以下は株式会社ダイショー(証券コード: 2816)の企業分析レポートです。
1. 企業情報
ダイショーは、たれ、スープ、粉末調味料などを製造・販売する食品メーカーです。特に「鍋スープ」や「焼き肉のたれ」、「塩こしょう」は国内大手として知られています。家庭用製品のほか、コンビニエンスストア向けの業務用調理だれの育成にも注力しています。
事業内容別売上構成比(2025年3月期)は、たれ類が35%、スープ類が28%、粉末調味料類が15%、ソース類が12%となっており、幅広い調味料を手掛けています。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社は国内において、鍋スープや焼き肉のたれ、塩こしょうといった主要製品カテゴリーで大手としての地位を確立しています。具体的な市場シェアの数値は公開データからは確認できませんが、大手としてのブランド力と販売網を強みとしていると推察されます。
食品業界全体としては、原材料価格や労務費の高騰、為替変動、地政学リスク、国内人口減少による市場規模の縮小といった課題に直面しています。これらに対し、高付加価値製品の開発や、サステナビリティへの取り組みが求められる環境にあります。
3. 経営戦略と重点分野
ダイショーは、「“強み”に磨きをかけ、市場・顧客を開拓する」「強い体力づくりへの投資で飛躍の基礎を固める」「社会・社員から信頼される企業体制を構築する」という3つの基本戦略を掲げ、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画を遂行してきました。
そして、新たなビジョンとして「“楽しい味”で世界にプラスを。」を策定し、顧客基盤の拡大と生産性向上を進めています。
2025年から2027年までを対象とする新中期経営計画「Challenge 2028 ~世界に誇れる企業へ~」では、企業価値向上と持続的成長を目指す方針が示されており、国内市場でのシェア拡大と海外市場への投資を継続する計画です。
4. 事業モデルの持続可能性
ダイショーの主要事業は「食品事業」であり、生活必需品である調味料を扱っているため、比較的安定した需要が見込まれます。家庭用製品に加え、業務用製品も手掛けている点が収益源の多角化に寄与しています。
市場ニーズへの適応としては、有名シェフ監修製品や人気ドラマとのコラボレーション、季節ごとの鍋スープの新フレーバー投入など、トレンドや消費者の嗜好に合わせた新製品開発を積極的に行っています。
一方で、国内人口減少や消費者の節約志向といった市場動向への対応が今後の持続可能性を左右する要因となり、高付加価値製品の提供やコスト効率化が重要になると考えられます。
5. 技術革新と主力製品
具体的な技術開発に関する詳細な記述はありませんが、毎年多様な新製品を市場に投入していることから、消費者ニーズを捉えた製品開発には継続的に取り組んでいると推察されます。
収益を牽引している主力製品群は、事業内容の構成比からも分かるように、「たれ類」「スープ類」「粉末調味料類」です。特に、有名中華シェフ監修製品、「豚からの素」、「秘伝 焼肉のたれ にんにく5倍」、鍋スープ類、そして「味・塩こしょう」シリーズなどが、近年の売上増加に貢献しています。
6. 株価の評価
- 現在株価: 1,401.0円
- EPS(会社予想): 43.51円
- BPS(実績): 1,015.25円
- PER(会社予想): 32.20倍
- PBR(実績): 1.38倍
現在の株価は、会社予想EPSに基づくPERが32.20倍、実績BPSに基づくPBRが1.38倍です。これに対し、業界平均のPERが16.8倍、PBRが1.2倍であることを考慮すると、PER、PBRともに業界平均と比較して高めの水準にあります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は1,398円から1,401円の狭い範囲で推移しており、出来高も少ない状況です。年初来高値は1,435円、年初来安値は1,378円であり、現在の株価1,401円は年初来のレンジの中央よりやや上方に位置しています。
50日移動平均線は1,401.36円、200日移動平均線は1,409.55円であり、株価は両移動平均線に近接しています。これは、明確なトレンドが見られず、均衡した状態であることを示唆しています。過去52週間の株価変化率は-1.62%で、S&P 500の同時期の変化率を下回っています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去数年間は増加傾向にあり、2025年3月期(過去12か月)は26,240百万円と前年比で増収を達成しています。
- 利益: 売上高は増加しているものの、原材料価格や労務費などの製造コスト上昇が影響し、2025年3月期の営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも前年比で減益となりました。
- キャッシュフロー: 営業活動によるキャッシュフローは988百万円と安定してプラスを維持しています。一方で、投資活動によるキャッシュフローは3,268百万円の大幅な流出となっており、主に有形固定資産の取得(設備投資)によるものです。この投資を補う形で、財務活動によるキャッシュフローは2,343百万円と大幅な収入超となっており、長期借入れが増加したことが示唆されます。
- ROE(自己資本純利益率): 2025年3月期は4.7%(実績)と、前期の6.4%から低下しており、収益性が一時的に悪化している様子が見られます。
- 自己資本比率: 2025年3月期は52.4%となり、前期の58.2%から5.8ポイント低下しました。これは総資産増加に対する負債増加の割合が大きかったためと考えられます。
9. 株主還元と配当方針
会社予想の配当利回りは1.28%、1株配当は18.00円です。配当性向は25.13%と示されており、利益の約1/4を配当に回す水準です。
2024年3月期、2025年3月期の実績配当はともに年間18.00円であり、2026年3月期も同額が予想されています。安定的な配当維持の方針がうかがえます。特別配当の発表はありません。
自社株買いに関する直近の具体的な計画は決算短信に記載されていませんが、株主情報に自己株式保有の記載があるため、過去には実施された経緯があると考えられます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価はごく狭いレンジでの推移に留まり、明確な上昇または下降の勢いは見受けられません。出来高も少ない日が続いており、市場からの投資家関心は比較的高くない状況にあると考えられます。
ベータ値は0.03と非常に低く、市場全体の動きに対する株価の連動性が低い、ディフェンシブな特性を持つ銘柄であることが示唆されます。
11. 総評
ダイショーは、日本の調味料市場において確固たる地盤を持つ老舗企業です。主力の鍋スープや焼き肉のたれ、塩こしょうは知名度が高く、家庭用から業務用まで幅広い販路を持っています。
直近の業績では、売上高は堅調に推移しているものの、原材料価格や労務費の高騰という外部環境の影響を受け、利益は減少傾向にあります。これに対し、積極的な設備投資を進めており、その資金を借入れで賄うことで、自己資本比率は一時的に低下しています。
PER、PBRといった株価評価指標は業界平均と比較して高めの水準にありますが、これは今後の成長戦略や安定的な事業基盤に対する期待を反映している可能性も考えられます。
株主還元は安定した配当を継続する方針であり、配当性向も無理のない範囲に抑えられています。株価の直近の動きは安定しており、市場のボラティリティに左右されにくい特性も持ち合わせています。
今後は、コスト上昇圧力への具体的な対応策、設備投資による生産性向上や新規市場開拓の成果が、同社の収益改善と企業価値向上にどのように貢献していくかが注目されます。
企業情報
銘柄コード | 2816 |
企業名 | ダイショー |
URL | http://www.daisho.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 食品 – 食料品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.0)」によって自動生成されました。
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