1. 企業情報
- 企業名：株式会社瑞光（Zuiko Corporation）
- 所在地：大阪府茨木市彩都はなだ2-1-2
- 設立：1963年4月3日
- 従業員数：597人（平均年齢38.5歳、平均年収6,110千円）
- 事業内容：
衛生用品（紙おむつ、生理用ナプキン、成人用おむつ、マスク、ペットシーツ等）の製造機械の設計・開発・製造・販売・保守を国内外で展開。中古おむつリサイクル機械、医療機器、関連ソフトウェアの提供も行う。生産拠点は日本、中国、ブラジル。
– 売上構成（2025.2）：
– 小児用おむつ製造機：34%
– 大人用おむつ製造機：32%
– 生理用ナプキン製造機：16%
– 部品：14%
– その他：4%
– 海外売上比率：81%
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション：
衛生用品製造機の国内最大手。特に紙おむつや生理用品向け製造機で高いシェアを持つ。
– 競争優位性：
長年の技術蓄積と顧客基盤、海外（中国・ブラジル）への展開力が強み。
主要顧客には大手衛生用品メーカーが含まれる。
– 課題：
近年は原価率の上昇、利益率低下、競争激化、為替変動リスク、グローバル需要の変動などが課題。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン：
グローバルな衛生用品製造機市場でのリーダーシップ維持・拡大。
– 中期経営計画（2026年2月期）：
– 売上高：22,000百万円（前年比+10.3%）
– 営業利益：1,000百万円
– 経常利益：1,050百万円
– 純利益：820百万円
– EPS：30.98円
– 重点施策：
– 国内外提案営業の強化
– 受注案件の早期完成・引渡し
– 部品販売の拡大
– 原価管理の徹底
– 新規分野（リサイクル機器等）への展開
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル：
衛生用品製造機の販売・保守、部品販売が主力。消耗部品や保守契約によるストック型収益も一部あり。
– 市場ニーズ適応力：
少子高齢化・衛生意識の高まり・新興国需要の増加に対応。リサイクル機器や医療機器など新分野への進出も図る。
– リスク：
受注変動による業績の振れ幅が大きい。原材料価格・為替の影響も大きい。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向：
高速・高効率な製造機開発、IoT/自動化技術の導入、リサイクル技術の強化。
– 独自性：
長年のノウハウと大手顧客との共同開発実績。衛生用品向け専用機の設計・カスタマイズ力。
– 主力製品：
紙おむつ・生理用品製造機が収益の柱。近年は大人用おむつ、小児用おむつ製造機の売上が大きく伸長。
6. 株価の評価
- 株価：950円（2025/7/18終値）
- PER（会社予想）：30.66倍（業界平均16.6倍より高い）
- PBR（実績）：0.76倍（業界平均1.4倍より低い）
- EPS（会社予想）：30.98円
- BPS（実績）：1,257.15円
- 株価と指標の比較：
- 現在の株価はBPSに対して割安水準（PBR 1倍未満）。
- 予想PERは業界平均より高く、利益回復への期待が織り込まれている可能性。
- 直近は赤字であったが、今期は黒字転換予想。
7. テクニカル分析
- 株価推移：
- 年初来高値：1,414円
- 年初来安値：934円
- 直近10日間は950〜1,015円のレンジで推移し、安値圏に位置。
- 50日移動平均：992.7円、200日移動平均：1,164.93円。現状は両移動平均線を下回る。
- モメンタム：
- 直近では下落基調から横ばい〜やや反発の兆し。
- 出来高は平均水準。
8. 財務諸表分析
- 売上高：
- 2022年2月期：23,580百万円
- 2023年2月期：26,505百万円
- 2024年2月期：21,737百万円
- 2025年2月期（予想）：19,950百万円→22,000百万円（増収見通し）
- 利益：
- 営業利益は2024年2月期以降赤字転落。2026年2月期は黒字転換見通し。
- 2025年2月期純利益：-788百万円（赤字）
- 2026年2月期純利益（予想）：820百万円（黒字転換見通し）
- キャッシュフロー：
- 直近四半期現金及び預金：135億円と潤沢。
- 総資産：497億円
- 自己資本比率：65.3%（財務健全）
- ROE/ROA：
- ROE：-2.29%（直近赤字）
- ROA：-0.32%
- 財務安全性：
- 流動比率2.47、総資産に対する負債比率も低く、財務体質は良好。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想：
- 年間配当予想：16円（中間8円＋期末8円）
- 配当利回り（予想）：1.68%
- 配当性向（予想）：90.85%（利益水準が低いため高め）
- 5年平均配当利回り：1.42%
- 自社株買い：
- 自己株式保有割合8.11%
- 方針：
- 安定配当を重視。業績回復局面では増配も期待される。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム：
- 1年で約-5.3%下落（S&P500は+13.2%）
- 直近は安値圏で推移し、下落傾向が一服。
- 投資家関心：
- 信用買残がやや増加（短期的な反発期待も一部あり）。
- 機関投資家・大株主の保有比率が高く、安定株主構成。
11. 総評
- 瑞光は、衛生用品製造機械分野で国内最大手の地位を確立し、海外展開も積極的です。近年、原価率の上昇や受注変動などで業績は厳しい局面が続きましたが、今期は大人用・小児用おむつ製造機の売上増加を背景に増収・黒字転換が見込まれています。
- 財務体質は良好で、潤沢な現金と高い自己資本比率を維持しています。一方で、利益水準の低下や原価率の高止まりは課題です。
- 株価はPBR 1倍未満と割安感がある一方、PERは業界平均より高く、今後の利益回復への期待が株価に織り込まれている可能性があります。
- 配当は安定的に支払われており、株主還元にも一定の配慮が見られます。
- 今後は、受注動向、原価管理の徹底、新分野への展開状況などが注目されます。
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企業情報
| 銘柄コード | 6279 |
| 企業名 | 瑞光 |
| URL | http://www.zuiko.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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