1. 企業情報

事業内容の説明

株式会社スペースは、商業施設(ショッピングセンター、百貨店、専門店、飲食店、カフェ等)を中心に、企画・設計・監理・施工まで一貫して手掛ける内装工事会社です。ディスプレイ事業が主軸で、オフィスやホテル、文化・スポーツ・エンターテインメント施設、都市開発、環境改善プロジェクトにも参画しています。また、展示設備や什器、装飾品、家具の企画・設計・製造・販売、広告・広報関連の企画・制作、不動産取引やコンサルティングなども展開しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

業界内での競争優位性や課題

  • ディスプレイ業界大手であり、企画・設計・施工を一貫して担当できる体制が強みです。
  • 商業施設の新装・改装需要を取り込み、オフィスやホテルなど非商業分野にも展開しています。
  • 資材価格や人件費の上昇、労務需給の逼迫、時間外労働規制など、コスト増加や人材確保が業界共通の課題です。
  • インバウンド需要や個人消費の回復を背景に、業界全体の設備投資は持ち直し傾向です。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣のビジョン・戦略

  • 中期経営計画「進化発展」の最終年度として、VISIONの実現を目指し、掲げた戦略を着実に実行中。
  • 顧客の投資増による新装・改装需要の取り込み、サービス分野の拡大、インバウンド需要への対応を強化。
  • セグメント別では複合商業施設・専門店・サービス等分野の売上拡大に注力。

4. 事業モデルの持続可能性

収益モデル・市場ニーズへの適応力

  • 売上の約9割が内装・外装工事で、安定した受注基盤を有しています。
  • 顧客の設備投資動向や消費トレンドに左右される面はあるものの、多様な分野に展開しリスク分散を図っています。
  • 資材・人件費高騰などのコスト増を外注費率改善や効率化で吸収。

5. 技術革新と主力製品

技術開発の動向・独自性/主力サービス

  • ディスプレイ設計・施工の一貫体制が差別化要因。
  • 大型商業施設やホテル、エンターテインメント施設の新装・改装案件で高い実績。
  • サステナビリティや省エネ対応、インバウンド向け案件等、顧客ニーズに合わせた提案力を強化。

6. 株価の評価

EPS・BPS等による株価評価

  • 株価:1,171円
  • 予想EPS:104.48円 → 予想PER:11.21倍(業界平均PER: 17.0倍と比較し割安水準)
  • 実績BPS:1,341.14円 → 実績PBR:0.87倍(業界平均PBR: 1.8倍と比較し割安)
  • 配当利回り(予想):4.61%(高水準)
  • ROE(実績):8.07%(安定的)

7. テクニカル分析

株価推移・高値安値圏の状況

  • 年初来高値:1,181円/年初来安値:976円
  • 直近株価は1,171円で年初来高値圏に位置
  • 50日移動平均:1,143.5円、200日移動平均:1,124.36円を上回って推移し、上昇トレンド
  • 出来高は安定し、直近10日間で徐々に上昇

8. 財務諸表分析

売上・利益・キャッシュフロー・ROE/ROA等の評価

  • 売上高(2024年12月期):64,182百万円(前年比21.6%増)
  • 営業利益:3,477百万円(前年比35.1%増)
  • 純利益:2,554百万円(前年比51.6%増)
  • ROE:8.07%、ROA:5.64%(安定的な収益性)
  • 自己資本比率:79.6%(高水準で財務健全)
  • キャッシュフロー:現金・預金10,140百万円、総負債56百万円と極めて低い負債水準
  • 売上・利益ともに3期連続増加傾向

9. 株主還元と配当方針

配当利回り・配当性向・株主還元策

  • 予想1株配当:54円、配当利回り4.61%(高水準)
  • 配当性向:47.96%(利益の約半分を配当に還元)
  • 自己株式保有比率も高く、自社株買い等による株主還元意識がうかがえる
  • 5年平均配当利回り:4.01%で安定的な配当政策

10. 株価モメンタムと投資家関心

株価の直近変動傾向・影響要因

  • 直近10日で株価は上昇基調、年初来高値圏に到達
  • 信用買残はやや減少傾向も、信用倍率は高い(24.24倍)
  • 出来高も増加傾向で投資家の関心が高まっている様子
  • 配当利回りの高さや業績堅調を背景に、安定志向の投資家の注目が集まりやすい状況

11. 総評

スペースは、商業施設を中心としたディスプレイ・内装工事の大手企業であり、企画から施工まで一貫対応できる体制が強みです。業績はコロナ禍からの回復とともに好調で、売上・利益ともに増加傾向、財務基盤も極めて健全です。配当利回りも高く、株主還元意識も強い企業です。株価は年初来高値圏にあり、業界平均と比較しても割安な水準となっています。今後は資材・人件費の高騰や人手不足といった業界課題への対応が引き続き重要となりますが、安定した受注基盤と多様な事業展開により、持続的な成長が期待される状況です。


企業情報

銘柄コード 9622
企業名 スペース
URL http://www.space-tokyo.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – サービス業

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By シャーロット

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