1. 企業情報
事業内容の説明
ジャパンマテリアル株式会社は、主に半導体・液晶工場向けの特殊ガス供給装置の開発・製造・販売および供給配管の設計・施工、ガス販売・管理、技術サービスを展開しています。
また、グラフィックスソリューション事業としてデジタルサイネージやグラフィックボード等の販売、太陽光発電事業も手掛けています。
主力はエレクトロニクス関連事業（売上全体の約96%）で、安定したインフラ事業を展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
業界内での競争優位性・課題
- 半導体・液晶工場向け特殊ガス供給装置分野で高い専門性と実績を持ち、主要顧客の稼働率改善により安定した収益基盤を確保。
- 「トータルファシリティマネジメント（TFM）」による包括的なサービス提供が差別化要因。
- 競合他社（例：日揮、荏原実業など）と比較して、オペレーション部門の安定収益性が強み。
- 一方、半導体市況や主要顧客の設備投資動向に業績が左右されやすい点が課題。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣のビジョン・戦略
- 顧客ニーズに応える事業展開を重視。
- オペレーション部門（ガス販売管理・技術サービス）の強化と人材確保による安定収益基盤の拡大。
- イニシャル部門（装置製造・配管設計施工）では、主要顧客の設備投資を取り込むための営業強化。
- グラフィックスソリューション事業では、デジタルサイネージ分野のトータルソリューション拡大を推進。
中期経営計画・重点施策
- 具体的な数値目標は非開示だが、事業領域の拡大と安定収益の確保が基本方針。
4. 事業モデルの持続可能性
- 半導体・液晶工場向けインフラ事業は、顧客の生産活動と密接に連動し、長期的な契約や継続的なサービス提供が多い。
- 半導体市場の需給変動に影響を受けやすいが、オペレーション部門の安定性が全体の収益安定に寄与。
- グラフィックス事業や太陽光発電など、多角化も進めているが、現状はエレクトロニクス事業への依存度が高い。
5. 技術革新と主力製品
- 特殊ガス供給装置や関連インフラの設計・施工において、高度な技術力を有する。
- 「トータルファシリティマネジメント（TFM）」による包括的な施設管理サービスが独自性。
- グラフィックス事業では、デジタルサイネージやビデオプロセッサーなど新分野にも展開。
6. 株価の評価
- PER（予想）：16.23倍（業界平均17.0倍と比較してやや割安水準）
- PBR（実績）：2.70倍（業界平均1.8倍より高い）
- EPS（予想）：87.59円
- BPS（実績）：526.79円
- 株価：1,422円
株価指標からの評価
- 過去の利益成長率やROEの高さ（15%超）を踏まえると、PERは妥当な範囲。
- PBRは高めだが、自己資本比率の高さや成長性を市場が評価している可能性。
7. テクニカル分析
- 年初来高値：1,857円
- 年初来安値：954円
- 直近株価：1,422円
- 50日移動平均：1,421.4円
- 200日移動平均：1,527.43円
推移
- 2025年初の高値圏（1,857円）から調整し、現在は50日移動平均付近、200日移動平均を下回る水準。
- 直近10日間は1,400円台でのもみ合いが続いており、安値圏からは回復傾向だが、上値は重い展開。
8. 財務諸表分析
- 売上高：52,678百万円（前年比+8.4%）
- 営業利益：11,188百万円（前年比+44.2%）
- 純利益：7,872百万円（前年比+38.6%）
- 営業利益率：21.2%（前年16.0%から大幅改善）
- ROE：15.48%
- ROA：11.45%
- 自己資本比率：82.4%
- 営業キャッシュフロー：14,195百万円（大幅増加）
- 総資産：65,702百万円（前年より増加）
- 負債比率：20.3%と低水準
傾向
- 2024→2025年にかけて大幅な利益率改善とキャッシュフロー増加。
- 財務健全性が非常に高い（自己資本比率80%超、負債極小）。
- 営業利益率・ROEともに高水準で推移。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想
- 2024年3月期：20円
- 2025年3月期：24円
- 2026年3月期予想：27円
- 配当利回り（予想）：1.90%
- 配当性向（予想）：31.32%
- 自社株買い：自己株式保有あり（2.28%）
方針
- 安定配当を基本とし、業績拡大に合わせて増配傾向。
- 配当性向は30%前後と健全な水準。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近10日間は1,400円台前半での推移が中心で、出来高も安定。
- 年初来高値からは調整局面だが、底値圏（954円）からは大きく回復。
- 信用買残は減少傾向、信用倍率は4倍台とやや買い長。
- インサイダー・機関投資家の保有比率が高く、安定株主構成。
11. 総評
ジャパンマテリアルは、半導体・液晶工場向けインフラ事業を主軸とし、安定した収益基盤と高い財務健全性を有しています。直近決算では売上・利益ともに大幅増加し、営業利益率やROEも高水準を維持。株価は直近調整局面にあるものの、PERは業界平均並み、PBRはやや高めですが、成長性や財務健全性を市場が評価していると考えられます。配当も増配傾向で株主還元姿勢が見られます。今後は半導体市況や主要顧客の設備投資動向が注目されますが、オペレーション部門の安定性と多角化の進展により、持続的な成長が期待される企業です。
企業情報
| 銘柄コード | 6055 |
| 企業名 | ジャパンマテリアル |
| URL | http://www.j-material.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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