1. 企業情報
概要
スターティアホールディングス株式会社は、主に中小企業向けにITインフラやデジタルマーケティングサービスを提供する企業です。主力はITインフラ関連事業（複合機、ビジネスフォン、ネットワーク機器、新電力などの販売・保守）、およびデジタルマーケティングSaaS事業（統合型SaaSツール「Cloud CIRCUS」など）。また、CVC（コーポレート・ベンチャー・キャピタル）事業も展開しています。
– 本社：東京都新宿区
– 従業員数：1,053人（平均年齢40.8歳）
– 設立：1996年10月
2. 業界のポジションと市場シェア
業界内ポジション
ITインフラ領域では中小・中堅企業向けに強みを持ち、全国展開しています。デジタルマーケティング分野ではSaaS型ツールの提供で差別化を図っていますが、競合も多い分野です。
競争優位性・課題
- ITインフラ事業は既存顧客基盤とM&Aによる拡大が強み。
- デジタルマーケティング事業はプロダクトの成長性・クロスセル戦略がポイント。
- 競合他社との差別化や、顧客のデジタルシフト加速への対応が今後の課題。
3. 経営戦略と重点分野
経営ビジョン・戦略
- 中小企業のデジタル化支援を軸に、ITインフラとデジタルマーケティングの両輪で成長を目指す。
- デジタルマーケティング事業では「Cloud CIRCUS」シリーズの強化・クロスセル推進。
- ITインフラ事業はM&Aや事業譲受による顧客基盤拡大、ストック商材（継続課金型サービス）の強化。
- CVC事業は投資先の成長支援とEXIT実現に注力。
中期経営計画
- 2025年度は売上・利益ともに過去最高を更新。
- 2026年度以降も売上・利益の増加を計画し、デジタルマーケティング事業の拡大とITインフラ事業の安定成長を掲げる。
4. 事業モデルの持続可能性
- ITインフラ事業はストック型（保守・サービス契約等）とフロー型（機器販売等）のバランスが良く、安定した収益基盤。
- デジタルマーケティング事業はSaaSモデルによる継続課金（MRR）の成長が持続性を支える。
- 市場ニーズの変化（デジタルシフト、サイバーセキュリティ需要等）への適応力も高い。
5. 技術革新と主力製品
- 主力製品：「Cloud CIRCUS」シリーズ（BowNow、ActiBookなど）は中小企業向けの統合型SaaSツールとして成長中。ARコンテンツ制作やマーケティングオートメーション等、独自性の高いサービスを展開。
- 技術開発：UI/UX統一、データ連携、BPaaS（Business Process as a Service）モデルの進化など、プロダクトの競争力強化に注力。
- 収益牽引：デジタルマーケティング事業の売上・利益成長が顕著。
6. 株価の評価
- 株価（2025/7/16終値）：2,611円
- 予想EPS：211.43円
- 予想PER：12.35倍（業界平均12.1倍とほぼ同水準）
- 実績BPS：802.96円
- 実績PBR：3.25倍（業界平均1.0倍を大きく上回る）
- 配当利回り（予想）：4.79%
- ROE（実績）：27.26%（高水準）
評価
PERは業界平均並み、PBRはやや高め。高ROE・高配当利回りが特徴です。
7. テクニカル分析
- 年初来高値：2,874円
- 年初来安値：1,750円
- 直近10日間の株価は2,600円台で安定推移し、やや調整局面。
- 高値圏からやや下落し、現在は中間～やや高値圏に位置。
8. 財務諸表分析
売上・利益の推移（過去3年）
- 売上高：2023年16,011百万円 → 2024年19,571百万円 → 2025年22,211百万円（増加傾向）
- 営業利益：2023年1,724百万円 → 2024年2,282百万円 → 2025年2,737百万円（増加傾向）
- 純利益：2023年1,212百万円 → 2024年1,546百万円 → 2025年1,960百万円（増加傾向）
- ROE：27.26%（高い資本効率）
- 自己資本比率：53.5%（財務健全性良好）
キャッシュフロー
- 営業CFはプラスだが、前期比減少（1,718百万円、31.9%減）
- 投資CF・財務CFはマイナス（投資・配当・借入返済等）
9. 株主還元と配当方針
- 2025年3月期年間配当：114円（前期69円から増配）
- 2026年3月期予想配当：117円
- 配当利回り（予想）：4.79%（高水準）
- 配当性向：おおむね50%前後と推定
- 自社株買い：自己株式保有あり（3.26%）
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近は2,600円台でやや調整傾向、出来高は安定。
- 信用買残は増加傾向、信用倍率8.45倍とやや買い長。
- 年初来高値圏からはやや下落しているが、配当利回りや業績堅調さから投資家の関心は引き続き高いと考えられる。
11. 総評
スターティアホールディングスは、中小企業向けITインフラとデジタルマーケティングSaaSを両輪とする成長企業です。売上・利益ともに増加基調で、ROE・配当利回りともに高水準。財務基盤も健全です。株価は業界平均並みのPERですが、PBRはやや高め。今後はデジタルマーケティング事業のさらなる成長や、ITインフラ事業のストック型収益拡大が注目されます。業績・配当の安定性と成長性が評価されていますが、競争環境や経済動向には引き続き注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 3393 |
| 企業名 | スターティアホールディングス |
| URL | https://www.startiaholdings.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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