1. 企業情報

概要

株式会社アイ・エス・ビー(ISB Corporation)は、組込みソフトウェア開発を主力とする独立系の中堅システムインテグレーター(SIer)です。携帯基地局向けの通信制御ソフトに強みを持ち、IoTやセキュリティ分野にも注力。主な顧客は金融、製造業、官公庁など多岐にわたります。情報サービス事業(売上比率85%)とセキュリティシステム事業(同15%)を展開しており、入退室管理システムなどの自社開発製品も有します。

2. 業界のポジションと市場シェア

業界内ポジション

独立系中堅SIerとして、特に通信インフラやIoT関連の組込みソフト開発で競争力を持っています。セキュリティシステム分野でも自社製品を展開し、顧客基盤の多様性が特徴です。大手SIerと比べると規模では劣るものの、特定分野での技術力と柔軟な対応力が強みです。

課題

  • 人手不足や技術者確保
  • 物価上昇によるコスト増
  • 地政学リスクの長期化

3. 経営戦略と重点分野

経営ビジョン・戦略

中期3か年計画「永続する企業へ ~Drive change to thrive~」を掲げ、以下3つの重点戦略を推進中:
– 人事戦略(人材の確保・育成)
– 情報サービス事業の強化
– セキュリティシステム事業の拡大

具体的施策

  • 組込みソフトの高付加価値化
  • IoT・クラウド・AI技術の積極導入
  • セキュリティ製品の自社開発・販売強化

4. 事業モデルの持続可能性

収益モデル

  • SIサービス(受託開発、保守運用)
  • セキュリティシステムの自社製品販売・保守

市場ニーズへの適応力

IoTやセキュリティ需要の拡大に対応し、技術トレンドに沿った製品・サービス開発を推進。顧客基盤の多様性もリスク分散に寄与しています。

5. 技術革新と主力製品

技術開発動向・独自性

  • 組込みソフト開発における高い技術力
  • AI・IoT・クラウド連携の強化
  • Qt(クロスプラットフォーム開発フレームワーク)の提供

主力製品・サービス

  • 入退室管理システム、電子錠などのセキュリティ製品
  • 通信制御ソフト、各種業務アプリケーション

6. 株価の評価

  • 株価:1,360円(2025/7/8時点)
  • EPS(会社予想):137.27円
  • PER(会社予想):9.91倍(業界平均23.2倍)
  • BPS(実績):1,188.12円
  • PBR(実績):1.14倍(業界平均2.3倍)

評価

PER・PBRともに業界平均を大きく下回っており、株価は財務指標に対して割安な水準といえます。

7. テクニカル分析

  • 直近株価は1,350~1,370円で推移し、年初来高値1,402円、安値1,141円の中間付近。
  • 50日・200日移動平均線(ともに約1,360円)とほぼ同水準。
  • 直近10日間は大きな変動なく横ばい傾向。

現状

高値圏でも安値圏でもなく、中立的な水準。

8. 財務諸表分析

売上・利益の推移(過去3年)

  • 売上高:26,176百万円(2021)→28,953百万円(2022)→32,388百万円(2023)→33,955百万円(2024予想)
  • 営業利益:1,870百万円(2021)→2,319百万円(2022)→2,734百万円(2023)→2,800百万円(2024予想)
  • 純利益:1,110百万円(2021)→1,424百万円(2022)→1,473百万円(2023)→2,032百万円(2024予想)

収益性・効率性

  • ROE(実績):16.05%
  • ROA(実績):9.18%
  • 営業利益率:約11.65%
  • 自己資本比率:68.2%
  • キャッシュフロー:現金保有高8.47B円、総負債120M円と財務健全

傾向

  • 売上・利益ともに安定成長
  • 財務基盤が非常に健全

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(予想):3.97%
  • 1株配当(予想):54円
  • 配当性向:約30%
  • 自社株買い:特記事項なし

特徴

  • 安定した配当政策を継続
  • 配当利回りは業界平均を上回る水準

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近1年の株価変動率:-9.19%(やや軟調)
  • 直近10日間は横ばい
  • 信用買残が多く、信用倍率は高水準(161.15倍)

影響要因

  • 市場全体の調整
  • 決算発表・業績見通し
  • 配当利回りの高さによる個人投資家の関心

11. 総評

アイ・エス・ビーは、組込みソフトとセキュリティシステムを主軸とした独立系SIerで、着実な売上・利益成長と高い財務健全性が特徴です。PER・PBRは業界平均を下回り、配当利回りも高水準。株価は中立的な水準で推移しています。今後はIoTやセキュリティ需要の拡大を背景に、事業成長が期待される一方、人材確保やコスト増などのリスクにも注意が必要です。
本レポートは、公開情報に基づき正確性に配慮して作成されていますが、投資判断を目的としたものではありません。


企業情報

銘柄コード 9702
企業名 アイ・エス・ビー
URL http://www.isb.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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By シャーロット

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