1. 企業情報

  • 企業概要

広済堂ホールディングスは、印刷、葬祭(エンディング)、人材サービスを主力とする持株会社です。1949年創業、2021年に現社名へ変更。印刷事業を祖業としつつ、都内6火葬場の運営を含む葬祭事業が現在の収益柱です。人材サービスやBPO、IT関連事業も展開しています。
主要事業セグメント
– 葬祭公益(火葬場運営)
– 葬祭収益(葬儀サービス等)
– 資産コンサルティング(金融・不動産等)
– 情報(印刷、IT、BPO)
– 人材(求人媒体、人材派遣・紹介等)

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内ポジション

葬祭分野では東京都内で高いシェアを有し、火葬場運営の「東京博善」などが収益を牽引。印刷分野は市場全体が縮小傾向。人材分野は競争が激しく、紙媒体の減収や人材紹介・派遣の成長鈍化が課題です。
競争優位性・課題

葬祭分野の安定収益が強み。一方、印刷・人材分野は構造的な市場縮小や競争激化が課題となっています。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営ビジョン・戦略

中期経営計画「中期経営計画5.0」にて、2027年度の連結営業利益100億円達成を目指しています。基本方針は「長期的な利益成長」「戦略的投資と効率化」「株主還元の充実」。
具体的施策・重点分野
– エンディング(葬祭)事業の成長加速
– 情報・人材セグメントの選択と集中
– 戦略的なM&Aや事業再編
– IT・BPO領域の強化

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル

葬祭事業の安定収益が基盤。高齢化社会の進展で市場拡大が見込まれる一方、印刷・人材は市場縮小や競争激化への対応が必要です。
市場ニーズへの適応力

葬祭分野は堅調ですが、他分野は新サービス開発やデジタル化対応が求められています。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発動向・独自性

印刷・IT・BPO分野でのシステム開発や効率化投資を実施。人材分野ではHR Tech活用を進めています。
収益を牽引する主力サービス
– 葬祭(火葬場運営、葬儀サービス)
– 情報ソリューション(印刷、BPO)
– 人材サービス(求人媒体、人材派遣)

6. 株価の評価

  • PER(予想):11.92倍(業界平均14.5倍より低い)
  • PBR(実績):1.36倍(業界平均1.3倍と同水準)
  • EPS(予想):38.09円
  • BPS(実績):332.67円
  • 株価:454円
    • 株価/予想EPS=約11.92倍
    • 株価/BPS=約1.36倍

業界平均と比較し、PERはやや割安圏、PBRは平均的な水準です。

7. テクニカル分析

  • 株価推移
    • 直近10日間で高値489円→454円へ下落傾向
    • 年初来高値:560円、年初来安値:434円
    • 50日移動平均:469.14円、200日移動平均:502.50円

現在の株価は年初来安値圏に近く、移動平均線を下回る水準です。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益
    • 売上高:38,302百万円(前年比+8.0%)
    • 営業利益:8,302百万円(前年比+55.9%)
    • 純利益:4,462百万円(前年比+2.9%)
  • キャッシュフロー
    • 営業CF:△8,453百万円(前年は+10,000百万円)
    • 投資CF:+4,086百万円
    • 財務CF:△2,945百万円
  • ROE・ROA
    • ROE:9.60%
    • ROA:6.71%
  • 自己資本比率
    • 60.8%(財務健全性は高い)
  • 過去数年の傾向
    • 売上・利益ともに増加傾向。営業利益率も改善。
    • 営業CFが大幅なマイナスとなっており、資金繰りには注意が必要。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(予想):2.94%
  • 配当性向(予想):44.05%
  • 年間配当(予想):13.34円
  • 自社株買い:自己株式保有あり(2.1%)

安定的な配当政策を継続しており、配当性向も無理のない水準です。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近の株価変動
    • 直近10日で下落トレンド
    • 52週変動率:-17.45%
    • 信用倍率8.55倍(買い残高多め)
  • 投資家関心
    • インサイダー保有比率が高く、安定株主が多い
    • 機関投資家の保有も一定水準

11. 総評

広済堂ホールディングスは、エンディング(葬祭)事業を中心に安定した収益を確保し、成長戦略を推進しています。財務基盤も堅固で、自己資本比率は高い水準です。株価指標は業界平均と比較して割安感があり、配当利回りも安定しています。一方で、営業キャッシュフローの大幅なマイナスや、印刷・人材分野の厳しい市場環境には注意が必要です。今後は中期経営計画の進捗や、事業ポートフォリオの最適化が注目されます。
本レポートは公開情報をもとに整理したものであり、投資判断を推奨するものではありません。


企業情報

銘柄コード 7868
企業名 広済堂ホールディングス
URL https://www.kosaido.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – その他製品

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By シャーロット

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