1. 企業情報
- 事業内容
カルビー株式会社は、日本を代表するスナック菓子メーカーです。主力製品は「ポテトチップス」「じゃがりこ」などのポテト系スナック、えびせんべい「かっぱえびせん」、シリアル食品「フルグラ」など。国内外で幅広く展開し、北米・中国・英国・インドネシアなど海外市場にも進出。Eコマースによる販売も強化しています。設立は1949年、本社は東京都千代田区。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション
カルビーは日本国内スナック菓子市場で最大手。ポテトチップスやじゃがりこは圧倒的なブランド力を持ち、シリアル分野でも「フルグラ」が高いシェアを維持。
– 競争優位性・課題
ブランド力・商品開発力・全国流通網が強み。一方、原材料価格の高騰や消費者の節約志向、海外市場での競争激化が課題。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営陣のビジョン・戦略
「2030ビジョン・成長戦略」のもと、事業構造改革を推進。中期経営計画「Change 2025」では、国内外のコア事業強化・新規健康食品領域への進出・生産効率化・DX推進を重点施策としています。
– 具体的施策
– 国内：新工場（せとうち広島工場）稼働、ファンマーケティング強化、データドリブン経営
– 海外：北米・欧州・アジアでの販売網拡大、地域特性に合わせた商品展開
– 新規領域：健康志向食品「Body Granola」や冷食事業への本格参入
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
主力のスナック・シリアル食品による安定収益基盤。国内市場は成熟傾向ながら、海外展開や新規領域で成長余地あり。
– 市場ニーズ適応力
健康志向や多様な消費者ニーズに合わせた商品開発・マーケティングを積極展開。価格改定や商品規格の見直しで原材料高にも対応。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向・独自性
生産効率化や新工場稼働、DX活用による業務改善。健康志向商品や新素材スナックの開発にも注力。
– 収益を牽引する製品・サービス
– ポテトチップス（堅あげポテト等）
– じゃがりこ
– フルグラ（シリアル）
– 海外では「Harvest Snaps」など
6. 株価の評価
- 指標比較
- 株価：2,644円
- 予想EPS：164.08円
- 予想PER：16.11倍（業界平均19.5倍より低い）
- BPS：1,642.27円
- PBR：1.61倍（業界平均1.3倍よりやや高い）
- 現在株価との比較
業界平均と比較し、PERは割安圏、PBRはやや高め。
7. テクニカル分析
- 株価推移
- 直近10日間：2,615～2,745円で推移、現在値2,644円
- 年初来高値：3,152円、年初来安値：2,615円
- 50日移動平均：2,799.82円、200日移動平均：2,982.99円
- 現在の位置
年初来安値圏に近く、移動平均線を下回る水準。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益・キャッシュフロー
- 売上高：322,564百万円（前年比+6.4%）
- 営業利益：29,066百万円（前年比+6.5%）
- 純利益：20,874百万円（前年比+5.0%）
- 営業CF：39,100百万円（前年比大幅増）
- ROE/ROA
- ROE：10.52%（安定水準）
- ROA：5.93%
- 自己資本比率
- 64.3%（高水準）
- 過去数年の傾向
売上・利益ともに安定成長。営業CFも安定、財務健全性高い。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り・配当性向
- 予想配当：60円／株、配当利回り2.27%、配当性向約36.6%
- 株主還元策
- 総還元性向50%以上・DOE4%を目標に安定増配方針
- 自社株買いも実施
- 過去の配当実績
安定増配傾向、特別配当の実施はなし
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価変動
直近1年で下落基調（52週変化率-16.2%）、直近10日間も安値圏で推移
– 影響要因
原材料高や海外不調（特に中華圏）、業績成長率の鈍化、インフレ・為替リスクなどが株価に影響
11. 総評
- カルビーは国内スナック菓子最大手として安定した収益基盤を持ち、海外展開や新規健康食品領域への進出による成長を目指しています。財務基盤は堅固で、配当政策も安定志向。株価は業界平均PERより割安圏ですが、直近は安値圏で推移しており、外部環境や業績成長率の動向が注目されます。今後は、原材料高や海外市場のリスク、消費者動向への柔軟な対応が重要となります。
企業情報
| 銘柄コード | 2229 |
| 企業名 | カルビー |
| URL | http://www.calbee.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 食品 – 食料品 |
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