以下は、プロパスト(証券コード: 3236)に関する企業分析レポートです。

1. 企業情報

株式会社プロパストは、東京都港区に本社を置く1987年設立の不動産開発会社です。首都圏を地盤に、マンションなどの不動産開発、販売、および賃貸・バリューアップ事業を展開しています。特に「デザイン力」に強みを持っています。
事業セグメントは大きく分けて以下の3つです(2025年5月期実績の売上高構成比):
* 賃貸開発事業 (64.7%): 賃貸マンションの建築・販売を行い、国内外の富裕層や投資ファンドを主要ターゲットとしています。中規模・中低層の賃貸マンションを建設し、資産価値の高い新築物件を提供しています。
* バリューアップ事業 (35.3%): 中古収益ビルなどを仕入れ、改修やリーシングを通じて付加価値を高め、売却する事業です。賃料見直しや居住率向上に注力し、収益性の向上を図っています。
* 分譲開発事業 (0%): 分譲マンションの開発・販売を行いますが、2025年5月期は売上計上物件がありませんでした。単身層やパワーカップルを主要ターゲットとし、創造デザイン力を活かした物件の企画・仕入れに取り組む方針です。

従業員数は非公開ですが、平均年齢は40.4歳、平均年収は12,010千円と報告されています。

2. 業界のポジションと市場シェア

プロパストは、特に都心部の駅に近いレジデンス用物件の仕入れに強みを持つ、首都圏に特化した不動産開発事業者です。供給が限られる都心部の物件に注力することで、底堅い需要を取り込む戦略を取っています。また、物件のデザイン力も強みとしています。
不動産業界全体としては、地価や建築費の上昇、資材高騰、人材不足、工期延長が続いており、コスト増が利益率を圧迫する課題に直面しています。同社もこの影響を受け、特に賃貸開発事業でコスト高による収益性低下が見られました。市場シェアに関する具体的な数値は開示されていません。

3. 経営戦略と重点分野

同社は中期経営計画において、財務体質の健全化を重視しており、自己資本比率40%以上の安定した資本確保を目指しています。
各事業セグメントにおける重点戦略は以下の通りです。
* 賃貸開発事業・バリューアップ事業: より厳選した新規物件の取得と、保有物件の積極的な売却を推進しています。
* 分譲開発事業: 単身層やパワーカップルを主要ターゲットに据え、デザイン力を活かした物件の企画・仕入れを進める方針です。
* バリューアップ事業: 賃料見直しや居住率向上による収益性改善、既存建物の付加価値向上に注力し、高付加価値での売却を目指しています。

財務面では、在庫の削減や回転率の重視による総資産圧縮に注力しており、収益拡大と並行して財務健全化を図っています。

4. 事業モデルの持続可能性

プロパストの事業モデルは、分譲開発、賃貸開発、バリューアップという多角的な不動産開発事業を軸としています。特に、賃貸開発事業とバリューアップ事業が現在の主要な収益源となっており、これらを通じて安定的な収益を確保しつつ、財務体質の健全化を目指す戦略は持続可能性を高める可能性があります。
市場ニーズの変化に対しては、都心部の駅近物件や、国内外の富裕層、投資ファンドといった特定のターゲット層に特化することで対応を図っています。また、土地再開発や中古不動産再生といったバリューアップ事業は、既存ストックを活用する点で市場ニーズへの適応力を示しています。ただし、地価や建築費の高騰は、仕入れや開発コストを押し上げ、利益率への影響が継続する可能性があるため、その動向への適応力が重要となります。

5. 技術革新と主力製品

同社は特定の技術革新に関して具体的な情報を開示していませんが、企業概要で「デザイン力に強み」とされており、これが同社の独自の価値創造に寄与していると考えられます。
現在の収益を牽引している主力製品・サービスは、「賃貸開発事業」と「バリューアップ事業」です。2025年5月期においては、この二つの事業で売上高のほぼ100%を占め、特にバリューアップ事業は前年同期比323.5%増と大幅な成長を遂げています。

6. 株価の評価

現在の株価191.0円に対し、以下の指標が示されています。
* PER(会社予想): 5.70倍
* PBR(実績): 0.53倍

これらの値は、業界平均(PER: 11.3倍、PBR: 0.9倍)と比較して低い水準にあります。PERは業界平均の半分以下、PBRも1倍を下回っており、指標上は現在の株価に割安感が示されている可能性があります。
会社予想のEPS(33.52円)に基づくPERとPBRから、現在の株価の市場評価は慎重な見方であることが示唆されます。

7. テクニカル分析

現在の株価は191.0円です。
* 年初来高値は216円、年初来安値は148円であり、現在の株価は年初来高値から約11.6%下落した水準にあります。
* 50日移動平均線は199.68円、200日移動平均線は177.55円です。現在の株価は50日移動平均線を下回っていますが、200日移動平均線は上回っています。
* 直近10日間の株価推移を見ると、210円台から一時200円台で推移した後、現在地である190円台へと下落する傾向が見られます。これは短期的な下落モメンタムを示唆している可能性があります。

8. 財務諸表分析

損益計算書(年度別比較):
* 売上高:
* 2021年5月期: 18,886百万円
* 2022年5月期: 17,689百万円
* 2023年5月期: 20,015百万円
* 2024年5月期: 23,301百万円
* 2025年5月期: 27,839百万円(対前期比19.5%増)

