1. 企業情報

セブン工業は、集成材を主力とする内装建材メーカーです。ゴムノキ製の戸建て用階段で高いシェアを誇り、集合住宅向けにも注力しています。事業は、階段や和風造作材などの内装建材と、プレカットなどの木構造建材に大別されます。大規模木造建築の提案・施工も手掛けています。

2. 業界のポジションと市場シェア

セブン工業は、木質系内装建材市場において一定の地位を確立しています。特に戸建て用階段では強みを持っています。

競争優位性:

  • ゴムノキ階段における高いシェア
  • 内装建材と木構造建材の両方を手掛ける事業ポートフォリオ

課題:

  • 木材価格の変動リスク
  • 競合他社との価格競争
  • 建設需要の変動による業績への影響

3. 経営戦略と重点分野

セブン工業の経営戦略は、内装建材事業と木構造建材事業のバランスを取りながら、事業を推進することです。

中期経営計画(2026年3月期)における重点分野:

  • 内装建材事業の強化(販売価格の適正化、生産性向上)
  • 木構造事業の効率化(資材価格高騰への対応、価格競争への対応)
  • 集合住宅向け建材の拡充

4. 事業モデルの持続可能性

セブン工業の事業モデルは、住宅需要に大きく依存します。木材価格の変動や競合との価格競争、建設需要の変動といった外部環境の変化に、いかに柔軟に対応できるかが、持続可能性を左右する要因となります。

収益モデル:

  • 内装建材事業:階段、カウンターなどの販売
  • 木構造建材事業:プレカット、木造建築部材の販売

市場ニーズへの適応力:

  • 高付加価値製品の開発
  • コスト削減努力
  • 多様な顧客ニーズへの対応

5. 技術革新と主力製品

セブン工業は、集成材技術を基盤としています。

主力製品:

  • ゴムノキ製階段
  • 木製カウンター
  • 木構造建材(プレカットなど)

6. 株価の評価

指標
株価 512.0円
PER(会社予想) 32.65倍
PBR(実績) 0.36倍
配当利回り 3.91%
EPS(会社予想) 15.68円
BPS(実績) 1,414.40円

評価:

  • PERは32.65倍であり、業界平均PER10.0と比較して割高な水準です。
  • PBRは0.36倍であり、業界平均PBR0.5を下回っており、割安感があります。
  • 配当利回りは3.91%と、ある程度のインカムゲインが期待できます。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価は505円~525円の範囲で推移しており、50日移動平均線(511.78円)と200日移動平均線(494.12円)を上回っています。

判断:

  • 直近の株価は、年初来高値556円からは下落していますが、50日移動平均線を上回っており、底堅さも伺えます。

8. 財務諸表分析

損益計算書(過去5年)

項目 2025/3 (百万円) 2024/3 (百万円) 2023/3 (百万円) 2022/3 (百万円)
売上高 15,418 15,263 17,654 16,015
営業利益 191 47 334 469
当期純利益 184 -783 231 361
Basic EPS 41.43 -175.58 51.82 81.07

財務指標:

  • 売上高: 2023年3月期をピークに減少傾向にあります。
  • 営業利益: 2024年3月期は赤字でしたが、2025年3月期は黒字転換しています。
  • 当期純利益: 2024年3月期は赤字でしたが、2025年3月期は黒字転換しています。
  • ROE: 2024年3月期はマイナスでしたが、2025年3月期は2.94%と回復しています。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 3.91%
  • 1株配当(会社予想): 20.00円
  • 配当性向: 203.67%
  • 自社株買い: 情報なし

評価:

  • 高い配当利回りは魅力的ですが、配当性向が200%を超えている点は注意が必要です。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近の株価変動: 安定した推移
  • 出来高: 低水準
  • 信用取引: 信用買い残は減少傾向、信用倍率は0.00倍と低い

株価への影響要因:

  • 住宅着工件数などの建設需要
  • 木材価格の変動
  • 競合他社の動向
  • 業績発表

11. 総評

セブン工業は、木質系内装建材市場において一定の地位を確立しており、特にゴムノキ製階段で強みを持っています。2025年3月期は黒字転換し、配当利回りも高い水準ですが、PERは割高感があります。
* 今後の業績動向、特に建設需要の回復や木材価格の安定化、中期経営計画の進捗状況を注視する必要があります。
* 高い配当利回りは魅力的ですが、配当性向が高い点には注意が必要です。
* テクニカル面では、50日移動平均線を上回っており、底堅さも伺えます。

リスク:

  • 建設需要の変動
  • 木材価格の変動
  • 競合との価格競争
  • 配当性向の高さ

企業情報

銘柄コード 7896
企業名 セブン工業
URL http://www.seven-gr.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 情報通信・サービスその他 – その他製品

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