1. 企業情報
- 事業内容:
ケイアイスター不動産は、主に首都圏を中心に全国展開する分譲住宅の開発・販売会社です。一次取得者（初めて住宅を購入する層）向け分譲住宅が主力で、土地の仕入れから建築・販売まで一貫して手掛けています。加えて、注文住宅、リフォーム、中古住宅、不動産賃貸・仲介、アパート・収益不動産など多角的に事業を展開しています。
– 設立: 1993年6月
– 本社: 埼玉県本庄市
– 従業員数: 2,664人（平均年齢32.3歳、平均年収517万円）
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション:
分譲住宅市場において、一次取得者向けのコストパフォーマンスに優れた住宅供給で高いシェアを持ちます。南関東を軸に全国展開を進めており、成長著しい企業の一つです。
– 競争優位性:
土地仕入れから販売までの一貫体制、エリア拡大力、商品企画力が強み。
– 課題:
注文住宅事業の利益率低下や、原材料・人件費高騰、住宅ローン金利上昇などの外部リスクが存在。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン:
「日本一の分譲住宅会社」を掲げ、全国規模でのシェア拡大を目指す。
– 中期経営計画（2028年）:
– 分譲住宅事業の新規エリア進出・既存エリア深耕
– 注文住宅、アパート・収益不動産、中古住宅、分譲マンション、海外（豪州）での住宅用地開発
– 2026年3月期目標：売上高3,700億円、営業利益230億円
– 重点施策:
– 平屋・規格型注文住宅の拡大
– 子会社化による地域密着型事業の強化
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
分譲住宅の大量供給によるスケールメリットと、土地仕入れから販売までの一貫体制でコスト競争力を維持。
– 市場ニーズへの適応:
低価格帯住宅ニーズへの対応、エリア拡大、リフォーム・中古住宅事業の強化など、多様な顧客層に対応。
– リスク要因:
原材料・人件費高騰、金利上昇による住宅ローン負担増、地域ごとの需要変動。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発:
平屋住宅や規格型住宅の開発、施工の効率化、IT活用による業務効率化などを推進。
– 主力商品:
一次取得者向け分譲住宅（戸建）、平屋・規格型注文住宅、中古住宅、収益不動産。
– 独自性:
土地仕入れから販売までの一貫体制と、全国規模でのエリア展開力。
6. 株価の評価
- 株価: 4,725円（2025/7/18終値）
- EPS（会社予想）: 775.09円
- PER（会社予想）: 6.10倍（業界平均13.6倍）
- BPS（実績）: 3,883.65円
- PBR（実績）: 1.22倍（業界平均1.6倍）
- 配当利回り（会社予想）: 4.23%
- 評価:
業界平均と比較してPER・PBRともに割安圏に位置。配当利回りも高水準。
7. テクニカル分析
- 年初来高値: 5,240円
- 年初来安値: 3,945円
- 50日移動平均: 4,797.60円
- 200日移動平均: 4,466.38円
- 直近株価推移:
直近10日間は4,700円台後半から4,800円台で推移し、やや調整気味。50日移動平均線をやや下回る水準。
– 位置付け:
年初来高値圏からやや下落し、短期的には調整局面。
8. 財務諸表分析
- 売上高:
2025年3月期：342,553百万円（前期比21.0%増）
– 営業利益:
17,255百万円（前期比51.9%増）
– 純利益:
8,862百万円（前期比31.4%増）
– ROE:
15.46%（高水準）
– ROA:
– 99%
– 自己資本比率:
20.4%（やや低めだが不動産業としては標準的）
– キャッシュフロー:
営業CFは-626百万円（前期は-15,281百万円から改善）、財務CFで資金調達を実施。
– 傾向:
売上・利益ともに大幅増加。営業CFは依然マイナスだが、資金調達で現金残高は増加傾向。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績:
2025年3月期：年間配当200円（前期151円から増配）
– 配当利回り:
– 23%（会社予想）
– 配当性向:
26.48%（安定的水準）
– 自社株買い:
役員・従業員向け株式給付信託制度を導入し、自己株式取得も実施。
– 方針:
利益成長に応じた配当・還元を重視。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:
2024年以降、株価は上昇基調で推移し、年初来高値を更新後はやや調整。
– 出来高:
直近10日間の平均出来高は約5万株台で安定。
– 投資家関心:
配当利回りの高さや業績成長が注目されている。インサイダー保有比率も高く、経営陣のコミットメントが強い。
11. 総評
ケイアイスター不動産は、分譲住宅事業を中心に業績を大きく伸ばしている成長企業です。土地仕入れから販売までの一貫体制とエリア拡大力を強みに、一次取得者向け住宅市場で高い競争力を維持しています。中期経営計画でもさらなる成長を見込んでおり、財務指標も堅調です。一方で、原材料・人件費高騰や金利上昇などの外部リスク、注文住宅事業の利益率低下などの課題も存在します。株価は業界平均と比較して割安で、配当利回りも高く、株主還元にも積極的です。全体として、安定成長と株主還元を両立しつつ、今後の事業多角化や新規エリア展開に注目が集まります。
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（※本レポートは情報提供を目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。）
企業情報
| 銘柄コード | 3465 |
| 企業名 | ケイアイスター不動産 |
| URL | https://ki-group.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 不動産 – 不動産業 |
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