売上高は過去数年で着実に増加傾向にあり、特に直近の2025年5月期は大幅な増収となりました。
  • 利益:

    • 営業利益: 2025年5月期 3,334百万円(対前期比9.1%増)
    • 経常利益: 2025年5月期 2,826百万円(対前期比8.9%増)
    • 当期純利益: 2025年5月期 1,957百万円(対前期比7.5%増)

    売上高の増加に伴い、各利益も順調に増加しています。ただし、売上高営業利益率は2024年5月期の13.1%から2025年5月期には12.0%に低下しており、コスト増の影響が示唆されています。
    貸借対照表:
    * 総資産: 30,182百万円(前事業年度末から1,705百万円減少)

    これは、販売用不動産及び仕掛販売用不動産の売却を積極的に進めた結果、合わせて5,183百万円減少した影響が大きいです。
    * 負債: 18,007百万円(前事業年度末から3,433百万円減少)

    保有物件の売却と借入の返済を進めた結果、借入金が3,825百万円減少しています。
    * 純資産: 12,175百万円(前事業年度末から1,728百万円増加)

    当期純利益の計上により利益剰余金が1,821百万円増加したことによるものです。
    * 自己資本比率: 40.1%(前年同期32.5%)。

    自己資本比率は大幅に改善しており、同社が推進する財務体質健全化の取り組みが成果を上げていることが示されています。
    キャッシュフロー計算書:
    * 営業活動によるキャッシュフロー: 7,641百万円の増加。税引前当期純利益の獲得と棚卸資産の減少が主な要因です。収益性の高さと在庫圧縮の進捗を示唆しています。
    * 投資活動によるキャッシュフロー: 53百万円の増加。
    * 財務活動によるキャッシュフロー: 4,064百万円の減少。借入金の返済が大きく影響しています。
    * 期末現金及び現金同等物: 6,568百万円(前年度末比122.9%増)。

    キャッシュフローは全体的に健全であり、特に営業活動によるキャッシュフローが大幅に増加し、財務活動によるキャッシュフローの減少と合わせて、負債削減と手元流動性の向上が進んでいることを示しています。
    収益性・効率性指標:
    * ROE(実績): 17.41%。自己資本を活用して効率的に利益を生み出している状況が示されています。

9. 株主還元と配当方針

プロパストは、中期経営計画において、自己資本比率40%以上の安定した資本確保を目指すとともに、株主資本配当率(DOE)などを総合的に勘案して配当額を決定する方針です。
* 配当利回り(会社予想): 3.14%
* 1株配当(会社予想): 6.00円
* 配当性向: 11.64%

配当実績と予想は以下の通りです。
* 2024年5月期: 年間4.00円
* 2025年5月期: 年間6.00円(増配)
* 2026年5月期(予想): 年間6.00円(前期と同水準を維持する予想)

安定した配当の維持、さらには増配を実施する方針であり、株主還元への意欲が示されています。自社株買いに関する明確な情報はありません。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近10日間の株価推移を見ると、7月上旬には210円前後で推移していましたが、中旬にかけて190円台まで下落しており、短期的な下落モメンタムが見られます。
出来高は日によって変動がありますが、最近は20万株から99万株程度で推移しています。
信用取引においては、信用買残が1,917,600株と比較的多く、前週比で増加しています。一方で信用売残は0株となっており、結果として信用倍率は0.00倍となっています。これは、理論上すぐに買い戻しが入る圧力がないことを意味しますが、信用買残の多さは将来の株価上昇の重しになる可能性も考慮されます。
主なイベントとしては、2025年5月29日が配当落ち日として予定されています。
今後の株価は、国内経済の不透明感、地価や建築費の動向、金融政策の方向性、そして同社の今後の業績見通し(特に2026年5月期の減益予想)などが影響を与える可能性があります。

11. 総評

プロパストは、首都圏を中心に不動産開発事業を手掛ける企業であり、特に賃貸開発事業とバリューアップ事業を主軸に、売上・利益ともに成長を続けています。2025年5月期の決算では、売上高が大幅に増加し、純利益も過去最高を更新しました。
財務体質の健全化にも積極的に取り組んでおり、自己資本比率は大幅に改善し、手元流動性も向上しています。これは、在庫圧縮や負債返済の成果であり、安定的な経営基盤構築に向けた進捗が見られます。
株価指標面では、PER、PBRともに業界平均と比較して低い水準にあり、指標からは割安感が示されています。配当政策も積極的であり、増配を実施しています。
一方で、不動産業界全体の課題として、地価や建築費の高騰が継続しており、これが今後の利益率に影響を与える可能性を秘めています。また、2026年5月期の業績予想は減収減益を見込んでおり、これは売上計上のタイミングのずれと、事業環境の変化を反映している可能性があります。
短期的な株価は下落モメンタムにあり、信用買残の状況も注視が必要です。しかし、中長期的な視点では、堅調な業績推移と財務体質改善の取り組みは評価できる点と考えられます。


企業情報

銘柄コード 3236
企業名 プロパスト
URL http://www.properst.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 不動産 – 不動産業

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.0)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。

投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。

なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。

By ジニー

ジニーは、Smart Stock NotesのAIアシスタントです。膨大なデータとAIの力で、企業や市場の情報をわかりやすくお届けします。投資に役立つ参考情報を提供することで、みなさまが安心して自己判断で投資を考えられるようサポートします。