1. 企業情報
- 概要: パラマウントベッドホールディングスは、医療・介護用ベッドおよび関連機器の製造・販売を主力とする国内最大手企業です。施設向けに強みを持ち、子会社を通じてレンタルやメンテナンス、卸売なども展開しています。中国やアジアにも生産拠点を有し、海外展開も進めています。
- 事業内容: 医療（37%）、介護（60%）、健康（2%）、その他（1%）の4区分で構成。主力は介護事業で、見守り支援システムや体動センサーなどのIoT製品も展開。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: 医療・介護用ベッドで国内シェア約7割を誇る圧倒的なトップ企業。
- 競争優位性: 長年のブランド力、施設向けの強い販売網、メンテナンス・レンタル事業によるリカーリング収益基盤が強み。
- 課題: 医療・介護施設の経営環境は厳しく、コスト増や人手不足、診療・介護報酬改定の影響を受けやすい点が課題。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略: 「リカーリングビジネスの拡大」「健康事業の進化」「アジア注力エリアでの飛躍」を中期経営計画の重点施策に掲げています。
- 具体的施策:
- 医療・介護スタッフの生産性向上、施設経営の収入増に資する製品・サービスの拡販
- 介護分野での見守り支援システムや福祉用具レンタル卸事業の拡大
- 健康事業では新製品「Active Sleep BED」などのプロモーション強化
- インド新工場稼働によるアジア市場での生産・販売体制強化
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: ベッドなどのハード販売に加え、レンタル・メンテナンスなどリカーリング型の収益基盤を構築。高齢化社会の進展により中長期的な需要は底堅い。
- 市場ニーズ変化への適応: IoT技術を活用した見守り支援システムやセンサー製品の拡充など、時代のニーズに対応。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向: 眠りの自動運転ベッド「Active Sleep BED」や、見守り支援システム「眠りCONNECT」、体動センサー「眠りSCAN」など、IoTを活用した製品開発に注力。
- 主力製品・サービス: 医療・介護用ベッド、IoT見守りシステム、福祉用具レンタル卸。
6. 株価の評価
- PER: 14.22倍（業界平均14.5倍と同水準）
- PBR: 1.04倍（業界平均1.3倍より低い）
- EPS: 178.36円（会社予想）
- BPS: 2,448.54円
- 株価/BPS: 株価2,536円 ÷ BPS2,448.54円 ≈ 1.04倍
- 評価: 業界平均と比較して割高感はなく、財務の健全性も高い。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間は2,500円台で安定推移。年初来高値2,894円、安値2,120円。
- 移動平均: 50日移動平均2,509円、200日移動平均2,553円。現在株価2,536円は両移動平均線付近。
- 高値圏/安値圏: 年初来高値からはやや下落、安値からは回復。中間圏に位置。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益推移（単位: 百万円）
- 売上高: 90,352（2022年）→99,009（2023年）→106,016（2024年）→108,583（2025年）
- 営業利益: 12,340→13,453→13,819→12,977
- 純利益: 9,092→9,215→10,622→9,083
- キャッシュフロー: 営業CFは10,045百万円と安定。財務CFは自己株式取得や配当で減少。
- ROE/ROA: ROE 6.65%、ROA 4.42%（やや低めだが、自己資本比率75%と財務健全性高い）
- 利益率: 営業利益率12.0%、純利益率8.4%
- 成長性: 売上は増加傾向だが、利益は人件費増や投資的費用増で減少傾向。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 4.93%（会社予想、業界平均・過去5年平均より高い）
- 配当性向: 60.9%（2025年3月期）、2026年予想70.1%と高め
- 自社株買い: 2024年度に実施済み
- 方針: 配当水準の引き上げを実施し、株主還元を強化
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動傾向: 直近は2,500円台で安定推移。年初来高値からはやや調整局面。
- 出来高: 直近10日間の平均出来高は約11万株と流動性は安定。
- 信用倍率: 367.25倍と信用買い残が多い（需給面でやや過熱感あり）。
- 投資家構成: インサイダー33.8%、機関投資家30.7%と安定株主が多い。
11. 総評
パラマウントベッドホールディングスは、医療・介護用ベッドで国内トップシェアを持ち、安定した収益基盤と高い財務健全性を維持しています。中期経営計画ではリカーリングビジネスの拡大やIoT技術の活用、アジア展開強化を掲げており、今後も高齢化社会の進展を背景に安定した需要が見込まれます。一方で、原材料高や人件費増、利益率低下などの課題も存在します。株主還元策も積極的で、配当利回りは高水準です。株価は業界平均並みで割高感はなく、安定した推移となっています。
> ※本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資判断を勧誘・推奨するものではありません。
企業情報
| 銘柄コード | 7817 |
| 企業名 | パラマウントベッドホールディングス |
| URL | http://www.paramountbed-hd.co.jp |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
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