1. 企業情報
企業名: 豊田通商株式会社
設立: 1948年7月1日
所在地: 名古屋市中村区名駅4-9-8
従業員数: 69,111人
平均年齢/年収: 43.1歳 / 1,320万円
概要:
トヨタグループの総合商社で、金属・自動車分野に強みを持ちます。機械、エネルギー、化学品、食品、アフリカ事業など多岐にわたる事業をグローバルに展開。自動車関連事業の営業利益比率が高く、アフリカ市場にも積極的に進出しています。2006年にトーメンと合併し、規模を拡大しました。
2. 業界のポジションと市場シェア
業界内ポジション:
日本の大手総合商社の一角で、特に自動車関連（トヨタグループとの連携）とアフリカ市場でのプレゼンスが際立ちます。
競争優位性:
– トヨタ自動車との強固な関係
– アフリカ市場での独自展開（CFAOなど現地企業との連携）
– 再生可能エネルギーやデジタル分野への積極投資
課題:
– 資源価格や為替変動等、外部環境の影響を受けやすい
– 他大手商社（伊藤忠、三菱商事、三井物産など）との競争
3. 経営戦略と重点分野
経営陣のビジョン・戦略:
– 「持続的成長と社会課題解決」を掲げ、各事業セグメントで社会的価値創出を重視
– 累進配当や総還元性向向上など株主還元強化
中期経営計画・重点分野:
– 金属（自動車鋼板等）の集約・効率化
– アフリカでの衛生用品生産・販売（ユニ・チャーム連携）
– ラストマイル配送事業強化
– 再生可能エネルギー（風力・太陽光等）事業拡大
– 電子材料・部品の拡充（エレマテック子会社化）
– 農業振興やヘルスケア分野への進出
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル:
– 自動車関連部品・素材供給、物流、組立、販売など川上から川下まで一貫
– 金属、エネルギー、化学、デジタル、食品など多角化でリスク分散
市場ニーズ変化への適応力:
– EV化・再生可能エネルギー分野への投資
– アフリカ・新興国での需要開拓
– サーキュラーエコノミー（循環型経済）への対応
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向・独自性:
– 再生可能エネルギー（風力・太陽光・バイオマス等）の開発・運用
– 電子材料・部品の調達・販売強化
– サーキュラーエコノミー分野でのリサイクル技術導入
主力製品・サービス:
– 自動車用鋼板・部品、非鉄金属
– タイヤ・ホイール組立、車両組立
– 再生可能エネルギー発電
– 食品・農業・医療・ヘルスケア関連商品
6. 株価の評価
- 株価: 3,258円（2025/7/18終値）
- EPS（会社予想）: 322.07円
- PER（会社予想）: 10.12倍（業界平均：12.1倍）
- BPS（実績）: 2,485.89円
- PBR（実績）: 1.31倍（業界平均：1.0倍）
評価:
PERは業界平均を下回り、PBRはやや上回っています。収益力や成長性が市場に一定程度評価されていることがうかがえます。
7. テクニカル分析
- 年初来高値: 3,290円
- 年初来安値: 2,072円
- 直近株価: 3,258円（高値圏）
- 50日移動平均: 3,094円
- 200日移動平均: 2,736円
推移:
直近は年初来高値圏で推移しており、上昇トレンドが継続しています。
売上・利益・キャッシュフロー
| 期末 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 当期利益(百万円) | 営業CF(百万円) |
|---|---|---|---|---|
| 2022/3 | 8,028,000 | 299,879 | 222,235 | – |
| 2023/3 | 9,848,560 | 404,011 | 284,155 | – |
| 2024/3 | 10,188,979 | 447,929 | 331,444 | – |
| 2025/3 | 10,309,550 | 499,972 | 362,506 | 511,870 |
- 売上・利益ともに安定成長
- 営業キャッシュフローも堅調
指標
- ROE: 14.24%
- ROA: 4.43%
- 自己資本比率: 37.2%
- 利益率: 営業利益率4.92%、純利益率3.52%
傾向:
収益性・効率性ともに安定し、財務健全性も維持されています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（予想）: 3.38%
- 1株配当（予想）: 110円
- 配当性向: 30.6%
- 累進配当方針: 2026年3月期まで累進配当、以降は総還元性向40%以上を目指す
- 自社株買い: 総還元性向向上の一環として今後も実施予定
方針:
安定的かつ累進的な配当を重視し、株主還元姿勢が強いことが特徴です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム: 直近10日間で年初来高値圏を維持し、上昇傾向
- 信用倍率: 4.66倍（やや買い長）
- 出来高: 直近も流動性高い
- 株主構成: トヨタ自動車などグループ企業が大株主、機関投資家も多い
影響要因:
– トヨタグループの業績動向
– 為替、資源価格、アフリカ・新興国の経済情勢
– 再エネ・DXなど成長分野の進捗
11. 総評
豊田通商はトヨタグループの総合商社として、自動車関連を主軸に多角的な事業を展開し、アフリカや再生可能エネルギー、デジタル分野など成長領域にも積極的に投資しています。業績は安定成長を続け、財務基盤も堅固です。株主還元方針も明確で、累進配当や自社株買いなどにより株主価値向上を重視しています。株価は年初来高値圏で推移し、投資家の関心も高い状況です。今後も外部環境変動や新規事業の進捗が注目されます。
企業情報
| 銘柄コード | 8015 |
| 企業名 | 豊田通商 |
| URL | http://www.toyota-tsusho.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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