共栄セキュリティーサービス(証券コード:7058)の企業分析レポートを以下の通りご報告します。
1. 企業情報
共栄セキュリティーサービスは、オフィス、商業施設、イベント会場など多岐にわたる場所で警備サービスを提供する中堅警備会社です。主な事業内容は施設警備であり、その他にもイベント警備、交通誘導警備、ボディーガード、さらには駐車場運営管理やビル・設備管理、マンション管理人派遣といった幅広い事業を展開しています。業界最大手の一角であるセコム株式会社とも提携関係にあり、M&A(合併・買収)を積極的に活用し、事業規模の拡大を図っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社は警備業界において中堅規模の企業として位置しています。国内警備業界全体では、警備ニーズの高まりから業者数、警備員数ともに増加傾向にありますが、同時に人手不足が深刻化しており、人材獲得競争の激化による賃金上昇圧力が課題となっています。同社はセコムとの提携やM&Aを成長戦略として掲げており、これらが業界内での競争優位性、特に人員確保や事業拡大において寄与する可能性があります。しかしながら、警備員の確保と人件費の高騰は、同社の主要な課題となる可能性も指摘されます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は「M&Aとグループ経営」を会社の成長戦略の柱として位置付けています。人的サービスに注力しつつ、M&Aを通じて事業規模の拡大と収益性の改善を目指しています。この戦略は、国内における警備需要の増加と、労働力不足という業界課題の両面に対応しようとするものです。直近では決算期変更(3月末から7月末へ)を予定しており、それに伴い次期(2026年3月期)は16ヶ月の変則決算となる可能性があるため、現時点での業績予想は未定としています。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の収益モデルは、施設警備を核とした様々な警備サービスや関連業務から構成されています。国内の警備需要は増加傾向にあり、社会の安全意識の高まりは同社にとって追い風となる可能性があります。M&Aによる事業拡大は、新たな顧客基盤やサービス領域を獲得する上で有効な手段となり得ます。しかし、警備業界全体の人手不足とそれに伴う人件費の増加は、収益性を圧迫する要因となる可能性があります。この点において、効率的な人員配置や、M&Aによるシナジー効果の最大化が、事業モデルの持続可能性を高める上での重要な要素となります。
5. 技術革新と主力製品
提供された情報からは、技術革新に関する具体的な取り組みや独自の技術開発についての詳細な記述は見られません。同社の主力事業は「施設警備」であり、これは売上高の大部分を占めています。その他、イベント警備や交通誘導警備など、多様な警備ニーズに対応するサービスを提供しています。
6. 株価の評価
現在の株価は2,630.0円です。
過去12ヶ月の希薄化後EPS(1株当たり利益)は-26.71円であり、最終損益がマイナスであるため、PER(株価収益率)は算出できません。
直近四半期のBPS(1株当たり純資産)は3,130.93円であり、これに基づくPBR(株価純資産倍率)は約0.84倍(2,630.0円 ÷ 3,130.93円)となります。
業界平均PBRが1.2倍であることと比較すると、同社のPBRは業界平均を下回る水準にあります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2,448円から2,630円の間で推移しており、本日の終値2,630円は直近の高値水準にあります。
52週間の株価レンジは2,150円から2,852円であり、現在の株価は52週高値圏に近い位置にあります。
50日移動平均線(2,462.26円)および200日移動平均線(2,450.81円)を上回って推移しており、短期・中期的に株価は上昇トレンドにあるように見えます。
ただし、直近の出来高は2,000株、売買代金も5,226千円と非常に少なく、市場での流動性が低い点には留意が必要です。出来高の少なさは、単発的な売買で株価が大きく変動しやすい特性を示唆しています。
8. 財務諸表分析
売上高:
過去数年間、売上高は増加傾向にあります。
– 2022年3月期: 7,997百万円
– 2023年3月期: 8,017百万円
– 2024年3月期: 9,354百万円
– 2025年3月期: 10,113百万円(前年比8.1%増)
この増加は、M&Aによる連結子会社の寄与、常駐契約の料金改定、新規契約の開始によるものとされています。
利益:
