以下は、はごろもフーズ(証券コード: 2831)の企業分析レポートです。
1. 企業情報
はごろもフーズは、東京都に本社を置く食品メーカーです。特に「シーチキン」ブランドで知られるツナ缶においては、国内最大手の地位を確立しています。ツナ缶の他、みかんやももなどのデザート缶詰、パスタやパスタソース、サバ缶などの惣菜、削り節、のり、ふりかけといった乾物、さらにはパック米飯やペットフードなど、多岐にわたる加工食品の製造・販売を手掛けています。国内外に多数の協力工場を持ち、幅広い製品ラインナップで消費者ニーズに応えています。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社は「シーチキン」ブランドという強力なトップブランドを保有しており、ツナ缶市場において最大手のポジションを占めています。これは、長年にわたるブランド育成と品質への信頼によって築かれた競争優位性であると考えられます。
一方で、食品業界全体としては、原材料費やエネルギー価格の高止まり、為替変動、人件費の上昇といったコスト増要因に加え、物価上昇による消費者の節約志向の高まりから販売競争が激化しており、厳しい経営環境が続くことが予想されます。
3. 経営戦略と重点分野
はごろもフーズは、2031年の創業100周年に向けて、中期経営計画「Challenge & Change for 100th! 〜もっとおいしく、もっと便利に、もっと優しく、そしてもっと元気に!~」を推進しています。
主な経営戦略としては、以下の点が挙げられます。
* ブランド価値の向上: 主力製品であるシーチキンのブランド価値向上に注力し、テレビCMと連動した販促活動などを実施しています。
* 新製品開発と販売: 健康志向や簡便性・利便性を重視した製品開発を進め、市場ニーズに合わせた新製品の投入やラインナップの拡充を図っています。
* サステナビリティ活動の推進: 持続可能な社会の実現と企業成長の両立を目指し、シーチキン原材料の持続可能性確保、持続可能な容器包装資材の使用推進、食品ロス削減、エネルギー・水リスク対策に取り組んでいます。
* 価格改定の実施: 主原材料や容器包装資材、エネルギー価格の上昇分を一部製品の価格改定によって吸収する努力を行っています。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の事業モデルは、長年の歴史と強力なブランド力を持つ「シーチキン」を中核としつつ、デザート、パスタ、惣菜、ペットフードなど多様な製品ポートフォリオを展開することで、特定分野への依存度を低減しています。これにより、市場ニーズの変化や外部環境リスクへの適応力を高めていると考えられます。
また、近年の健康志向や簡便性を求める消費トレンドに対応した製品開発や、SDGsに積極的に取り組む姿勢は、長期的な企業価値向上に寄与する可能性があります。ただし、原材料価格や為替変動、消費者の購買行動の変化といった外部環境要因への継続的な対応が、事業の持続性において引き続き重要になると考えられます。
5. 技術革新と主力製品
本レポートで提供された情報からは、具体的な「技術革新」に関する詳細な記述は見られませんでした。
しかし、主力製品としては「シーチキン」ブランドのツナ缶が挙げられ、同社の売上の約46%を占める最大の事業セグメントです(2025年3月期実績)。その他、売上に貢献している主要製品・サービス群には以下のものがあります。
* ツナ等: シーチキンLフレーク、パウチタイプ製品
* デザート: 「朝からフルーツ」パウチシリーズ、ぜんざいシリーズ
* 総菜: 健康シリーズ、ホームクッキングパウチシリーズ(シャキッと!コーン缶詰は低調)
* 削りぶし・のり・ふりかけ類: 花かつお、きざみのり
* その他食品: パパッとライス
* ペットフード: 無一物シリーズ、にゃんチュラルシリーズ
これらの製品群は、新製品投入やラインナップ拡充を通じて、収益をけん引していると見られます。
6. 株価の評価
現在の株価は3,300.0円です。
* PER(株価収益率): 会社予想EPS 244.41円に基づくPERは13.50倍です。業界平均PERが16.8倍であることを考慮すると、現在の株価は業界平均と比較して割安な水準にあると考えることもできます。
* PBR(株価純資産倍率): 実績BPS 4,397.80円に基づくPBRは0.75倍です。業界平均PBRが1.2倍であること、またPBRが1倍を下回っていることから、純資産価値に対して現在の株価は割安な水準にあると考えることもできます。
* 参考計算: 仮に業界平均PER(16.8倍)を現在のEPS(244.41円)に適用すると、理論株価は約4,106円となり、現在の株価(3,300円)と比較して上回っています。また、業界平均PBR(1.2倍)を現在のBPS(4,397.80円)に適用すると、理論株価は約5,277円となり、現在の株価と比較して上回っています。
これらの指標は、現在の株価が割安である可能性を示唆していますが、あくまで参考値であり、投資判断は個々の状況や市場の変動によって異なる点にご留意ください。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移は、2025年7月3日の3,240円から2025年7月16日の3,300円へと、緩やかな上昇傾向にあります。現在の株価3,300円は、年初来安値3,020円、52週安値2,850円からは上昇した水準です。一方で、年初来高値3,370円、52週高値3,385円に比較的近い水準で推移しており、現在の株価は直近のレンジでは高値圏にあると言えるかもしれません。
