1. 企業情報
三菱製紙は、コート紙を主力とする大手製紙会社です。グラフィックアーツ材料、電子材料、医療・ヘルスケア分野の製品も手掛けており、海外売上比率が高いのが特徴です。王子ホールディングスが筆頭株主です。
2. 業界のポジションと市場シェア
三菱製紙は、製紙業界において中位に位置しています。コート紙分野での強みを持つ一方、印刷・情報用紙の需要減少という課題に直面しています。機能性材料分野への注力は、今後の成長の鍵となる可能性があります。
3. 経営戦略と重点分野
三菱製紙は、中期経営計画において、機能商品事業と紙素材事業の両輪での成長を目指しています。具体的には、機能商品事業では感熱紙やPPC用紙の拡販、環境配慮型製品の展開を、紙素材事業では印刷用紙の最適化、高付加価値製品の拡販、脱プラ・減プラ需要への対応などを重点的に行っています。
4. 事業モデルの持続可能性
三菱製紙の収益モデルは、紙製品の需要動向に大きく影響されます。印刷用紙の需要減少に対応するため、機能性材料分野へのシフトや、環境対応製品の開発など、市場ニーズの変化への適応が重要です。
5. 技術革新と主力製品
三菱製紙は、感熱紙、PPC用紙、環境配慮型製品など、多様な製品を提供しています。特に、機能商品事業における技術開発が重要であり、POS市場向け感熱紙や、脱プラ・減プラに対応した包装紙などの開発が、今後の収益を牽引する可能性があります。
6. 株価の評価
- 株価: 648.0円（2025年7月11日終値）
- EPS（会社予想）: 79.85円
- PER（会社予想）: 8.12倍 (業界平均: 9.5)
- BPS（実績）: 1,945.16円
- PBR（実績）: 0.33倍 (業界平均: 0.5)
PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、630円から655円の範囲で推移しており、648円で取引を終えています。年初来高値782円、年初来安値519円であり、50日移動平均線648.08円、200日移動平均線597.93円となっています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2025年3月期は1,759億42百万円（前期比9.1%減）。
- 営業利益: 2025年3月期は45億67百万円（前期比15.6%減）。
- 経常利益: 2025年3月期は45億48百万円（前期比35.9%減）。
- 当期純利益: 2025年3月期は43億43百万円（前期比4.2%増）。
- ROE: 4.93%
- 自己資本比率: 40.9%
売上高、営業利益、経常利益は減少傾向にありますが、当期純利益は増加しています。自己資本比率は40.9%と、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 2.31%
- 1株配当（会社予想）: 15.00円
- 配当性向: 15.13%
配当性向は低く、今後の増配余地があると考えられます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、10日間の変動で630円から655円の間を推移しており、方向感は定まっていません。信用買い残が多く、今後の株価動向に注意が必要です。
11. 総評
三菱製紙は、コート紙を主力とする製紙会社であり、機能性材料分野への注力や、環境対応製品の開発など、事業構造の転換を図っています。財務状況は安定していますが、業績は変動しており、今後の市場動向や、構造改革の進捗に注目する必要があります。株価は割安感があり、配当利回りも魅力的ですが、業績の回復と持続的な成長が見込めるかどうかが、投資判断のポイントとなります。
企業情報
| 銘柄コード | 3864 |
| 企業名 | 三菱製紙 |
| URL | http://www.mpm.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – パルプ・紙 |
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