1. 企業情報
- 企業名: 株式会社ベイカレント（Baycurrent, Inc.）
- 事業内容: ベイカレントは、ITを核とした総合コンサルティングサービスを展開しています。企業戦略の立案から課題解決、実行支援まで一貫して提供し、デジタル技術を活用した経営変革に強みを持ちます。顧客はハイテク、メディア、通信、自動車、金融、ヘルスケア、消費財、エネルギー、物流、公共など多岐にわたります。
- 設立: 2014年4月18日（前身は1998年創業）
- 所在地: 東京都港区麻布台1-3-1 麻布台ヒルズ森JPタワー
- 従業員数: 5,467人（平均年齢31.2歳、平均年収1,349万円）
- 市場区分: 東証プライム
- 代表者: 北風 大輔
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: ベイカレントは日系最大級の総合コンサルティング会社の一つです。外資系大手（アクセンチュア、デロイト等）と並び、国内企業のDX（デジタルトランスフォーメーション）需要増加を背景に高い成長を維持しています。
- 競争優位性: IT・デジタル領域に強みを持ちつつ、戦略立案から実行まで一貫支援できる体制、優秀な人材の確保・育成、幅広い業界への対応力が特徴です。
- 課題: コンサルタント人材の獲得競争激化、外資系との競争、景気変動によるコンサル需要の変化などが挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略: 「クライアントの経営課題を多面的に解決し、社会に新たな価値を提供する」ことを掲げています。
- 中期経営計画（2025年2月期～2029年2月期）:
- 年率約20%の売上成長
- 2029年2月期に売上収益2,500億円、EBITDAマージン30～40%を目標
- 優秀な人材の採用・育成、コアクライアント戦略、サービス強化を重点施策としています
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: コンサルティングフィー（プロジェクト型、リテイナー型）が主。顧客の経営課題解決ニーズに応じた高付加価値サービスを提供し、リピート案件・長期契約も多いです。
- 市場ニーズへの適応力: DXやデジタル技術活用のニーズ拡大に対応し、IT・戦略・業務改革など多様な領域でサービスを拡充しています。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向・独自性: DX、AI、クラウド、データ分析等の先端技術を活用したコンサルティングに強み。IT×戦略の融合による実行力が特徴です。
- 収益を牽引するサービス: 特定のプロダクトはありませんが、DX推進、業務改革、IT導入支援などが主力領域です。
6. 株価の評価
- 株価: 8,293円（2025/7/18終値）
- EPS（会社予想）: 245.41円
- BPS（実績）: 627.01円
- PER（会社予想）: 33.79倍（業界平均17.0倍）
- PBR（実績）: 13.23倍（業界平均1.8倍）
- 評価: 業界平均と比べて高いPER・PBRとなっています。これは高成長期待や高収益性（ROE 32.58%）を市場が織り込んでいると考えられます。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間で8,000円台前半から8,500円台まで上昇し、年初来高値（8,585円）に接近しています。
- 移動平均: 50日移動平均：7,736円、200日移動平均：6,495円。現在の株価は両移動平均を大きく上回り、高値圏に位置しています。
- モメンタム: 出来高も増加傾向にあり、上昇トレンドが継続しています。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益成長: 売上高は過去4年で約2倍に成長（2022年2月期：576億円→2025年2月期：1,160億円）。営業利益率も高水準（直近：42.6%）。
- キャッシュフロー: 営業CFは増加傾向（直近12か月：326億円）、フリーCFも潤沢。
- ROE・ROA: ROE 32.58%、ROA 23.72%と極めて高い効率性を示しています。
- 自己資本比率: 75.7%と財務健全性も高いです。
- 利益率: 営業利益率42.6%、純利益率26.5%と高収益体質です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 1.21%（予想）、配当性向約30%
- 配当推移: 2025年2月期：年間49.5円 → 2026年2月期予想：年間100円と大幅増配予定。
- 自社株買い: 自己株式保有比率2.16%。自社株買いの実施状況は特記なし。
- 方針: 成長投資を優先しつつも、配当による株主還元を強化しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動傾向: 年初来安値4,904円から8,500円台まで上昇し、直近1年で約1.7倍。出来高も増加し、投資家の関心が高まっています。
- 信用取引動向: 信用買残は減少傾向（前週比-249,700株）、信用倍率2.48倍。信用売残は増加傾向。
- 影響要因: 業績の高成長や増配、DX需要拡大への期待が株価上昇の主因と考えられます。
11. 総評
ベイカレントは、IT・デジタル領域に強みを持つ日系最大級の総合コンサルティング会社です。高い成長性と収益性、財務健全性を兼ね備え、業界平均を大きく上回る評価（PER・PBR）を市場から受けています。直近では業績・株価ともに好調で、増配も予定されています。今後もDX需要の拡大や中期経営計画の進捗が注目されますが、人材確保や競争環境の変化などがリスク要因となります。
※本レポートは情報提供を目的としており、投資判断を目的としたものではありません。
企業情報
| 銘柄コード | 6532 |
| 企業名 | ベイカレント |
| URL | https://www.baycurrent.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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