1. 企業情報

  • 企業名:東京エレクトロン株式会社(Tokyo Electron Limited)
  • 設立:1963年11月11日
  • 所在地:東京都港区赤坂5-3-1 赤坂Bizタワー
  • 代表者:河合 利樹
  • 従業員数:19,573人(平均年齢43.5歳、平均年収1,354万円)
  • 事業内容:半導体製造装置の開発・製造・販売を主力とし、FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置や関連サービスも展開。主な製品はコータデベロッパー、エッチング装置、成膜装置、洗浄装置など。売上の約92%が海外。
  • 市場区分:東証プライム
  • 業種:電気機器(電機・精密)

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内ポジション:半導体製造装置分野で世界3位。特に前工程(洗浄・成膜・エッチング等)に強みを持つ。
  • 競争優位性:高度な微細加工技術、グローバルな顧客基盤(米国・台湾・韓国・中国等)、高い技術開発力。
  • 課題:半導体市況の変動リスク、地政学的リスク、競合(米Applied Materials、蘭ASML等)との技術競争激化。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営ビジョン:「利益成長を通じた企業価値向上」「業績連動型配当による株主還元」
  • 中期経営計画
    • 生成AIやデータセンター向けの先端半導体製造装置に注力
    • 成長分野への積極投資(研究開発・設備投資)
    • 内部留保の有効活用と株主還元の両立
    • 環境・脱炭素対応技術の開発推進

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:半導体製造装置の販売が主力。装置の高単価化・高付加価値化が進行。保守・サービス収入も安定的。
  • 市場ニーズ変化への適応力:生成AI・IoT・自動運転等の新分野向け半導体需要増に対応。中国など新興国市場の成熟世代向け投資にも柔軟に対応。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発動向:次世代微細加工技術(EUVリソグラフィー対応装置等)、アドバンストパッケージング、環境対応技術の開発を推進。
  • 主力製品・サービス:コータデベロッパー、エッチング装置、成膜装置など前工程装置が収益を牽引。FPD/OLED向け装置も提供。

6. 株価の評価

  • 株価:27,850円(2025/7/20時点)
  • EPS(会社予想):1,235.51円
  • PER(会社予想):22.54倍(業界平均24.2倍)
  • BPS(実績):4,016.34円
  • PBR(実績):6.93倍(業界平均1.6倍)
  • ROE(実績):30.34%
  • 評価:PERは業界平均並み、PBRは業界平均を大きく上回る。高収益性・成長期待が織り込まれている。

7. テクニカル分析

  • 年初来高値/安値:28,540円 / 16,560円
  • 直近株価推移:6月以降上昇基調が強く、50日移動平均(24,874.6円)、200日移動平均(23,660.4円)を大きく上回る水準。高値圏に位置。
  • 出来高:直近も高水準を維持。

8. 財務諸表分析

  • 売上高:2兆4,315億円(前年比32.8%増)
  • 営業利益:6,973億円(前年比52.8%増)
  • 純利益:5,441億円(前年比49.5%増)
  • 営業利益率:28.7%(前年24.9%)
  • ROE:30.34%(高水準)
  • 自己資本比率:70.1%(財務健全性高い)
  • 営業キャッシュフロー:5,821億円(増加傾向)
  • 投資・財務CF:積極投資と株主還元を両立
  • 過去数年の傾向:2023年に一時減収減益も、2024~2025年は大幅な増収増益に転じている。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績:2025年3月期合計592円、2026年3月期予想618円
  • 配当利回り:2.22%(会社予想)、5年平均2.18%
  • 配当性向:50%目安の業績連動型
  • 自社株買い:自己株式保有比率2.57%、過去にも実施
  • 株主還元策:利益成長に応じた安定的・積極的な還元方針

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価変動傾向:直近1年は大幅上昇、年初来高値圏。生成AI・半導体需要増が材料視されている。
  • 信用取引動向:信用買残増加、信用倍率4.07倍と買い優勢。
  • 投資家構成:国内外機関投資家の保有比率高い(50%超)、個人投資家・自己株も一定比率。
  • 影響要因:半導体市況、AI・データセンター投資動向、米中関係・地政学リスクなど。

11. 総評

東京エレクトロンは、半導体製造装置分野で世界有数の地位を有し、特に前工程装置で高い競争力を持っています。2025年3月期は生成AI需要や中国市場の堅調な投資を背景に、売上・利益ともに過去最高を記録しました。財務基盤も極めて健全で、ROE・営業利益率ともに高水準です。配当性向50%を目安とした業績連動型の株主還元方針も明確です。株価は年初来高値圏に位置し、成長期待が強く織り込まれています。今後も半導体市場やAI関連投資の動向、地政学リスクなどが業績・株価に影響を与える可能性があります。
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企業情報

銘柄コード 8035
企業名 東京エレクトロン
URL http://www.tel.co.jp
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 電気機器

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By シャーロット

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