1. 企業情報
澤藤電機は、日野自動車系の電装品メーカーであり、主にトラック用のスターターやオルタネーターなどの電装品を製造・販売しています。また、車載用冷蔵庫や、ホンダ向けの発電機も手掛けています。事業は電装品、発電機、冷蔵庫の3つの主要セグメントで構成されています。
2. 業界のポジションと市場シェア
澤藤電機は、日野自動車との関係性が深く、トラック電装品分野で一定のシェアを占めていると考えられます。車載用冷蔵庫の「ENGEL」ブランドは、一定の認知度を有しています。
競争優位性:
- 日野自動車との安定的な取引関係
- 車載用冷蔵庫におけるブランド力
課題:
- 自動車業界全体の動向に業績が左右されやすい
- 原材料価格の高騰や為替変動の影響を受けやすい
- 発電機事業は、セグメント損失を計上しており、収益性改善が課題
3. 経営戦略と重点分野
澤藤電機は、中期経営計画として「チャレンジ2030」を掲げ、企業基盤、環境戦略、財務戦略の3つのサステナビリティ経営に取り組んでいます。
中期経営計画の重点分野:
- 強固な企業基盤の構築
- 環境戦略への取り組み
- 財務戦略の推進
4. 事業モデルの持続可能性
澤藤電機の事業モデルは、自動車業界の動向に大きく影響を受けます。電動化の加速や、環境規制の強化など、自動車業界を取り巻く環境変化への対応が重要になります。
収益モデル:
- 電装品事業：トラック・バス向け電装品の安定的な需要
- 発電機事業：可搬式発電機の販売
- 冷蔵庫事業：車載用冷蔵庫の販売
市場ニーズの変化への適応力:
- 電動化への対応（HV・EVモータの開発など）
- 環境対応製品の開発
- 海外市場への展開
5. 技術革新と主力製品
澤藤電機は、電装品、発電機、冷蔵庫に関する技術開発を行っています。
主力製品:
- トラック・バス用スターター、オルタネーター
- 車載用冷蔵庫「ENGEL」
- 可搬式発電機「Elemax」
6. 株価の評価
- 株価: 954.0円
- PER（会社予想）: 10.83倍（業界平均：12.9倍）
- PBR（実績）: 0.33倍（業界平均：0.8倍）
- EPS（会社予想）: 88.07円
- BPS（実績）: 2,914.84円
現在の株価は、PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、930円台から950円台で推移しており、年初来高値近辺で推移しています。
8. 財務諸表分析
売上高:
- 2025年3月期：236億1百万円（前年同期比-11.7%）
- 2024年3月期：267億42百万円
- 2023年3月期：293億40百万円
売上高は、減少傾向にあります。
利益:
- 2025年3月期：営業利益76百万円（前年同期比-86.5%）、当期純利益247百万円（前年同期比-52.2%）
- 2024年3月期：営業利益5億63百万円、当期純利益5億17百万円
- 2023年3月期：営業利益2億38百万円、当期純利益2億85百万円
利益も減少傾向にあり、特に2025年3月期は大幅な減益となっています。
その他の指標:
- ROE（実績）：1.89%
- ROA（過去12か月）：0.19%
- 自己資本比率（実績）：50.1%
ROE、ROAは低水準であり、収益性の改善が課題です。自己資本比率は50%を超えており、財務基盤は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.35%
- 1株配当（会社予想）: 32.00円
- 配当性向: 55.72%
澤藤電機は、安定的な配当を実施しており、配当利回りも魅力的です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、年初来高値近辺で推移しており、上昇基調にあると考えられます。
株価への影響を与える要因:
- 自動車業界の動向
- 原材料価格や為替変動
- 業績予想の達成状況
- 中期経営計画の進捗状況
11. 総評
澤藤電機は、日野自動車との安定的な取引関係を基盤に、電装品、発電機、冷蔵庫事業を展開しています。しかし、業績は減少傾向にあり、収益性の改善が課題です。株価は割安感があり、配当利回りも魅力的ですが、今後の業績回復と、自動車業界の動向、中期経営計画の進捗状況を注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 6901 |
| 企業名 | 澤藤電機 |
| URL | http://www.sawafuji.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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