また、現在の株価は50日移動平均線(3,248.80円)と200日移動平均線(3,223.43円)を上回っており、短期および中期的に上昇トレンドにあることを示唆しています。直近の出来高は比較的少量で推移しています。
8. 財務諸表分析
売上高: 過去数年間で増加傾向にあります。2025年3月期は74,650百万円と、前期比1.6%増となりました。
利益: 営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも2023年3月期には赤字に転落しましたが、2024年3月期に黒字転換し、2025年3月期には大幅な増益を達成しています。特に営業利益は前期比55.3%増、親会社株主に帰属する当期純利益は同40.6%増と大きく改善しました。これは、売上総利益の増加や販促費等の効率化、受取配当金の増加などが寄与したと見られます。
キャッシュフロー: 営業活動によるキャッシュフローは2025年3月期に前期の904百万円から2,469百万円へと大幅に改善しています。投資活動によるキャッシュフローは有形固定資産の取得により引き続きマイナスですが、営業キャッシュフローの改善により現金および現金同等物の期末残高は増加しています。
収益性指標:
* ROE(自己資本利益率): 2025年3月期実績は6.10%です。2023年3月期が赤字だったことを踏まえると、収益性が大きく改善していると評価できます。
* ROA(総資産利益率): 2025年3月期実績は2.64%です。
財務安全性:
* 自己資本比率: 2025年3月期実績は60.2%と非常に高く、前年からも改善しており、財務基盤は非常に安定していると言えるでしょう。
* 流動比率(Current Ratio): 1.86(直近四半期)と、短期的な支払い能力も十分な水準です。
* 有利子負債倍率(Total Debt/Equity): 7.72%(直近四半期)と、有利子負債は自己資本に対して非常に低く抑えられています。
全体として、2025年3月期は売上高の増加に加え、コスト管理や金融収益の寄与により利益が大きく回復し、財務状況も安定していると評価できます。
9. 株主還元と配当方針
はごろもフーズは、安定した配当を継続する方針を示しています。
* 配当実績と予想:
* 2024年3月期実績: 年間50.00円
* 2025年3月期実績: 年間60.00円(中間配当に記念配当5円を含む)
* 2026年3月期予想: 年間60.00円
* 配当利回り(会社予想): 1.82%
* 配当性向: 20.97%と比較的低く、利益に対して余裕を持った配当水準であると考えられます。
2025年3月期には記念配当を実施し、その後の年間配当も増額した水準を維持する計画であり、株主還元への意識が見られます。自社株買いに関する情報はこのレポートの範囲では確認できませんでした。
株主構成を見ると、公益財団法人はごろも教育研究奨励会や自社関連組織、従業員持株会などの安定株主が大きな割合を占めています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は緩やかな上昇傾向にあり、50日・200日移動平均線を上回って推移していることから、短期・中期的な上昇モメンタムが確認できます。しかし、出来高は比較的小さく、市場全体の注目度が非常に高いとは言えない可能性があります。
信用倍率は0.00倍(信用売残が0株のため)で、信用買い残も少ないため、過度な需給要因による株価変動は少ない状況と考えられます。
株価に影響を与える主な要因としては、原材料価格や為替の安定性、消費者の購買意欲の変化、そして同社の今後の業績、特に利益改善の持続性が挙げられます。
11. 総評
はごろもフーズは、「シーチキン」という強力なブランド力を持つツナ缶最大手企業であり、多角的な食品事業を展開しています。2023年3月期に一時的な赤字を計上しましたが、2024年3月期以降は売上増とコスト管理の改善、金融収益の寄与により、利益を大きく回復させました。
財務基盤は非常に強固であり、高い自己資本比率と健全なキャッシュフローが特徴です。株価指標(PER、PBR)は業界平均と比較して割安な水準にあることが示唆されており、配当も増配傾向にあります。
中期経営計画「Challenge & Change for 100th!」の下、ブランド価値向上、新製品開発、サステナビリティへの取り組みを推進しており、将来の成長を見据えた経営が行われていると考えられます。
今後の課題としては、原材料やエネルギーの高値維持、為替変動、消費者の節約志向といった外部環境の変化に引き続き適応していくことが挙げられます。
企業情報
銘柄コード | 2831 |
企業名 | はごろもフーズ |
URL | http://www.hagoromofoods.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 食品 – 食料品 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.0)」によって自動生成されました。
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