1. 企業情報

概要

黒崎播磨株式会社は、耐火物およびセラミックス製品の大手メーカーです。主力は鉄鋼業向けの耐火物(高炉、転炉、連続鋳造設備などの消耗品)で、国内外の鉄鋼、ガラス、化学、セメント業界向けに製品を提供しています。ファーネス(工業炉)事業、ファインセラミックス、不動産事業も展開。インドやスペインなど海外展開も積極的です。1918年創業、本社は北九州市。

事業構成(2025年3月期)

  • 耐火物事業:売上高148,538百万円、営業利益11,433百万円(構成比:売上高83%)
  • ファーネス事業:売上高19,728百万円、営業利益1,518百万円(構成比:売上高11%)
  • セラミックス事業:売上高7,809百万円、営業利益482百万円(構成比:売上高4%)
  • 不動産事業:売上高737百万円、営業利益594百万円(構成比:売上高0%)

2. 業界のポジションと市場シェア

競争優位性

  • 日本製鉄系の大手耐火物メーカーで、鉄鋼業界向け消耗品に強み。
  • 海外展開(特にインド市場)が堅調で、国内の鉄鋼需要減少を補完。
  • 技術力・品質・安定供給体制により、国内外の大手製鉄会社から高い信頼を獲得。

課題

  • 国内鉄鋼需要の低迷、中国からの鋼材輸出拡大による競争激化。
  • 原材料・エネルギー価格の変動、為替リスクなど外部環境の影響を受けやすい。
  • 粗鋼生産量の変動による耐火物需要の変動。

3. 経営戦略と重点分野

ビジョン・戦略

  • 「グローバル耐火物メーカー」として、海外市場(特にインド、スペイン等)での事業拡大を重視。
  • 国内外の鉄鋼業界の需要変動に対応しつつ、非鉄鋼分野(ガラス、化学、セメント等)への展開も推進。
  • 省エネ・高機能製品の開発、サービス事業の拡充。

中期経営計画

  • 2025年見直し経営計画の目標(営業利益150億円)を上回る水準を達成。
  • 今後も利益成長と財務健全性の両立を目指す。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 主力の耐火物は消耗品であり、安定した需要が見込める。
  • 鉄鋼業界の市況に左右されやすいが、海外市場開拓や非鉄鋼分野への展開でリスク分散。
  • 高付加価値製品やサービスの提供により、価格競争力と収益性を維持。

5. 技術革新と主力製品

  • 高炉・転炉・連続鋳造設備向け耐火物で国内外トップクラスの技術力。
  • ファインセラミックス(半導体・計測機器・衛星等向け)、NEXCERA(低熱膨張セラミックス)、Platect(断熱材)、高性能断熱材WDSなど独自製品を展開。
  • 省エネ・高機能・長寿命化技術の開発を継続。

6. 株価の評価

  • 株価:3,470円(2025/7/9終値)
  • 直近12か月EPS:372.08円
  • 直近BPS:2,820.52円
  • PER(株価÷EPS):約9.33倍(業界平均18.3倍)
  • PBR(株価÷BPS):約1.23倍(業界平均1.4倍)

→ 業界平均と比較してPER、PBRともに割安水準。

7. テクニカル分析

  • 直近高値:3,580円(2025/7/9)
  • 52週高値:3,580円、52週安値:1,843円
  • 50日移動平均:2,881.58円、200日移動平均:2,561.53円
  • 株価は直近で高値圏にあり、短期的に急騰した状態。
  • 出来高も増加傾向。

8. 財務諸表分析

収益・利益の推移(過去3年)

  • 売上高:133,778百万円(2022/3)→165,202百万円(2023/3)→177,029百万円(2024/3)→177,921百万円(2025/3)
  • 営業利益:7,567百万円(2022/3)→11,173百万円(2023/3)→14,693百万円(2024/3)→14,082百万円(2025/3)
  • 純利益:5,490百万円(2022/3)→8,282百万円(2023/3)→12,416百万円(2024/3)→12,535百万円(2025/3)

財務安全性

  • 自己資本比率:50.8%
  • 流動比率:2.16(短期的な支払い能力は高い)
  • 有利子負債比率:41.06%(適度な水準)

収益性・効率性

  • ROE:14.39%(高い水準)
  • ROA:4.81%
  • 営業利益率:7.9%
  • 営業キャッシュフロー:3,144百万円(やや低調)、フリーキャッシュフローはマイナス(投資活動活発)

9. 株主還元と配当方針

  • 2025年3月期配当:45円(株式分割後)
  • 予想配当利回り:3.61%
  • 配当性向:28.21%(安定的な配当実施)
  • 自己株式保有:7.63%
  • 株主還元策として安定配当を継続。自社株買いも実施。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近10日間で株価は急上昇し、52週高値を更新。
  • 出来高も増加し、短期的な投資家関心が高い。
  • 信用買残は減少傾向、信用倍率1.38倍と過熱感は限定的。
  • 株主構成は日本製鉄が筆頭株主(42.88%)、浮動株は少なめ。

11. 総評

黒崎播磨は、鉄鋼業界向け耐火物で国内外に強い競争力を持つ老舗メーカーです。国内鉄鋼需要の低迷を海外展開(特にインド)で補い、安定した成長を実現しています。財務基盤は堅固で、ROEや自己資本比率も高水準。株価は直近で高値圏にあり、PER・PBRともに業界平均より割安な水準です。配当利回りも高く、株主還元策も安定しています。今後は鉄鋼市況や原材料価格、為替動向など外部要因に注意が必要ですが、海外展開や高付加価値製品への注力により、中長期的な成長が期待されます。


企業情報

銘柄コード 5352
企業名 黒崎播磨
URL http://www.krosaki.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – ガラス・土石製品

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By シャーロット

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