1. 企業情報

企業概要

クボタは、農業機械(トラクター、コンバイン、田植機など)、建設機械(ミニショベル、ホイールローダー等)、エンジン、鋳鉄管などをグローバルに展開する総合機械メーカーです。国内外で農業・建設機械分野のリーディングカンパニーであり、水・環境分野(パイプシステム、上下水道、環境プラント等)にも強みを持っています。主要市場は日本、北米、欧州、アジアで、全売上の約8割を海外が占めます。1890年創業、大阪市浪速区に本社を置きます。

事業構成(2024年12月期)

  • 機械:87%(主力:農業機械・建設機械・エンジン)
  • 水・環境:12%(主力:鋳鉄管・パイプ・水処理設備)
  • その他:1%(サービス等)

2. 業界のポジションと市場シェア

業界内ポジション

  • 農業機械、鋳鉄管とも国内最大手。
  • 小型建機、エンジン分野でも国内外で高いシェア。
  • 環境プラント分野ではアジア市場での展開を強化。

競争優位性

  • 世界的なブランド力とディーラーネットワーク
  • 小型機械の高い技術力・信頼性
  • 水・環境分野では日本のインフラ需要やアジア新興国の成長を取り込む戦略

課題

  • 北米・欧州の景気減速や為替変動、関税政策の影響
  • 建機分野の在庫調整や市場縮小リスク
  • 農業人口減少・高齢化への対応

3. 経営戦略と重点分野

経営ビジョン・戦略

  • 「食料・水・環境」分野でのグローバルリーダーを目指す
  • 農業機械のスマート化・ICT化推進
  • 環境・水インフラのソリューション展開強化
  • インド・アジア等の新興市場開拓

中期経営計画(参考:過去発表資料等)

  • 農業機械の自動運転・スマート農業技術の開発
  • 建設機械の電動化・低燃費化
  • 水・環境分野の海外展開拡大
  • 事業ポートフォリオの最適化と収益性向上

4. 事業モデルの持続可能性

収益モデル

  • 主力の機械事業は、農業・建設機械の販売およびアフターサービス・部品供給によるストック型収益も確保
  • 水・環境インフラは長期需要が見込まれる分野

市場ニーズ変化への適応力

  • スマート農業、環境規制強化、インフラ老朽化更新需要など、社会課題に即した製品・サービス開発を進めている

5. 技術革新と主力製品

技術開発動向

  • 農業機械の自動運転・ICT連携技術
  • 小型・高効率エンジン、電動建機
  • 水処理・環境プラントの高度化技術

主力製品・サービス

  • トラクター、コンバイン、田植機、ミニショベル等
  • 鋳鉄管・パイプ、上下水道設備
  • アフターサービス、部品供給

6. 株価の評価

主要指標(2025/7/23時点)

  • 株価:1,757円
  • 予想EPS:170.52円
  • 予想PER:10.30倍(業界平均:16.6倍)
  • 実績BPS:2,087.43円
  • 実績PBR:0.84倍(業界平均:1.4倍)

評価

  • PER・PBRともに業界平均より割安な水準
  • EPS・BPSから見て、株価は純資産・利益水準に対し低めに位置

7. テクニカル分析

  • 年初来高値:1,995円
  • 年初来安値:1,460円
  • 直近株価(1,757円)は50日移動平均(1,613.75円)を上回り、200日移動平均(1,792.89円)を下回る水準
  • 直近10日間で大きく上昇(1,600円前後→1,750円台)、短期的に反発局面
  • ただし、長期的には高値圏からはやや調整後の水準

8. 財務諸表分析

売上・利益推移

  • 売上高(2024年12月期):3兆162億円(前年比横ばい)
  • 営業利益:3,156億円→3,288億円→2,143億円→2,445億円(過去数年で増減あり)
  • 直近四半期は売上・利益とも減少傾向(特に北米機械部門の減販、為替影響)

利益率

  • 営業利益率:8.65%
  • 純利益率:6.73%

資本効率

  • ROE:9.90%(直近12か月)
  • ROA:3.07%

財務安全性

  • 自己資本比率:41.2%
  • 総資産回転率:記載なし
  • 流動比率:1.67倍
  • 有利子負債比率:83.78%

キャッシュフロー

  • 営業CF:2,852億円
  • フリーCF:614億円

9. 株主還元と配当方針

配当

  • 年間配当予想:50円(配当利回り:2.85%~3.12%)
  • 配当性向:約29%
  • 5年平均配当利回り:2.09%(直近は上昇傾向)

自社株買い等

  • 自己株式保有はごくわずか(0%台)

10. 株価モメンタムと投資家関心

株価モメンタム

  • 直近10日間で急反発(1,600円台→1,750円台)
  • 52週高値からは下落しているが、安値圏からは回復基調
  • 出来高も増加傾向

投資家関心

  • 機関投資家の保有比率が高い(約63%)
  • 信用買残増加、信用倍率高め(6.96倍)

影響要因

  • 業績の下方修正リスク、為替動向、米国・アジア市場の需要、関税政策などが株価に影響

11. 総評

クボタは農業機械・建設機械・水インフラ分野で国内外に強固な事業基盤を持つ総合機械メーカーです。特に海外売上比率が高く、グローバルな事業展開が特徴です。直近は北米市場の減速や為替影響で業績が一時的に軟化していますが、中長期的にはスマート農業や環境インフラ需要の拡大、アジア新興国市場の成長が期待されます。財務基盤は安定しており、配当も安定的です。株価は業界平均と比べて割安感があり、短期的には反発基調が見られますが、今後の業績動向やグローバル経済の影響には注意が必要です。
※本レポートは情報提供を目的としたものであり、特定の投資判断を推奨するものではありません。


企業情報

銘柄コード 6326
企業名 クボタ
URL http://www.kubota.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 機械 – 機械

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By シャーロット

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