1. 企業情報
- 企業名：オープンアップグループ（Open Up Group Inc.）
- 設立：1997年8月6日
- 所在地：東京都港区虎ノ門1-3-1 東京虎ノ門グローバルスクエア
- 代表者：西田 穣
- 従業員数：26,829人（平均年齢43.9歳、平均年収664万円）
- 事業内容：
製造業・IT・建設業向けを中心とした技術者派遣、請負、アウトソーシング、職業紹介等の人材サービスを国内外で展開。自動車・電機メーカー向けに強みを持ち、開発系エンジニアや建設技術者の派遣が主力。障がい者雇用促進やオンラインプログラミング教育も手掛ける。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界区分：サービス業（人材サービス）
- 業界内ポジション：
技術者派遣分野で国内最大級の規模を持ち、特に製造・IT・建設分野で強み。海外展開も進めているが、直近では英国子会社の売却など事業ポートフォリオの見直しを実施。
– 競争優位性・課題：
技術者派遣の質・量ともに高い水準を維持。エンジニアの単価改善やミドルレベル人材へのシフトで収益性向上を図る一方、派遣業界全体の人材確保競争や景気変動リスクへの対応が課題。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン：「幸せな仕事を通じてひとりひとりの可能性を開く社会に」
- 重点施策：
- 「伴走型モデル」への転換による長期支援型サービスの強化
- ミドル・ハイレベル人材へのシフトと単価改善
- 事業ポートフォリオの見直し（英国子会社売却等）
- 建設領域の採用強化およびM&Aによる拡大
- 中期経営計画：
具体的な数値目標等は未公表だが、事業領域の選択と集中、長期雇用型人材サービスへの転換が中長期戦略の柱。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル：
技術者やエンジニアの派遣・請負を主軸とし、安定したストック型収益を確保。単価改善・人材育成による付加価値向上を目指す。
– 市場ニーズへの適応：
デジタル化やインフラ需要、働き方改革など社会的要請に応じてサービスを拡充。人材不足という構造的な追い風もあり、持続性は高い。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向：
派遣人材のスキルアップ支援やオンライン教育事業を展開。IT・DX人材の育成にも注力。
– 主力サービス：
– 機電・IT領域：開発・設計・運用保守人材の派遣
– 建設領域：施工管理技術者、CADオペレーターの派遣
– 海外領域：技術・製造分野の派遣・請負（英国子会社は売却済み）
– その他：障がい者雇用支援、プログラミング学習
6. 株価の評価
- 株価：1,679円（2025/07/18終値）
- PER（予想）：13.26倍（業界平均17.0倍）
- PBR（実績）：1.95倍（業界平均1.8倍）
- EPS（予想）：126.62円
- BPS（実績）：862.48円
評価：
PERは業界平均より低く、割安感が認められる。PBRはやや高めだが、ROEの高さ（17%超）を考慮すると資本効率は良好。
7. テクニカル分析
- 年初来高値：1,961円
- 年初来安値：1,481円
- 直近株価推移：ここ10営業日は1,680～1,730円台で推移。50日移動平均線（1,742円）、200日移動平均線（1,817円）を下回る水準。
- モメンタム：年初来高値からは調整局面。直近は下値圏での横ばい推移。
8. 財務諸表分析
- 売上高（過去12か月）：1,933億円（前年比+10%）
- 営業利益（過去12か月）：155億円（営業利益率8.61%）
- 純利益（過去12か月）：110億円（純利益率6.35%）
- ROE（実績）：17.04%
- ROA（実績）：8.81%
- 自己資本比率：62.8%（最新決算短信では66.0%に改善）
- キャッシュフロー：営業CFは13.02億円、フリーCFもプラスで資金繰り健全
- 財務安全性：総資産1135億円、負債比率低く、財務健全性高い
過去数年の傾向：
売上・利益ともに安定成長。自己資本比率も上昇傾向。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（予想）：4.47%（業界平均を上回る水準）
- 1株配当（予想）：75円
- 配当性向：59.37%
- 過去の配当実績：増配傾向（2024年65円→2025年75円予想）
- 自社株買い：自己株式保有比率5.14%と一定水準
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム：直近1年で高値から下落傾向（52週変動-23.09%）、直近は下値圏で横ばい
- 出来高：直近10日平均約14万株と流動性は十分
- 信用取引動向：信用買残減少、信用倍率2.22倍と過熱感は低い
- 投資家構成：インサイダー保有比率32.89%、機関投資家保有比率22.26%と安定株主多い
11. 総評
オープンアップグループは、製造・IT・建設分野を中心に技術者派遣サービスを展開し、安定した成長と高い収益性を維持しています。PERは業界平均を下回り、配当利回りも高水準。財務体質も良好で、自己資本比率・ROEともに高い水準です。事業ポートフォリオの見直しや長期雇用型モデルへの転換など、中長期的な持続成長に向けた戦略も進行中です。株価は直近で調整局面にありますが、配当や財務の安定性を背景に、投資家の関心も一定水準を維持しています。
（本レポートは情報提供を目的とし、投資判断を助言・推奨するものではありません。）
企業情報
| 銘柄コード | 2154 |
| 企業名 | オープンアップグループ |
| URL | https://www.openupgroup.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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