1. 企業情報
概要
リクルートホールディングスは、HRテクノロジー（求人検索エンジン「Indeed」など）、マッチング＆ソリューション（販促・人材メディア、SaaSなど）、人材派遣の3つの事業を展開する大手サービス企業です。世界60か国以上で事業を行い、グローバルに人材・情報マッチングプラットフォームを提供しています。
事業内容
- HRテクノロジー事業：求人検索エンジン「Indeed」や「Glassdoor」などを運営し、オンラインでの求人マッチングを提供。
- マッチング＆ソリューション事業：求人広告、販促情報、SaaSなど多様な業種向けのマッチング・マーケティングサービスを展開。
- 人材派遣事業：日本、欧米、豪州で人材派遣サービスを提供。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 競争優位性：求人検索エンジン「Indeed」は世界的なシェアを持ち、グローバルでの求人マッチング分野で高い競争力を有しています。国内外の人材派遣市場でも大手の一角を占めます。
- 課題：国内外の競合（例：LinkedIn、国内のパーソルHD等）との競争激化、景気変動や労働市場の構造変化による影響、法規制・為替変動リスクなどが挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略：「Simplify Hiring（採用の簡素化）」「Help Businesses Work Smarter（企業の業務効率化支援）」「Prosper Together（共に繁栄する）」を掲げ、テクノロジー活用による事業効率化と付加価値向上を目指しています。
- 中期経営計画：調整後EBITDAを主要KPIとし、HRテクノロジー事業の成長、SaaSサービス拡大、人材派遣事業のDX推進を重点施策としています。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル：求人広告、SaaS、派遣手数料、マッチング課金など多様な収益源を持ち、景気変動や市場ニーズの変化にも一定の耐性があります。
- 適応力：デジタルシフトやグローバル展開、SaaS型サービスの拡大など、市場変化への適応力が高い点が特徴です。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向：AI・機械学習を活用した求人マッチング精度向上、採用オートメーション、SaaSプロダクトの拡充などが進んでいます。
- 主力製品・サービス：「Indeed」「Glassdoor」などのグローバル求人プラットフォーム、SaaS型の業務支援サービスが収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- PER（予想）：28.85倍（業界平均17.0倍より高い）
- PBR（実績）：7.63倍（業界平均1.8倍より高い）
- EPS（予想）：291.81円
- BPS（実績）：1,102.86円
- 株価（2025/7/23終値）：8,419円
参考計算
- 株価/EPS＝PER → 8,419 ÷ 291.81 ≒ 28.85倍
- 株価/BPS＝PBR → 8,419 ÷ 1,102.86 ≒ 7.63倍
業界平均と比べて割高な水準に位置しています。
7. テクニカル分析
- 直近10日間の推移：8,000円台前半での推移が続き、7/23は8,419円で引け。直近では7/11の8,583円からやや下落傾向。
- 移動平均：50日移動平均8,285円、200日移動平均9,262円。現在株価は50日線付近、200日線よりは下回る水準。
- 年初来高値・安値：高値11,525円、安値6,050円。現在は中間～やや安値圏。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益推移（百万円）
- 2022/3：売上2,871,705、営業利益378,929、純利益296,833
- 2023/3：売上3,429,519、営業利益344,304、純利益269,799
- 2024/3：売上3,416,492、営業利益402,527、純利益353,654
- 2025/3：売上3,557,478、営業利益490,543、純利益408,504
- 成長性：2025年3月期は売上・利益ともに過去最高を更新。営業利益・純利益の増加率が高い。
- 収益性：営業利益率13.44%、純利益率11.48%と高水準。
- 効率性：ROE 22.58%、ROA 11.10%と高い資本効率。
- 財務安全性：自己資本比率58.3%、流動比率1.83、負債比率低め。
- キャッシュフロー：営業CF 6,103億円、フリーCF 4,536億円と潤沢。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り：0.30%（予想配当25円/株）
- 配当性向：8.94%と低め
- 自社株買い：2025年3月期に自己株式取得を実施
- 方針：安定配当と機動的な自己株取得を組み合わせた還元策
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム：2024年末～2025年初にかけて下落基調（年初来高値11,525円→直近8,000円台）、直近では横ばい～やや下落傾向。
- 出来高：直近10日間の平均出来高は300万～600万株と流動性は高い。
- 信用動向：信用買残増加、信用倍率7.63倍とやや買い長。
- 投資家構成：機関投資家比率43%、インサイダー5.3%、自己株2.3%。
11. 総評
リクルートホールディングスは、グローバルなHRテクノロジー事業を核に、安定した成長と高い収益性・効率性を維持しています。特に「Indeed」などの求人検索サービスが収益を牽引し、SaaS型サービスの拡大やDX推進により持続的な成長が期待されます。財務基盤も強固で、自己資本比率・キャッシュフローともに良好です。一方、株価は業界平均と比較して割高な水準で推移しており、配当利回りも低めです。株価は年初来高値から調整局面にあり、現状は中間～やや安値圏に位置しています。今後もグローバルな人材市場の動向や、テクノロジー分野での競争状況に注視が必要です。
本レポートは公開情報に基づき作成されたものであり、投資判断を推奨するものではありません。
企業情報
| 銘柄コード | 6098 |
| 企業名 | リクルートホールディングス |
| URL | https://recruit-holdings.com/ja/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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