1. 企業情報
三井住建道路は、道路舗装を主力とする建設会社です。道路、空港、港湾、生活・コミュニティ施設などの設計・施工・監理、造園、土木工事、電気・管工事などを手掛けています。三井住友建設の子会社であり、グループ関連工事や官公庁からの受注が主な収入源です。北海道地方に強みを持っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
道路舗装業界の中堅企業であり、三井住友建設との連携による安定的な受注基盤が強みです。官公庁からの受注に加え、民間工事の拡大を目指しています。業界内では、公共投資の動向や、資材価格・人件費の高騰、競争激化といった課題に直面しています。
3. 経営戦略と重点分野
蓮井肇社長のもと、2025-2027年度の中期経営計画では、次世代の成長に向けた土台整備を重点的に行っています。具体的には、安全を最優先とし、品質向上、コスト削減による収益力向上を目指しています。また、次世代を担う人材育成にも注力しています。
4. 事業モデルの持続可能性
公共投資に依存する部分が大きいものの、三井住友建設との連携により一定の安定性を確保しています。民間工事の拡大や、製造・販売事業におけるコストに見合う価格転嫁、リサイクル事業の拡大などが、収益性向上に向けた取り組みとして挙げられます。市場ニーズの変化への適応としては、環境対策への取り組みも行っています。
5. 技術革新と主力製品
詳細な技術革新に関する情報は開示されていません。主力製品は、道路舗装工事であり、アスファルト混合物などの建設資材の製造・販売も行っています。
6. 株価の評価
- 株価: 1,504円 (2025年7月11日終値)
- PER (会社予想): 32.91倍 (業界平均: 11.3倍)
- PBR (実績): 1.02倍 (業界平均: 0.7倍)
- EPS (会社予想): 45.70円
- BPS (実績): 1,475.51円
- 配当利回り (会社予想): 3.32%
PERは業界平均を大きく上回っており、割高感があります。PBRは業界平均より高いものの、1倍を超えており、純資産に対してある程度の評価を受けていると考えられます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、1,504円から1,623円の間を変動しており、7月11日は1,504円で取引を終えています。年初来高値は1,623円、年初来安値は1,045円です。50日移動平均線は1,458.50円、200日移動平均線は1,245.87円です。直近の株価は、50日移動平均線を上回っており、上昇トレンドにあると見られます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2025年3月期は301.57億円で、前期比2.4%減。
- 営業利益: 2025年3月期は2.24億円で、前期比77.4%減。
- 当期純利益: 2025年3月期は1.67億円で、前期比71.4%減。
- ROE (実績): 1.23%
- 自己資本比率 (実績): 55.2%
売上高は減少、利益も大幅に減少しており、厳しい状況です。自己資本比率は高く、財務基盤は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り (会社予想): 3.32%
- 1株配当 (会社予想): 50.00円
- 配当性向: 95.49% (予想)
- 自社株買い: 実施されていません。
2026年3月期の配当予想は50円であり、高い配当性向となっています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近10日間の株価は、変動を繰り返しながらも、上昇傾向にあります。出来高は、平均26,210株と、比較的活発です。信用買い残は増加傾向にあり、投資家の関心は高まっていると考えられます。
11. 総評
三井住建道路は、三井住友建設の子会社であり、安定した受注基盤を持つものの、2025年3月期は業績が悪化しています。株価は、PERが高く割高感がありますが、配当利回りは比較的高く、株主還元に積極的な姿勢を示しています。テクニカル面では、上昇トレンドにあるものの、業績の回復が今後の株価を左右する重要な要素となります。今後の業績回復と、中期経営計画の進捗に注目が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 1776 |
| 企業名 | 三井住建道路 |
| URL | http://www.smrc.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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