1. 企業情報
- 企業名: 株式会社エンビプロ・ホールディングス
- 本社所在地: 静岡県富士宮市田中町87-1
- 設立: 2010年5月21日（グループ創業は1950年）
- 従業員数: 640人
- 事業内容:
- 資源循環事業：工場や解体現場から排出される金属スクラップや産業廃棄物を回収・加工し、鉄・非鉄金属、プラスチック、ゴム製品として販売。
- グローバルトレーディング事業：リサイクル資源、木質バイオマス燃料、中古車などの輸出入・販売。物流サービスも提供。
- リチウムイオン電池リサイクル事業：使用済み電池や工場廃棄物からコバルト・ニッケル等のレアメタルを回収・販売。
- その他：環境経営コンサルティング、障がい福祉サービスなど。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界区分: 鉄鋼・非鉄（資源リサイクル・廃棄物管理）
- 競争優位性:
- 高品位な金属スクラップ加工技術と国内外ネットワークを保有。
- リチウムイオン電池リサイクル分野で先行投資を実施し、国内シェア拡大を目指す。
- 課題:
- 資源価格（鉄スクラップ、レアメタル等）や為替変動の影響を受けやすい。
- 中国の鉄鋼過剰生産や米国の関税政策等、外部環境の不透明感が継続。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略: 「サーキュラーエコノミー（CE）をリードする」企業を目指し、資源循環型社会の実現に貢献。
- 中期経営計画の重点施策:
- サービス事業の拡大による収益ポートフォリオの多様化。
- リチウムイオン電池リサイクル事業への積極投資と国内シェア拡大。
- グローバルトレーディング事業では国内電炉メーカーとの連携強化。
- 資源価格変動リスクの低減を図る体質づくり。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 資源循環・リサイクル事業を中心とし、安定的な売上を確保。リチウムイオン電池リサイクルなど新規分野も育成中。
- 市場ニーズへの適応力: EV・再生可能エネルギー社会への移行に伴い、リチウムイオン電池リサイクル等の新需要に対応。サーキュラーエコノミー推進で社会的要請も高まる。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向:
- 金属スクラップの高品位加工技術。
- リチウムイオン電池からのレアメタル回収技術（茨城工場の本格稼働）。
- 主力製品・サービス:
- 鉄・非鉄金属スクラップ、リチウムイオン電池リサイクルによるコバルト・ニッケル等の販売。
- グローバルトレーディングによるリサイクル資源・中古車の輸出。
6. 株価の評価
- 株価: 519円（2025/7/11終値）
- EPS（会社予想）: 38.02円
- BPS（実績）: 579.65円
- PER（会社予想）: 13.65倍（業界平均8.0倍より高め）
- PBR（実績）: 0.90倍（業界平均0.6倍より高め）
- 株価と指標の比較:
- 株価はBPS（純資産）を下回る水準で推移しており、資産価値に対して割安感がある一方、利益水準（PER）は業界平均よりやや高い。
7. テクニカル分析
- 年初来高値: 523円
- 年初来安値: 361円
- 直近株価動向:
- 直近10日間で上昇基調。年初来高値圏（519円、523円）に接近。
- 50日移動平均: 489.82円、200日移動平均: 453.90円。現在の株価は両移動平均を上回る。
- 出来高も増加傾向。
- 現在の株価位置: 高値圏に位置。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 52,214百万円（2024年6月期）
- 営業利益: 1,409百万円
- 純利益: 537百万円
- 営業利益率: 約2.7%
- ROE: 3.24%
- ROA: 2.26%
- 自己資本比率: 49.5%（直近53.8%に改善）
- キャッシュフロー: 現金同等物7,730百万円、総負債8,760百万円、流動比率185.2%
- 過去数年の傾向:
- 売上高は2022年にピーク（57,319百万円）、以降やや減少傾向。
- 利益は資源価格変動等で変動が大きいが、直近は安定。
- 自己資本比率は改善傾向。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 2.89%（会社予想）
- 1株配当: 15.00円（会社予想）
- 配当性向: 約32.6%
- 自社株買い: 直近の大規模な自社株買いは確認できず。
- 配当方針: 業績連動型で安定配当を基本としつつ、増配も実施。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム:
- 直近10営業日で上昇傾向、年初来高値圏。
- 信用買残は減少傾向、信用倍率は8.55倍とやや高水準。
- 出来高も増加しており、短期的な投資家関心が高まっている。
- 影響要因:
- 資源価格や為替動向、EV市場の成長性、リサイクル関連政策等が株価に影響。
11. 総評
エンビプロ・ホールディングスは、資源循環・リサイクル事業を主軸とし、グローバル展開やリチウムイオン電池リサイクルなど新分野にも注力しています。資源価格や為替など外部環境の影響を受けやすい一方、サーキュラーエコノミー推進やEV普及といった社会的潮流を追い風としています。財務基盤は安定しており、自己資本比率も高水準です。株価は年初来高値圏にあり、短期的な投資家関心も高い状況です。今後も業績動向や市場環境、政策の変化に注視が必要です。
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（本レポートは、公開情報に基づき個人投資家向けに作成したものであり、投資判断を目的としたものではありません。）
企業情報
| 銘柄コード | 5698 |
| 企業名 | エンビプロ・ホールディングス |
| URL | http://www.envipro.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 鉄鋼・非鉄 – 鉄鋼 |
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