1. 企業情報

株式会社テーオーシー(TOC)は、東京証券取引所スタンダード市場に上場している、不動産賃貸を主軸とする企業です。TOCビルをはじめとする流通関連ビルの賃貸を主力とし、その他、リネンサプライ、ランドリー、医薬品販売、スポーツクラブ運営など多角的な事業を展開しています。ホテルニューオータニ系の企業であり、安定した基盤を持っています。

2. 業界のポジションと市場シェア

TOCは、流通関連ビルの賃貸において首位の地位を確立しています。この分野での強みは、TOCビルのような大規模複合施設を所有し、多様なテナントニーズに対応できる点にあります。課題としては、不動産市況の変動や、競合他社の台頭による競争激化が挙げられます。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣は、不動産事業の強化、特にTOCビルのリニューアルによる競争力向上に注力しています。具体的には、ビルの安全性、利便性の向上、催事機能や物流機能の強化を通じて、稼働率の向上を目指しています。また、リネンサプライ事業の拡大も目指しており、ホテル業界からの受注増加を図っています。
* 中期経営計画の具体的な施策:
* TOCビルのリニューアル継続
* リネンサプライ事業の拡大
* 安全対策、環境対策の強化

4. 事業モデルの持続可能性

TOCの収益モデルは、主に不動産賃貸収入に依存しています。安定した賃料収入は、事業の持続可能性を支える重要な要素です。市場ニーズの変化への適応としては、TOCビルのリニューアルによるテナントニーズへの対応、リネンサプライ事業の拡大などが挙げられます。

5. 技術革新と主力製品

TOCは、技術革新に直接的に関わる事業は少ないですが、TOCビルの改修やリニューアルを通じて、ビルの機能性や付加価値を高めています。主力製品は、TOCビルなどの賃貸スペースであり、多様なテナントのニーズに対応できる点が強みです。

6. 株価の評価

  • 株価: 691.0円
  • PER(会社予想): (連)33.86倍
  • PBR(実績): (連)0.61倍
  • EPS(会社予想): (連)20.41
  • BPS(実績): (連)1,136.41

PERは33.86倍であり、業界平均PERの11.3と比較すると割高な水準です。一方、PBRは0.61倍であり、業界平均PBRの0.9を下回っており、割安感があります。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価推移を見ると、株価は660円台から690円台で推移しており、上昇傾向にあります。年初来高値は737円、年初来安値は565円であり、現在の株価は年初来高値に近づいています。50日移動平均線は668.36円、200日移動平均線は648.45円となっており、株価は両移動平均線を上回っています。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 過去12ヶ月で131億5200万円。前期比4.1%減。
  • 営業利益: 過去12ヶ月で14億1800万円。前期比37.9%減。
  • 当期純利益: 過去12ヶ月で17億8700万円。前期比65.1%減。
  • ROE(実績): (連)1.77%
  • ROA(過去12か月): 0.76%
  • 自己資本比率(実績): (連)87.2%

売上高は減少傾向にあり、利益も大きく減少しています。ROEは低く、自己資本比率は高い水準を維持しています。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 1.45%
  • 1株配当(会社予想): 10.00円
  • 配当性向: 51.79%

配当利回りは1.45%と、それほど高くはありません。配当性向は51.79%であり、利益の一部を株主に還元しています。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは強くなっています。信用買残は増加、信用売残は減少しており、投資家の関心は高まっていると考えられます。株価への影響要因としては、TOCビルの業績回復、不動産市況の動向、金利変動などが挙げられます。

11. 総評

テーオーシーは、流通関連ビル賃貸で強みを持つ企業です。TOCビルのリニューアルやリネンサプライ事業の拡大など、成長に向けた取り組みを進めています。しかし、直近の業績は売上高、利益ともに減少しており、今後の業績回復が重要です。株価は割高感と割安感が混在しており、今後の株価動向には注意が必要です。投資を検討する際には、業績の推移、不動産市況の動向、金利変動などを注視し、リスクを十分に考慮する必要があります。


企業情報

銘柄コード 8841
企業名 テーオーシー
URL http://www.toc.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 不動産 – 不動産業

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