1. 企業情報
- 事業内容
プレス工業は自動車部品および建設機械部品の製造・販売を主力とするメーカーです。特にトラック用フレームとアクスル（車軸）で国内トップシェアを誇り、いすゞ自動車向けが全体の約3割を占めます。自動車関連事業が売上の8割超を占め、その他に建設機械用キャビンや金型、プラスチック部品、駐車システム、特殊車両、地震シェルターなども展開しています。
海外展開も積極的で、タイ、米国、インドネシア等に生産拠点を持ちます。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 競争優位性
トラック用フレーム・アクスルで国内首位。いすゞ自動車との強固な取引関係が安定収益の基盤です。
– 課題
自動車業界のEV化や需要変動、建設機械業界の需要低迷、海外市場（特にタイ・米国）の景気・政策リスクが課題です。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン
中期経営計画「PRESSence28」（2024年度スタート）にて「質を追求し、プレゼンスを高める」を基本方針とし、コア事業強化・電動化対応・サステナビリティ経営を推進。
– 重点施策
– 主要取引先との連携強化
– 生産能力増強・DX推進
– 技術開発・提案力強化
– 建設機械関連ではキャビン商品のフルラインナップ化、要素技術深化
– 目標値
2028年度に売上高2,400億円、営業利益率8.0%以上、ROE9.0%以上を目指す。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
トラック用フレーム・アクスル等の自動車部品供給が主力。いすゞ等大手メーカーとの長期的取引が安定収益源。
– 市場変化への適応力
EV化やCASE（コネクテッド、自動運転等）対応を進めており、電動化部品への対応強化も中計で掲げています。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向
軽量・高強度部品、電動化対応部品の開発、DX（デジタルトランスフォーメーション）推進。
– 主力製品
トラック用フレーム、アクスル、建機用キャビン。
– 独自性
国内首位の量産技術と、いすゞ等大手との共同開発力。
6. 株価の評価
- PER（予想）: 12.17倍（業界平均13.3倍よりやや割安）
- PBR（実績）: 0.49倍（業界平均0.8倍より割安）
- EPS（予想）: 46.34円
- BPS（実績）: 1,148.35円
- 株価: 564円
- 配当利回り（予想）: 5.85%
- 収益性・資産価値に対して株価は割安圏に位置しています。
7. テクニカル分析
- 株価推移
- 年初来高値：610円、年初来安値：444円
- 直近10日間は550～570円のレンジで推移し、やや横ばい傾向。
- 50日移動平均：544.66円、200日移動平均：550.22円
- 現在株価（564円）は移動平均線よりやや上にあり、直近高値圏ではないが、底堅い動き。
- 信用取引動向
- 信用買残：621,800株、信用倍率：15.66倍（やや買い長）
8. 財務諸表分析
- 売上・利益推移
- 売上高（2025/3期）：189,883百万円（前期比-4.0%）
- 営業利益（2025/3期）：9,646百万円（前期比-24.7%）
- 純利益（2025/3期）：6,080百万円（前期比-24.7%）
- 営業利益率：5.1%（前期6.5%→低下傾向）
- キャッシュフロー
- 営業CF：18,606百万円（プラス維持）
- 投資CF：-17,714百万円（設備投資増加）
- 財務CF：-4,346百万円
- 現金等：26,251百万円
- ROE・ROA
- ROE（実績）：5.48%
- ROA：3.10%
- 財務健全性
- 自己資本比率：57.6%（高水準）
- 有利子負債比率：低水準（Debt/Equity 7.9%）
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（予想）: 5.85%（高水準）
- 配当性向: 44.27%
- 配当実績・予想
- 2025年3月期：32円（実績）
- 2026年3月期：33円（予想）
- 株主還元策
- 自社株買いの実施状況は特記なし
- 配当安定・増配傾向を維持
- 中計でDOE（株主資本配当率）3.0%以上を掲げる
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム
- 直近は550～570円のレンジで横ばい、年初来高値（610円）からはやや下落
- 52週変動幅：444円～610円
- 52週騰落率：-11.04%（TOPIXやS&P500と比較し劣後）
- 投資家関心
- 配当利回りの高さや安定収益性から、ディフェンシブ銘柄として注目
- 信用買い残高はやや高め
- いすゞ自動車等大手株主の安定保有
11. 総評
プレス工業はトラック用フレーム・アクスルで国内トップシェアを持つ自動車部品メーカーです。いすゞ自動車との強固な関係や安定した財務基盤、自己資本比率の高さが特徴です。直近の業績は海外需要低迷やコスト増で減収減益となりましたが、配当利回りは高水準を維持しています。中期経営計画では電動化対応やサステナビリティ経営を掲げており、今後の事業構造変革が注目されます。株価は資産・利益指標からみて割安圏に位置し、安定配当志向の投資家から一定の関心を集めています。今後は、業界構造変化や海外市場動向への対応力が重要なポイントとなります。
企業情報
| 銘柄コード | 7246 |
| 企業名 | プレス工業 |
| URL | http://www.presskogyo.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 自動車・輸送機 – 輸送用機器 |
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