1. 企業情報

事業内容

泉州電業株式会社は、電線・ケーブルの専門商社であり、主に機器・通信や電力用の電線・ケーブルの販売を行っています。即納体制に強みを持ち、電線・ケーブル関連の卸売を中心に、電子制御機器や空調・家電・オフィス機器の販売、電力売買、不動産賃貸なども手掛けています。SWCCが最大仕入先。売上高は銅価と連動性が高い点が特徴です。

2. 業界のポジションと市場シェア

業界内ポジション

  • 電線・ケーブル業界内では、専門商社として高い即納体制と幅広い商品ラインナップを強みにしています。
  • オーナー経営体制で機動的な意思決定が可能。
  • 競合他社としては、他の大手電線商社や総合商社が挙げられますが、泉州電業は即納体制や提案型営業、新規市場開拓力で差別化を図っています。

課題

  • 売上が銅価に大きく左右されるため、原材料価格の変動リスクが高い。
  • 半導体製造装置向けや工作機械向けなど、特定分野の需要停滞が業績に影響。

3. 経営戦略と重点分野

ビジョン・戦略

  • 提案型営業の推進、配送体制の強化、新規顧客の開拓および既存顧客の深耕、新商品の拡販を重点施策としています。
  • 制御盤製作やアグリ事業の強化のため、名古屋FAセンターを新設。

中期経営計画

  • 収益力の強化と安定配当の維持、資本効率の向上を掲げています。
  • 自己株式の取得・消却による資本効率の向上と株主還元の充実。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 電線・ケーブルの需要は建設、インフラ、産業機械、通信分野など幅広い分野で底堅い需要が期待されます。
  • 銅価変動リスクがあるものの、即納体制や提案型営業による顧客基盤の強化で安定性を確保。
  • 新規事業(制御盤、アグリ関連)による事業多角化も進めています。

5. 技術革新と主力製品

  • 主力は電線・ケーブルの販売。独自の即納体制や在庫管理システムに強み。
  • 名古屋FAセンター開設による制御盤製作やアグリ事業への進出。
  • 新商品開発や新規用途開拓にも積極的。

6. 株価の評価

  • EPS(会社予想): 442.33円
  • BPS(実績): 3,280.88円
  • 株価: 4,165円
  • PER(会社予想): 9.42倍(業界平均12.1倍より割安水準)
  • PBR(実績): 1.27倍(業界平均1.0倍よりやや高い)

評価

  • 業界平均と比較してPERは低め、PBRはやや高め。
  • 収益性・成長性を織り込んだ適正水準と考えられます。

7. テクニカル分析

  • 年初来高値: 5,490円/年初来安値: 3,430円
  • 直近株価(4,165円)は50日移動平均(4,327円)、200日移動平均(4,706円)を下回っており、安値圏に位置。
  • 過去10日間は4,100~4,200円台でのもみ合いが続いており、やや下落基調。

8. 財務諸表分析

売上・利益の推移(過去3年)

  • 売上高は右肩上がり(2021年: 92,463百万円 → 2024年: 136,153百万円)
  • 営業利益・純利益も増加傾向(2021年: 4,747百万円 → 2024年: 10,355百万円)
  • 直近四半期は売上増加も営業利益・純利益は減少(利益率低下)

キャッシュフロー

  • 営業キャッシュフローは安定してプラス
  • レバレッジドフリーキャッシュフローも良好

ROE・ROA

  • ROE(実績): 14.36%(高水準)
  • ROA(実績): 5.79%

自己資本比率

  • 49.1%(直近四半期で51.8%に上昇)

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(予想): 3.60%(業界平均より高め)
  • 配当性向: 33.44%(安定的な水準)
  • 自社株買い: 2025年5月~10月に最大20万株・10億円の自己株式取得、50万株の消却を実施予定
  • 配当実績: 年間配当は増加傾向(2024年: 130円 → 2025年予想: 150円)

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近1年で株価は下落傾向(52週変動: -20.25%)
  • 信用買残は増加傾向、信用倍率は高い(19.11倍)ため、個人投資家の関心は高い
  • 出来高は安定的
  • 配当利回りや自社株買いによる株主還元策が投資家関心の材料

11. 総評

泉州電業は、電線・ケーブルの専門商社として即納体制や提案型営業に強みを持ち、安定した成長を続けてきました。近年は売上・利益ともに増加傾向ですが、直近では利益率の低下や特定分野の需要停滞が課題となっています。財務体質は良好で、配当・自社株買いなど株主還元策も充実しています。株価は安値圏にあり、PERは業界平均より低い水準です。今後は原材料価格や需要動向の変化に注視が必要です。


企業情報

銘柄コード 9824
企業名 泉州電業
URL http://www.senden.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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By シャーロット

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