1. 企業情報

概要

島津製作所は、計測・分析機器大手企業であり、医用機器や航空機器にも強みを持っています。主な事業は「計測機器」「医用機器」「産業機器」「航空機器」の4セグメントで構成され、分析装置(クロマトグラフィー、質量分析、分光分析など)、X線診断装置、半導体製造装置搭載のポンプ、防衛省向け航空機器など幅広い製品群を提供しています。1875年創業、京都市に本社を置き、グローバルに展開しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内ポジション

計測・分析機器分野で国内トップクラス、世界でも有力なメーカーの一角。医用機器や航空機器分野でも一定の存在感を有します。
競争優位性

長年の技術蓄積、幅広い製品ラインナップ、グローバル展開力が強み。特に計測機器でのブランド力と品質が評価されています。
課題

部材価格の高騰、グローバルな景気変動、為替リスク、研究開発・DX投資などのコスト増大が収益圧迫要因。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営ビジョン

「科学技術で社会課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献する」を掲げています。
中期経営計画の重点施策
– 重点事業(計測・医用・航空機器)の強化
– メドテック(医療×技術)事業の拡大
– 海外事業の拡大
– リカーリングビジネス(保守・消耗品等)の拡大
– DX(デジタル変革)推進と研究開発投資の強化

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル

主力の計測機器はリカーリング(消耗品・サービス・保守)収入もあり、安定した収益基盤を持つ。
市場ニーズ変化への対応

医療・バイオ・環境分野の成長や、デジタル化・自動化ニーズの高まりに対応。海外売上比率も高く、グローバル分散でリスク低減。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向

分析機器分野での最先端技術(質量分析、分光分析、クロマトグラフィー等)の開発力が強み。DXやAI活用も推進。
主力製品・サービス
– 液体クロマトグラフ、質量分析計、分光分析装置
– X線診断装置、血管撮影システム
– ターボ分子ポンプ、防衛関連航空機器
– 産業機器(工業炉等)

6. 株価の評価

  • EPS(会社予想): 155.75円
  • BPS(実績): 1,723.88円
  • 現在株価: 3,476円
  • PER(会社予想): 22.32倍(業界平均21.1倍と比較しやや高め)
  • PBR(実績): 2.02倍(業界平均1.8倍と比較しやや高め)

EPS・BPSからみて、株価はやや割高感がある水準となっています。

7. テクニカル分析

  • 現在株価: 3,476円
  • 年初来高値: 4,607円
  • 年初来安値: 3,332円
  • 50日移動平均: 3,519.08円
  • 200日移動平均: 4,058.24円

直近は年初来安値圏に近く、50日・200日移動平均線を下回る水準。株価は下落基調から横ばい~やや反発の動きがみられますが、依然として安値圏に位置しています。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 5,390億円(前年比+5.3%、過去最高)
  • 営業利益: 717億円(前年比-1.4%)
  • 純利益: 538億円(前年比-5.7%)
  • 営業利益率: 13.3%
  • ROE: 10.86%
  • ROA: 6.66%
  • 自己資本比率: 74.1%(財務健全性高い)
  • 営業キャッシュフロー: 520億円
  • フリーキャッシュフロー: 329億円

売上は伸長していますが、利益面はコスト増等で減少傾向。財務の健全性は非常に高い水準を維持しています。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(予想): 1.90%
  • 1株配当(予想): 66円(うち記念配当4円)
  • 配当性向: 約33.8%
  • 自社株買い: 実施実績あり

配当は安定的に推移し、特別配当も実施。配当性向も適度な水準で、株主還元意識がうかがえます。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近の株価推移: 年初来安値圏での推移。直近10日間は3,400円台で横ばい~小幅反発。
  • 信用倍率: 4.48倍(やや買い長傾向)
  • 機関投資家保有比率: 約56%
  • 出来高: 安定しており、流動性は高い

株価は下落基調から横ばい~小幅反発の兆し。業績見通しやグローバル経済動向が株価に影響を与えています。

11. 総評

島津製作所は、計測・分析機器を中心に医療・産業・航空機器へと事業を多角化し、グローバル展開や技術開発力を強みに持つ企業です。直近は売上高が過去最高を更新する一方、コスト増や投資負担で利益は減少傾向にあります。財務基盤は堅固で、株主還元姿勢も明確です。株価は業績鈍化や外部環境の不透明感を背景に安値圏で推移していますが、長期的な成長分野への取り組みや技術革新が今後の注目点となります。
> ※本レポートは提供データに基づく企業分析であり、投資判断を推奨するものではありません。ご自身の判断と責任にてご利用ください。


企業情報

銘柄コード 7701
企業名 島津製作所
URL http://www.shimadzu.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 精密機器

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By シャーロット

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