備機器も展開しています。ホーロー技術を活かした耐久性や清掃性の高い製品が特徴で、国内各地のショールームを通じて販売しています。1912年創業、大阪市に本社を置きます。
2. 業界のポジションと市場シェア
業界内ポジション
住宅設備機器業界において、特に新築マンション向けシステムキッチンで高いシェアを持つ大手企業です。ホーロー技術の独自性が他社との差別化要因となっています。
競争優位性
- ホーロー技術による製品の耐久性・清掃性
- 豊富なショールーム網
課題
- 新築住宅着工数の減少、リフォーム需要の伸び悩み
- 資材価格の高止まり、職人不足、業界内競争激化
3. 経営戦略と重点分野
経営戦略・ビジョン
中期経営計画「中期経営計画2026」にて「変革への再挑戦」を掲げ、収益構造改革・財務戦略・サステナビリティ戦略の3本柱で持続的成長を目指しています。
重点施策
- 収益力強化（コストダウン、価格改定の継続）
- 財務戦略（自己株式取得など）
- サステナビリティ対応（環境配慮型製品の開発等）
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル
- キッチン（売上の61%）、浴室（23%）、洗面化粧台（12%）が主力
- 新築・リフォーム両市場をカバー
市場変化への適応力
- 新築市場減少への対応としてリフォーム需要の取り込みを強化
- 製品の差別化・高付加価値化に注力
5. 技術革新と主力製品
技術開発動向
- 独自のホーロー技術をコアに、耐久性・デザイン性・清掃性を追求
- 環境配慮型製品の開発
主力製品
- ホーローシステムキッチン
- ホーロー浴室・洗面化粧台
6. 株価の評価
バリュエーション指標
- 株価：2,415円
- 予想PER：12.66倍（業界平均14.5倍より低い）
- 実績PBR：0.83倍（業界平均1.3倍より低い）
- 予想EPS：190.36円
- 実績BPS：2,892.64円
評価
- PER・PBRともに業界平均を下回っており、株価は割安水準に位置しているとみられます。
7. テクニカル分析
- 年初来高値：2,469円、年初来安値：1,578円
- 直近株価は2,400円台で推移し、年初来高値圏に近い水準
- 直近10日間は2,370～2,460円のレンジで推移し、やや高値圏
8. 財務諸表分析
売上・利益推移（百万円）
- 2022/3：売上 211,587、純利益 10,905
- 2023/3：売上 227,423、純利益 8,417
- 2024/3：売上 234,738、純利益 9,500
- 2025/3：売上 243,380、純利益 11,090
キャッシュフロー
- 営業CF：23,365百万円（大幅黒字転換）
- 投資CF：△8,465百万円
- 財務CF：△6,506百万円
指標
- ROE：5.81%
- ROA：計算値で約4.0%
- 自己資本比率：70.2%（財務健全）
傾向
- 売上・利益ともに安定成長
- 財務体質は非常に良好
9. 株主還元と配当方針
配当
- 予想年間配当：100円
- 配当利回り：4.15%
- 配当性向：47.8%
- 特別配当：なし
自社株買い
- 2025年5月～2026年2月に最大110億円の自己株式取得予定
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近株価は高値圏で推移
- 出来高は安定しており、信用倍率も1.59倍と過熱感は限定的
- 自社株買い発表や増益基調が株価を下支え
11. 総評
タカラスタンダードは、ホーロー技術を活かした住宅設備機器で高い競争力を持つ企業です。財務体質は非常に健全で、安定した成長と高い株主還元姿勢が特徴です。業界平均と比べて株価指標は割安水準にあり、直近は高値圏で推移しています。新築市場の減少や業界競争の激化など課題もありますが、中期経営計画に基づく収益力強化やサステナビリティ対応など、今後の成長施策にも注目されます。
※本レポートは情報の整理を目的としており、投資判断を推奨するものではありません。
企業情報
| 銘柄コード | 7981 |
| 企業名 | タカラスタンダード |
| URL | http://www.takara-standard.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
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