1. 企業情報
- 企業名: センコーグループホールディングス株式会社
- 設立: 1946年7月20日（創業1916年）
- 所在地: 東京都江東区潮見2-8-10 潮見SIFビル
- 代表者: 福田泰久
- 従業員数: 26,671人
- 事業内容: 物流大手として、貨物自動車運送、鉄道・海上・国際運送取扱、倉庫業、物流センター運営を中心に、商事・貿易（石油・日用雑貨等の販売、貿易）、ライフサポート（介護、卸売、小売、スポーツ施設等）、ビジネスサポート（情報処理、BPO、コールセンター）、プロダクト（樹脂製容器や包装材の製造販売）など多角的に展開。M&Aによる事業拡大も積極的。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: 国内物流業界の大手、特に3PL（サードパーティ・ロジスティクス）分野で高い実績。流通、住宅、石化分野に強みを持つ。
- 競争優位性: 全国ネットワーク、複合型物流センター、危険物倉庫など多様な物流インフラ。M&Aを通じた事業領域拡大とノウハウ蓄積。多角化による収益安定化。
- 課題: 物流業界全体で人手不足、燃料・人件費高騰、環境規制対応が課題。競合他社（日本通運、ヤマトHD、SBSHD等）とのシェア争いも継続。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 「物流を核とした総合生活支援企業グループ」を掲げ、社会インフラとしての役割強化と持続的成長を目指す。
- 中期経営計画（2022～2027年度）:
- 物流・商事・ライフサポート・ビジネスサポート・プロダクト各事業の成長
- M&Aによる新規事業・地域拡大
- 環境対応（CO2削減、エコ物流施設の拡充）
- DX推進による効率化・サービス高度化
- 配当性向40%を目標とした株主還元強化
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 物流事業が売上・利益の中核（売上高の約64%、セグメント利益の大半）。商事・貿易、ライフサポート、ビジネスサポート、プロダクト事業が補完。
- 市場ニーズ適応力: 物流需要の多様化（EC拡大、BtoB/BtoC混在）、環境負荷低減、DX化などに対応。M&Aや新規施設投資で変化に追随。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向: DX（デジタル化）推進、物流センターの自動化・省人化、複合型・多機能倉庫の新設。危険物対応・環境配慮型施設の展開。
- 主力サービス: 3PL（物流一括受託）、全国輸配送ネットワーク、倉庫・センター運営。商事・貿易分野では石油・日用品等の流通。介護・小売・BPOも展開。
6. 株価の評価
- 株価: 2,029円（2025/7/18時点）
- EPS（会社予想）: 126.51円
- BPS（実績）: 1,271.24円
- PER（会社予想）: 16.07倍（業界平均13.9倍よりやや高い）
- PBR（実績）: 1.60倍（業界平均1.0倍より高い）
- 配当利回り（予想）: 2.46%
- 株価水準: EPS・BPSから見ると、やや割高感があるが、成長性や安定配当を織り込んだ水準と考えられる。
7. テクニカル分析
- 年初来高値: 2,110円
- 年初来安値: 1,343円
- 直近株価推移: 直近10日間は2,000円台前半で推移し、やや横ばい傾向。年初来高値圏に近い水準。
- 移動平均: 50日移動平均：1,860円台、200日移動平均：1,580円台。現在株価は両平均を上回り、上昇トレンドが継続。
- モメンタム: 直近1年で約83%上昇しており、強い上昇トレンドが見られる。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2025年3月期：854,550百万円（前期比+9.8%）
- 営業利益: 34,946百万円（前期比+16.9%）
- 純利益: 18,610百万円（前期比+16.7%）
- ROE: 9.39%
- ROA: 3.11%
- 自己資本比率: 30.2%（前期26.1%→改善）
- キャッシュフロー: 営業CFはプラス（44,722百万円）、投資CFはマイナス（-58,024百万円）、財務CFはほぼ横ばい。投資積極化で現金残高は減少傾向。
- 利益率: 営業利益率4.1%、純利益率2.18%と物流業界としては標準的。
- 成長性: 売上・利益ともに過去数年で堅調な増加傾向。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想: 2025年3月期：年間46円、2026年3月期予想：年間50円
- 配当性向: 42.14%（目標40%）
- 配当利回り: 2.46%（直近株価ベース）
- 自社株買い: 自己株式保有あり（0.26%）、過去に自社株買い実施実績あり
- 方針: 安定配当と配当性向40%維持を掲げ、株主還元を重視
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動傾向: 直近1年で大幅上昇（+83.6%）、年初来高値圏。出来高も安定して推移。
- 投資家構成: 機関投資家・信託銀行等の保有が多く、安定株主比率が高い。
- 影響要因: 業績成長、M&A効果、配当方針、物流業界のDX・環境対応期待が株価を支えていると考えられる。
11. 総評
センコーグループホールディングスは、物流を基軸に商事・貿易、ライフサポート、ビジネスサポート、プロダクト事業を多角展開し、M&AやDX推進で成長を続けている企業です。業績は安定的に拡大しており、財務基盤も強化傾向。配当性向40%を目指した株主還元方針も明確です。株価は直近で大きく上昇し高値圏にありますが、業績・成長性・還元姿勢が投資家から評価されていることがうかがえます。今後も物流業界の変化や経済環境に柔軟に対応し、持続的成長を目指す姿勢が見られます。
企業情報
| 銘柄コード | 9069 |
| 企業名 | センコーグループホールディングス |
| URL | http://www.senkogrouphd.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 陸運業 |
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