1. 企業情報

企業概要

DM三井製糖株式会社は、精製糖最大手の「スプーン印」三井糖と「ばら印」大日明治が統合して誕生した企業です。主力の砂糖事業に加え、健康食品や機能性食品素材を扱うライフ・エナジー事業、不動産事業も展開しています。1947年設立、本社は東京都港区。従業員数は1,525名です。

主な事業内容

  • 砂糖事業(売上比率85%):原料糖、精製糖、加工糖、液糖、黒糖、粉糖、ガムシロップなどの製造・販売
  • ライフ・エナジー事業(売上比率14%):色素、香味料、寒天、バイオ製品、栄養療法食品、嚥下障害対応食品、宅配弁当サービスなど
  • 不動産事業(売上比率1%):土地・店舗・オフィスの賃貸、倉庫運営

2. 業界のポジションと市場シェア

業界内ポジション

国内精糖業界の最大手。三井物産・三菱商事など大手商社が主要株主で、強固な販売・調達ネットワークを持ちます。
2021年に大日本明治製糖と経営統合し、国内シェア・ブランド力ともにトップクラス。

競争優位性・課題

  • 強み:ブランド力、安定した供給体制、商社との連携、研究開発力
  • 課題:原材料・エネルギーコストの高騰、国内人口減による需要減少、健康志向による砂糖需要の構造変化

3. 経営戦略と重点分野

経営陣のビジョン・戦略

  • 「中期経営計画-2026 Diversify into Nutrition & Health」を掲げ、砂糖事業の効率化とともに、健康・栄養分野への事業多角化を推進
  • グループ全体の最適化、海外事業・ライフ・エナジー事業の拡大に注力

具体的施策・重点分野

  • 砂糖事業:バリューチェーンの見直し、燃料・原料コスト高への対応、グループ生産拠点再編
  • ライフ・エナジー事業:スポーツ・シニア向けニュートリション、M&Aによる成長
  • 研究開発:グループ横断型の研究力強化、外部パートナーとの連携

4. 事業モデルの持続可能性

収益モデル

主力の砂糖事業は安定した収益基盤。ライフ・エナジー事業や不動産事業がリスク分散となっています。

市場ニーズへの適応力

  • 健康志向の高まりを受け、機能性食品や栄養補助食品へのシフトを進めている
  • 原材料・エネルギーコスト上昇への対応力が今後の課題

5. 技術革新と主力製品

技術開発の動向・独自性

  • 砂糖製造技術の高度化に加え、食品化学・バイオ分野の研究開発を強化
  • 機能性食品や嚥下障害対応食品など、健康志向市場向け製品を拡充

収益を牽引する主力製品・サービス

  • 精製糖・加工糖
  • ガムシロップ、液糖、粉糖
  • 機能性食品素材、健康食品、宅配弁当サービス

6. 株価の評価

バリュエーション指標

  • 現在株価:3,115円
  • EPS(会社予想):238.54円
  • BPS(実績):3,550.69円
  • PER(会社予想):13.06倍(業界平均19.5倍より低位)
  • PBR(実績):0.88倍(業界平均1.3倍より低位)

評価

  • 株価はPER・PBRともに業界平均を下回る水準
  • BPSと比較しても株価はやや割安圏

7. テクニカル分析

  • 年初来高値:3,665円、年初来安値:3,005円
  • 直近10日間の株価は3,030~3,130円で推移し、50日移動平均(3,096.6円)付近
  • 現在株価は安値圏からやや戻しつつも高値圏には届いていない
  • 直近の出来高は平均的

8. 財務諸表分析

売上・利益・キャッシュフロー

  • 売上高:178,785百万円(前期比4.7%増)
  • 営業利益:13,840百万円(前期比225.6%増)
  • 当期純利益:6,295百万円(前期比25.5%減、減損損失計上の影響)
  • 営業CF:22,592百万円、フリーCF:17,010百万円

収益性・効率性指標

  • ROE:5.55%、ROA:4.40%
  • 営業利益率:7.7%(前期2.5%から大幅改善)
  • 自己資本比率:56.7%(健全水準)

過去数年の傾向

  • 売上は増加傾向、営業利益は大幅増
  • 純利益は減損損失の影響で一時的に減少
  • キャッシュフローは安定

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想):4.17%(業界平均を上回る水準)
  • 1株配当(会社予想):130円(安定配当を継続)
  • 配当性向:66.65%
  • 2025年5月に総額44億円を上限とする自己株式取得を決議
  • 株主還元策は積極的

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近10日間の株価は3,030~3,130円で小幅な動き
  • 年初来高値からはやや下落傾向だが、下値は限定的
  • 信用買残が増加傾向、信用倍率は高い(23.17倍)
  • 大手商社・金融機関が主要株主で、安定株主構成

11. 総評

DM三井製糖は、国内最大手の精糖メーカーとして安定した収益基盤を持ちつつ、健康・栄養分野への事業多角化を進めています。直近では営業利益率が大幅に改善し、財務基盤も健全です。株価指標は業界平均を下回り、配当利回りも高い水準を維持しています。今後は原材料・エネルギーコストの動向や、健康志向市場への対応力が成長の鍵となります。株主還元も積極的に実施しており、安定した経営がうかがえます。


企業情報

銘柄コード 2109
企業名 DM三井製糖
URL https://www.msdm-hd.com/
市場区分 プライム市場
業種 食品 – 食料品

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By シャーロット

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