1. 企業情報
日本碍子株式会社(NGK Insulators, Ltd.)は、1919年創業、名古屋市に本社を置くセラミックス技術を核とした総合素材メーカーです。
主な事業は以下の3つのセグメントに分かれます。
– エンバイロメント事業:自動車排ガス浄化用部品(ハニカム構造体“HONEYCERAM”やDPF)、NOxセンサー、化学工業用耐蝕機器、ガス・液体用膜分離装置、放射性廃棄物処理装置など。
– デジタルソサエティ事業:半導体製造装置用セラミックス部品、電子部品(圧電マイクロアクチュエーター等)、ベリリウム銅製品など。
– エネルギー&インダストリー事業:電力貯蔵用NAS電池、送配電用がいし、関連機器。
グローバル展開を進めており、海外売上比率は約78%と高い水準です。
2. 業界のポジションと市場シェア
- がいし分野では世界最大手であり、セラミックス技術を活かした多角化が進んでいます。
- 排ガス浄化用ハニカム(HONEYCERAM)は世界的なシェアを持ち、自動車の排ガス規制強化の流れに乗ってきました。
- 半導体製造装置用セラミックス部品も成長分野で、AIやデータセンター投資の拡大を背景に需要が拡大しています。
- NAS電池は大規模蓄電池市場で独自技術を有しますが、海外案件の遅延や赤字継続など課題もあります。
- 競合には京セラ、オムロン、TDK、住友電工などが挙げられますが、がいしや排ガス用ハニカム、NAS電池などで独自の強みを持っています。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期経営計画では、ROE10%以上を目標に掲げ、資本効率重視の経営を推進。
- 2030年に新事業化品売上高1,000億円を目指し、既存コア事業の拡大と新規事業への積極投資を進めています。
- エンバイロメント事業では内燃機関向けの需要減少を見据え、新製品開発や価格見直しによる収益維持・向上を図ります。
- デジタルソサエティ事業では、半導体や電子部品の高機能化・市場拡大に対応し、次世代製品開発・設備投資を強化。
- エネルギー&インダストリー事業では、BASF社との協業によるNAS電池の収益化、がいし需要の取り込みを目指します。
- 配当性向30%程度、純資産配当率3%程度を目安に株主還元を強化しています。
4. 事業モデルの持続可能性
- セラミックス技術の応用範囲が広く、複数の成長市場に対応できる点が強みです。
- 排ガス規制強化や送配電インフラ投資、半導体需要拡大といったグローバルな構造変化に柔軟に対応。
- 一方で、自動車の電動化進展による排ガス浄化部品の需要減少や、NAS電池の収益化遅延など、事業ポートフォリオの転換が今後の課題です。
5. 技術革新と主力製品
- 排ガス浄化用ハニカム(HONEYCERAM)やディーゼル車用DPFなど、自動車排ガス規制対応部品で高い技術力。
- 半導体製造装置用セラミックス部品は、AI・データセンター向け半導体需要拡大により成長。
- NAS電池は独自技術による大規模蓄電池で、再エネ普及や電力需給調整市場での成長が期待されますが、現状は赤字。
- 新規分野として、セラミック製小型充電池「EnerCera」なども展開。
6. 株価の評価
- EPS(会社予想): 187.65円
- BPS(実績): 2,455.87円
- PER(会社予想): 9.81倍(業界平均: 18.3倍)
- PBR(実績): 0.75倍(業界平均: 1.4倍)
→ 株価(1,841.5円)は、業界平均と比較して割安な水準に位置しています(数値上の比較)。
7. テクニカル分析
- 年初来高値: 2,010円
- 年初来安値: 1,540円
- 直近株価: 1,841.5円
- 50日移動平均: 1,783.58円
- 200日移動平均: 1,873.03円
→ 直近は50日線を上回り、200日線をやや下回る水準。年初来高値からはやや下落していますが、年初来安値からは回復傾向。中立~やや安値圏といえます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 6,195億円(前期比7.0%増)
- 営業利益: 812億円(前期比22.4%増)
- 純利益: 549億円(前期比35.4%増)
- 営業利益率: 13.1%(前期11.5%)
- ROE: 7.8%(前期6.1%)
- 自己資本比率: 63.0%(前期61.7%)
- 営業CF: 966億円(前期比微減)
- フリーCF: 544億円
- 有利子負債比率: 34.67%
- 流動比率: 3.74(安全性高い)
→ 収益性・安全性ともに良好で、成長傾向が続いています。エネルギー&インダストリー事業の赤字は課題ですが、全体としては堅調。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想): 3.58%(年間66円予想)
- 配当性向: 32.32%
- 5年平均配当利回り: 2.91%
- 自己株買い: 実施実績あり(自己株式比率1.63%)
- 配当方針: 配当性向30%程度、純資産配当率3%程度を目安に安定配当を重視
→ 安定した配当政策と株主還元に積極的な姿勢が見られます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近10日間の株価は1,780~1,850円台で推移し、出来高も安定。
- 信用倍率: 10.51倍(買い残高が多め)
- 機関投資家保有比率: 約60%
- 直近の業績発表後、株価は底堅く推移
- AI・半導体関連需要や再生可能エネルギー関連のテーマ性から、一定の投資家関心が継続。
11. 総評
日本碍子は、セラミックス技術を基盤に自動車・半導体・電力インフラなど複数の成長市場に展開する総合素材メーカーです。
2025年3月期は売上・利益ともに過去最高を記録し、収益性・財務安全性ともに良好な水準です。
株価指標は業界平均と比較して割安感があり、配当利回りも高水準を維持しています。
一方で、自動車排ガス部品の将来的な需要減少やNAS電池事業の収益化遅延といった課題も存在します。
中期経営計画ではROE向上と新規事業拡大を掲げており、今後の事業ポートフォリオ転換と成長戦略の進捗が注目されます。
企業情報
銘柄コード | 5333 |
企業名 | 日本碍子 |
URL | http://www.ngk.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 建設・資材 – ガラス・土石製品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (2.0.0)」によって自動生成されました。
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