1. 企業情報
企業名：株式会社ワキタ
本社所在地：大阪市西区江戸堀1-3-20
設立：1960年3月21日
従業員数：1,842人（平均年齢38.4歳、平均年収612万円）
概要：
ワキタは建設機械の販売・レンタルを主力とする機械商社です。特に土木建設機械のレンタルに強みを持ち、小型機械の製造も行っています。加えて、商事事業（カラオケ機器等の販売・レンタル）、不動産事業（オフィスビル・マンションの賃貸、ホテル運営など）も展開しています。
セグメント構成（2025.2）：建機80%、商事11%、不動産8%（カッコ内はセグメント利益構成比）
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション：
建設機械レンタル業界においては中堅規模。土木建設機械のレンタルに強みを持ち、全国規模で店舗ネットワークを拡大しています。小型機械の自社製造も競争力の一因です。
– 競争優位性：
幅広い機種のレンタル、独自の小型機製造、全国ネットワーク、商事・不動産の多角化が特徴。
– 課題：
建設業界全体の労働力不足、建設コスト高止まり、公共投資・民間投資の動向に業績が左右されやすい点。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略：
2028年2月期を最終年度とする中期経営計画「2028 中期経営計画」を策定し、「飛躍への基盤造り」をスローガンに掲げています。
– 重点施策：
– 店舗ネットワークの拡充
– DX（デジタルトランスフォーメーション）の推進
– 事業領域の拡大
– 資産効率の向上
– 各事業の方針：
– 建機事業：仮設業界向け機材整備装置の販売、レンタル需要への対応強化
– 商事事業：カラオケ機器の新機種投入、新市場開拓
– 不動産事業：稼働率維持とホテル事業の拡大
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル：
建機レンタル・販売による安定収益に加え、不動産賃貸や商事事業による多角化でリスク分散を図っています。
– 市場ニーズ変化への対応：
建設現場の省力化・効率化需要への対応、小型機械の自社開発、DX推進などで変化に適応。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向：
小型建機の自社製造、仮設業界向けの機材整備装置、カラオケ機器の新機種開発など。
– 主力製品・サービス：
建設機械（発電機、溶接機、コンプレッサー、道路機械、土木用重機など）のレンタル・販売が主力。不動産ではオフィス・マンション・ホテル運営も収益源。
6. 株価の評価
- 株価：1,697円（2025/7/11終値）
- EPS（会社予想）：73.97円
- PER（会社予想）：22.94倍（業界平均12.1倍）
- BPS（実績）：1,961.76円
- PBR（実績）：0.83倍（業界平均1.0倍）
- 評価：
- PERは業界平均より高め
- PBRは業界平均より低め
- 株価はBPSを下回る水準
7. テクニカル分析
- 直近株価推移：
- 1,700円前後で小幅な値動きが続いている
- 年初来高値：1,849円、年初来安値：1,497円
- 50日移動平均：1,714.96円、200日移動平均：1,689.53円
- 現状：
- 直近は移動平均線付近で推移し、レンジ相場
- 高値圏ではないが、安値圏でもない中間帯
8. 財務諸表分析
- 売上・利益：
- 売上高は増加傾向（2022年2月期：751億円→2025年2月期：923億円）
- 営業利益も増加傾向（2022年2月期：55億円→2025年2月期：63億円）
- 純利益は変動（2023年2月期：39億円→2025年2月期：39億円）
- 収益性指標：
- ROE：3.90%、ROA：2.76%（やや低め）
- 営業利益率：約4%
- 財務安全性：
- 自己資本比率：約69%と高水準
- 有利子負債は少なく、財務健全
- キャッシュフロー：
- 営業CF・フリーCFともにプラスで安定
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り：5.89%（会社予想）
- 配当性向：126.15%（直近実績、利益水準に比し高め）
- 年間配当：100円（予想）
- 自社株買い：自己株式保有比率4.94%（2025年2月期）
- 方針：安定配当を重視
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム：
- 直近1年でやや下落傾向（52週変動：-2.58%）
- 直近10日間は1,700円前後で安定
- 信用取引状況：
- 信用倍率7.34倍（買い残多め）
- 投資家関心：
- 配当利回りの高さが注目材料
- インサイダー・機関投資家の保有比率も一定水準
11. 総評
ワキタは建設機械のレンタル・販売を主力とし、商事・不動産事業も展開する多角化企業です。建機レンタル業界で全国ネットワークと小型機の自社製造に強みを持ち、安定した財務基盤と高い自己資本比率を維持しています。近年は売上・営業利益が増加傾向にある一方、ROEや利益率はやや低めにとどまっています。配当利回りは高水準ですが、配当性向が高く、利益成長とのバランスが課題です。株価は業界平均PERを上回る一方、PBRは割安水準であり、財務健全性や安定配当を重視する投資家から一定の関心を集めています。今後は建設市場の動向や労働力不足、コスト高止まりなどの外部環境に注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 8125 |
| 企業名 | ワキタ |
| URL | http://www.wakita.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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