1. 企業情報
スクウェア・エニックス・ホールディングスは、ゲーム業界大手であり、「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」といった人気ゲームシリーズを開発・販売しています。デジタルエンタテインメント事業を主軸とし、アミューズメント施設運営、出版事業、ライツ・プロパティ事業も展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
スクウェア・エニックスは、日本を代表するゲームパブリッシャーの一つであり、世界的に見ても一定のプレゼンスを誇ります。特に、自社IP（知的財産）である「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」は、長年にわたり高い人気を維持し、安定した収益基盤となっています。
競争優位性:
- 強力な自社IP：長年の歴史を持つ人気ゲームシリーズは、安定したファン層を抱え、新作への期待も高い。
- 多角的な事業展開：ゲーム開発・販売だけでなく、アミューズメント施設運営、出版、ライツ・プロパティ事業など、多角的な事業展開により、収益源を分散させている。
課題:
- デジタルエンタテインメント事業におけるHDゲームの売上減少。
- 競合激化：ゲーム業界は競争が激しく、常に新しいゲームやプラットフォームが登場するため、常に革新的なコンテンツを提供する必要がある。
3. 経営戦略と重点分野
経営ビジョン:
2025年3月期～2027年3月期の中期経営計画「Square Enix Reboots and Awakens〜さらなる成長に向けた再起動の3年間〜」を掲げています。
具体的な施策:
- デジタルエンタテインメント事業における開発体制の最適化による生産性向上。
- コンタクトポイント強化による収益獲得機会の多様化。
- 経営基盤の更なる安定化に向けた各種施策の導入。
- 成長投資と株主還元のバランスを勘案したキャピタル・アロケーション。
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル:
- デジタルエンタテインメント事業：ゲームソフトの販売、ダウンロードコンテンツ、オンラインゲームの課金など。
- アミューズメント事業：アミューズメント施設の運営、ゲーム機の販売など。
- 出版事業：コミック、雑誌、ゲーム関連書籍の出版など。
- ライツ・プロパティ事業：キャラクターグッズの販売、ライセンス収入など。
市場ニーズの変化への適応力:
- モバイルゲーム市場への参入：モバイルゲーム市場は成長しており、スクウェア・エニックスも積極的に参入している。
- マルチプラットフォーム展開：様々なプラットフォーム（家庭用ゲーム機、PC、モバイルなど）でゲームをリリースすることで、より多くの顧客にリーチしている。
- IPの多面展開：ゲームだけでなく、アニメ、映画、グッズなど、様々なメディアでIPを展開することで、収益機会を拡大している。
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向と独自性:
- ゲームエンジンの開発：高品質なゲームを制作するための技術開発を行っている。
- オンラインゲーム技術：オンラインゲームの運営に必要な技術を蓄積している。
収益を牽引している製品やサービス:
- 「ドラゴンクエスト」シリーズ
- 「ファイナルファンタジー」シリーズ
- モバイルゲーム
- アミューズメント施設
6. 株価の評価
- 株価: 9,972.0円（2025年7月8日終値）
- EPS（会社予想）: 238.97円
- PER（会社予想）: 41.73倍
- BPS（実績）: 2,795.25円
- PBR（実績）: 3.57倍
比較:
- 業界平均PER: 23.2
- 業界平均PBR: 2.3
スクウェア・エニックスのPERは業界平均よりも高く、PBRも高い水準にあります。これは、同社の高いブランド力や将来性への期待が反映されている可能性があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年6月25日から7月8日まで株価は上昇傾向にあり、年初来高値10,925円に近づいています。50日移動平均線（9265.68円）と200日移動平均線（7122.58円）を大きく上回っており、上昇トレンドにあると判断できます。
8. 財務諸表分析
売上高:
- 過去12ヶ月: 3,245億円
- 2024年3月期: 3,563億円
- 2023年3月期: 3,433億円
- 2022年3月期: 3,653億円
売上高は減少傾向にあります。
営業利益:
- 過去12ヶ月: 405.8億円
- 2024年3月期: 325.7億円
- 2023年3月期: 443.4億円
- 2022年3月期: 592.6億円
営業利益は、2024年3月期に落ち込みましたが、過去12ヶ月では回復傾向にあります。
当期純利益:
- 過去12ヶ月: 244.1億円
- 2024年3月期: 149.1億円
- 2023年3月期: 492.6億円
- 2022年3月期: 510.1億円
当期純利益は、2024年3月期に落ち込みましたが、過去12ヶ月では回復傾向にあります。
その他の指標:
- ROE（実績）: 7.49%
- 自己資本比率（実績）: 80.7%
自己資本比率は高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 1.29%
- 1株配当（会社予想）: 129.00円
- 配当性向: 63.43%
- 自社株買い: 記載なし
スクウェア・エニックスは、安定的な配当を実施しています。2025年9月30日を基準日、2025年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行う予定です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の直近の変動: 上昇傾向
- 株価への影響を与える要因:
- 新作ゲームの発表・リリース
- 業績発表
- 株式分割
- 市場全体の動向
11. 総評
スクウェア・エニックス・ホールディングスは、強力なIPと多角的な事業展開により、安定した収益基盤を築いています。直近の業績は、売上高こそ減少していますが、営業利益、当期純利益は回復傾向にあり、財務体質も良好です。株価は上昇トレンドにあり、PERは業界平均よりも高い水準にあります。
* 今後の新作ゲームの動向や、中期経営計画の進捗に注目する必要があります。
* 株式分割による流動性の向上も、株価にプラスの影響を与える可能性があります。
* ゲーム業界の競争激化や、市場の変化に対応できるかどうかも、重要なポイントです。
企業情報
| 銘柄コード | 9684 |
| 企業名 | スクウェア・エニックス・ホールディングス |
| URL | http://www.square-enix.com/jpn/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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