1. 企業情報
- 企業名: ドトール・日レスホールディングス株式会社
- 所在地: 東京都渋谷区猿楽町10-11
- 設立: 2007年10月1日
- 代表者: 星野 正則
- 従業員数: 2,767人（平均年齢41.2歳、平均年収578万円）
- 事業内容:
- 「ドトールコーヒー」や「星乃珈琲店」などのカフェ・レストランチェーン運営（直営・FC）
- コーヒー豆の仕入・焙煎・卸売・小売
- パン・菓子・食材の製造・販売
- 外食関連機器・食材の卸売、店舗設計・施工等
- 主要セグメント:
- 日本レストランシステムグループ（36%）
- ドトールコーヒーグループ（59%）
- その他（5%）
※括弧内は売上構成比（2025.2）
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション:
- 国内カフェ・外食チェーン大手。ドトールは全国展開のカフェチェーンとして高い知名度を持つ。
- 星乃珈琲店などの新業態も拡大中。
- 競争優位性:
- 多ブランド展開による幅広い客層対応
- 直営・FC両輪の店舗展開力
- 自社焙煎工場・食材調達ネットワークによるコスト競争力
- 課題:
- 原材料・人件費・光熱費等のコスト上昇
- デリバリー需要の減少
- 競合（スターバックス、コメダ、サンマルク等）とのブランド・サービス差別化
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン:
- 「高付加価値商品の継続投入」「多ブランド戦略」「新規出店による成長」
- 中期経営計画の施策:
- 厳選立地への新規出店（2025年度第1四半期14店舗新規）
- 高単価メニュー・復刻メニュー展開
- キャッシュレス対応・キャンペーン強化
- 共通食材活用による原価管理・経費削減
- 卸売事業の強化（コンビニ・スーパー向け飲料拡充）
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- 直営・FC店舗運営による安定収益
- コーヒー豆・飲料等の卸売、ロイヤリティ収入
- 市場ニーズへの適応力:
- インバウンド需要回復や生活様式変化への対応
- 高付加価値・高単価メニュー投入
- キャッシュレス・デジタル施策の推進
- リスク要因:
- 原材料・エネルギーコスト上昇、為替変動
- 競争激化による客数・単価の変動
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向:
- 自社焙煎工場による品質管理
- 新商品開発（チルド飲料・復刻メニュー等）
- 主力製品・サービス:
- ドトールコーヒー店舗、星乃珈琲店
- コンビニ等向けチルドコーヒー飲料
- パン・菓子・食材の自社製造・販売
6. 株価の評価
- PER（予想）: 15.06倍（業界平均21.3倍より割安水準）
- PBR（実績）: 1.05倍（業界平均1.8倍より低い）
- EPS（予想）: 165.02円
- BPS（実績）: 2,373.51円
- 株価（2025/7/15終値）: 2,486円
- 評価:
- PER・PBRともに業界平均を下回る水準。
- EPS・BPSから見ても株価は割高感は薄い。
7. テクニカル分析
- 直近株価推移:
- 10日前: 2,622円 → 直近: 2,486円（下落傾向）
- 年初来高値: 2,830円、年初来安値: 2,163円
- 50日移動平均: 2,649.52円、200日移動平均: 2,429.15円
- 現状:
- 直近は50日移動平均を下回り、調整局面。
- 年初来安値よりは高いが、高値圏からは下落している。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益:
- 売上高（過去12か月）: 1,488億円（前年比+5.8%）
- 営業利益: 96億円（前年比+31%）
- 純利益: 68.8億円（前年比+25%）
- 営業利益率: 4.42%、純利益率: 4.62%
- キャッシュフロー:
- 営業CF: 123.5億円、フリーCF: 51.8億円（安定）
- ROE/ROA:
- ROE: 6.77%、ROA: 4.58%
- 自己資本比率:
- 77.5%（財務健全性高い）
- 過去数年の傾向:
- コロナ影響から回復し、売上・利益ともに増加傾向
- 直近四半期はコスト上昇で利益率やや低下
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想:
- 2025年: 50円 → 2026年予想: 54円（増配予定）
- 配当利回り（予想）: 2.17%
- 配当性向: 約31.85%（安定水準）
- 自社株買い:
- 2025年6月終了分で1,857,800株（発行済株式の約8%）を取得
- その他:
- 特別配当の記載なし
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動傾向:
- 直近10日間で下落基調（2,600円台→2,480円台）
- 信用買残増加、売残もやや増加（信用倍率3.09倍）
- 投資家関心:
- インバウンド需要や新業態拡大への期待
- コスト上昇による利益率懸念も一部あり
11. 総評
- ドトール・日レスHDは、カフェ・レストランチェーン大手として多ブランド戦略と直営・FC両輪の展開力を持つ企業です。コロナ禍からの回復により売上・利益は増加傾向にあり、財務健全性も高い水準を維持しています。一方、原材料・人件費等のコスト上昇が利益率を圧迫する局面も見られます。株価は直近調整局面にあり、PER・PBRともに業界平均を下回る水準です。配当も増配傾向で、株主還元策（自社株買い）も積極的に実施しています。今後はコストコントロールと高付加価値戦略の進捗が注目されます。
企業情報
| 銘柄コード | 3087 |
| 企業名 | ドトール・日レスホールディングス |
| URL | http://www.dnh.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 小売 – 小売業 |
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