1. 企業情報
玉井商船は、主に日本近海で船舶を運航する海運会社です。日軽金向けのアルミニウム原料船の輸送を主力とし、全農向けの穀物輸送にも強みを持っています。自社船による運航が中心で、外航海運、内航海運、不動産賃貸事業を展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
玉井商船は、特定の顧客との長期的な取引関係を基盤としており、特にアルミニウム原料輸送において一定のシェアを占めていると考えられます。海運業界は競争が激しく、市況の変動や燃料価格、為替レートの影響を受けやすいですが、玉井商船は、特定の分野に特化することで、ある程度の安定性を確保していると考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
2025年3月期の決算短信によると、玉井商船は外航海運、内航海運、不動産賃貸の各事業を展開しています。
* 外航海運業: 支配船舶による輸送、短期貸船による安定収益の確保を目指しています。
* 内航海運業: 定期用船による輸送、船員派遣業を展開しています。
* 不動産賃貸業: 賃貸用不動産による収益を上げています。
2026年3月期の業績予想では、売上高50億円、営業利益1.6億円、当期純利益9000万円を見込んでいます。
4. 事業モデルの持続可能性
玉井商船の収益モデルは、特定の顧客との長期契約に依存している部分があり、市況変動の影響を受けやすいものの、安定した収益基盤を築いています。環境規制強化への対応や、燃料価格の高騰など、海運業界特有のリスクへの対応が、今後の持続可能性を左右するでしょう。
5. 技術革新と主力製品
玉井商船は、船舶運航を主な事業としているため、技術革新は、燃費効率の良い船舶の導入や、運航管理システムの最適化などが中心となります。主力製品は、アルミニウム原料や穀物などを輸送する船舶運航サービスです。
6. 株価の評価
- 株価: 2,439円（2025年7月11日終値）
- EPS (1株あたり当期純利益): 1,085.86円 (2025年3月期)
- PER (株価収益率): 2.25 (株価 / EPS)
- BPS (1株あたり純資産): 4,799.11円 (直近四半期)
- PBR (株価純資産倍率): 0.51 (株価 / BPS)
PERは2.25と低く、割安感があります。PBRも0.51と低く、割安と判断できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、上昇傾向にあります。52週高値2,477円に近づいており、高値圏にあると判断できます。50日移動平均線2,008.96円、200日移動平均線1,722.08円を大きく上回っており、上昇トレンドを示唆しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2025年3月期は53.89億円で、前期比13.4%減。
- 営業利益: 2025年3月期は8.88億円で、前期比2.0%増。
- 当期純利益: 2025年3月期は20.95億円で、前期比186.5%増。
- ROE (自己資本利益率): 25.14% (過去12か月)
- ROA (総資産利益率): 4.54% (過去12か月)
2025年3月期は、売上高が減少したものの、営業利益、当期純利益は大幅に増加しています。営業外収益として固定資産売却益を計上したことが、当期純利益を押し上げた要因と考えられます。ROEは25.14%と高く、効率的な経営が行われていることを示唆しています。
9. 株主還元と配当方針
- 年間配当: 80円
- 配当利回り: 3.87%
- 配当性向: 7.37%
- Ex-Dividend Date: 2025年3月28日
高い配当利回りで、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは良好です。出来高も増加しており、投資家の関心が高まっている可能性があります。信用買残は増加、信用売残はゼロであり、買い優勢の状況です。
11. 総評
玉井商船は、特定の分野に特化した海運会社であり、安定した収益基盤を持っています。2025年3月期は、売上高は減少したものの、当期純利益は大幅に増加し、高いROEを達成しています。株価は割安感があり、高い配当利回りも魅力的です。直近の株価は上昇傾向にあり、投資家の関心も高まっていると考えられます。ただし、海運市況の変動や、燃料価格、為替レートの影響を受けやすい点には注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 9127 |
| 企業名 | 玉井商船 |
| URL | http://www.tamaiship.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 海運業 |
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