営業利益と経常利益は回復基調にあります。
– 営業利益: 2024年3月期に一時減少したものの、2025年3月期は484百万円(前年比56.8%増)と大きく回復しました。これは、M&Aに伴うのれん償却費や募集費の増加があったものの、料金改定による原価率の低下が寄与したためとされています。
– 親会社株主に帰属する当期純利益: 2025年3月期は△38百万円の損失を計上し、前年の248百万円の利益から赤字に転落しました。これは、連結子会社におけるのれんの一部減損損失を計上したことが主な要因と説明されています。
キャッシュフロー:
営業活動によるキャッシュフローは398百万円のプラスとなっており、本業で現金を創出できている状態です。投資活動によるキャッシュフローは△149百万円、財務活動によるキャッシュフローは△592百万円の支出となっており、現預金残高は減少しています。
収益性・効率性・安全性:
- ROE(自己資本利益率)は過去12ヶ月で-0.82%とマイナスです。これは当期純利益が赤字に転落したことによるものです。
- ROA(総資産利益率)は過去12ヶ月で4.61%です。
- 自己資本比率は2025年3月期で71.3%と非常に高い水準を維持しており、財務の安全性は良好であると考えられます。流動比率も2.44と高く、短期的な支払能力も問題ないと見られます。
9. 株主還元と配当方針
同社は2024年3月期、2025年3月期ともに年間90.00円の配当を実施しています。現在の株価(2,630円)に基づく実績配当利回りは約3.49%です。
2025年3月期は最終赤字となりましたが、同額の配当を維持しており、安定配当を目指す姿勢がうかがえます。赤字決算のため、決算短信における配当性向の記載はありませんが、企業財務指標では59.41%という数値が示されています。これは過去の利益に基づいた数値である可能性があり、直近の赤字を考慮すると、配当性向の評価は慎重に行う必要があります。
自社株買いについては、株主情報に自己株式保有(3.94%)の記載があるため、過去に実施された実績があると推測されます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にありますが、出来高が少ないため、特定の投資家の売買によって大きく変動する可能性を秘めています。信用取引では信用買残が信用売残に対して非常に多く、信用倍率が0.00倍となっていることから、需給の偏りが見られます。
今後の株価に影響を与える要因としては、M&Aによる事業成長の進展、警備業界の人手不足と賃金上昇圧力への対応策、そして現在未定とされている次期業績予想の開示が挙げられます。特に、2025年5月15日の決算発表では最終赤字が公表されましたが、営業利益・経常利益は改善しており、減損損失が一過性のものであれば、今後の利益回復への期待が集まる可能性もあります。5月26日には機関投資家・アナリスト向け説明会も予定されており、そこで今後の経営戦略や事業見通しが明らかにされることで、投資家の関心がさらに高まるかもしれません。
11. 総評
共栄セキュリティーサービスは、安定した警備事業を基盤としつつ、M&Aによる積極的な事業拡大戦略を推進している企業です。売上高は堅調に増加しており、本業の収益力である営業利益・経常利益は回復しています。一方で、2025年3月期はM&Aに伴う減損損失により最終赤字に転落したものの、財務基盤は高い自己資本比率を維持しており安定しています。
株価はPBRが業界平均を下回る水準にあり、直近では上昇モメンタムが見られますが、出来高が非常に少ないため流動性には注意が必要です。安定した配当を実施している点は評価できますが、今後の株価は、最終損益の黒字転換やM&A戦略の具体的な成果、および人手不足問題への対応が鍵となります。特に、決算期変更による次期業績予想の未定は、投資家にとって不透明感をもたらす可能性がありますが、今後開示される見通しによっては、投資家の評価が変わる可能性も考えられます。
本レポートは、提供された情報に基づいて企業分析を行ったものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断は、ご自身の判断と責任において行ってください。本レポートの内容は、正確性や完全性を保証するものではありません。
企業情報
銘柄コード | 7058 |
企業名 | 共栄セキュリティーサービス |
URL | https://www.kyoei-ss.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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