1. 企業情報
- 企業名: サンフロンティア不動産株式会社
- 設立: 1999年4月8日
- 本社所在地: 東京都千代田区有楽町1-2-2 東宝日比谷ビル
- 従業員数: 868人（平均年齢36.0歳、平均年収7,450千円）
- 事業内容:
- 主力は都心5区における中古ビルの再生・改装・販売（不動産再生事業）。
- 不動産の売買・賃貸仲介、プロパティマネジメント、建物管理、会議室レンタル、家賃保証などの不動産サービス事業。
- ホテル開発・運営などのホテル・観光事業。
- その他、リノベーション、内装工事、通信工事なども展開。
- 売上構成（2025.3期）:
- 不動産再生 69%（営業利益率28%）
- 不動産サービス 11%（同49%）
- ホテル・観光 18%（同22%）
- その他 2%（同22%）
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界区分: 不動産業（プライム市場上場）
- 主力の都心ビル再生事業は、都心部のオフィス・商業ビル市場で一定の競争優位性を持つ。
- 競争優位性:
- ビル再生ノウハウ、都心部に特化した物件取得力、リノベーション力。
- 不動産サービスやホテル事業とのシナジー。
- 課題:
- 都心部不動産価格の高騰による仕入れ難化。
- 市場環境変化（オフィス需要の変動、インバウンド需要の影響等）。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン: 「都心の資産価値最大化」を掲げ、都市再生・地域活性化を目指す。
- 中期経営計画の重点施策:
- 都心部ビル再生事業の強化・拡大。
- ホテル・観光事業の収益力向上。
- 不動産サービス事業の拡充によるストック型収益の増加。
- サステナビリティ（環境・社会）への対応強化。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- 物件取得→リノベーション→再販のフロー型収益が主力。
- 管理・サービス・ホテル運営によるストック型収益も拡大中。
- 市場適応力:
- 都心部の不動産市況や観光需要に左右されるが、複数事業のバランスでリスク分散。
- サステナブルな都市開発や新規用途開拓にも積極的。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発:
- ビル再生・リノベーション技術、建物管理の効率化、DX推進。
- 主力サービス:
- 都心ビルのリノベーション・再販。
- ホテル開発・運営（インバウンド需要も取り込む）。
- 不動産管理・仲介サービス。
6. 株価の評価
- 株価: 2,096円（2025/7/25終値）
- EPS（会社予想）: 319.04円
- BPS（実績）: 2,102.79円
- PER（会社予想）: 6.57倍（業界平均13.6倍）
- PBR（実績）: 1.00倍（業界平均1.6倍）
- 評価:
- 業界平均と比較してPER・PBRともに割安な水準。
- EPS・BPSともに株価水準とほぼ一致。
7. テクニカル分析
- 年初来高値: 2,212円
- 年初来安値: 1,672円
- 50日移動平均: 2,057.76円
- 200日移動平均: 1,949.24円
- 直近株価推移: 2,100円前後で堅調に推移し、高値圏に位置。
- 出来高: 直近10日平均8万株超で流動性も確保。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 1,031億円（2025/3期、前年比+29%）
- 営業利益: 212.8億円（前年比+20%）
- 純利益: 141.6億円（前年比+19%）
- ROE: 14.7%（実績）
- ROA: 6.54%
- 自己資本比率: 46.8%
- 営業キャッシュフロー: -42.4億円（物件取得等による一時的なマイナス）
- フリーキャッシュフロー: -118.8億円
- 傾向:
- 売上・利益ともに成長基調。
- キャッシュフローは投資積極化でマイナスだが、財務健全性は維持。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（予想）: 3.63%（76円/株）
- 配当性向: 25.65%
- 5年平均配当利回り: 4.12%
- 自社株買い: 自己株式保有は0.09%と限定的。
- 方針: 安定配当を重視しつつ、成長投資も両立。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム:
- 直近10日間で2,050～2,110円台を中心に推移。
- 年初来高値圏での推移が続く。
- 信用動向:
- 信用買残が増加、信用倍率高水準（198.7倍）。
- 空売りは限定的。
- 投資家構成:
- インサイダー保有率高め（44.76%）、安定株主構成。
- 機関投資家保有は12.84%。
11. 総評
- サンフロンティア不動産は、都心部ビル再生を主力とし、物件取得・リノベーション・再販のバリューチェーンを確立。不動産サービスやホテル事業も拡大し、事業ポートフォリオの多角化を進めている。
- 財務は健全で、ROE・自己資本比率ともに高水準。積極的な投資によりキャッシュフローは一時的にマイナスだが、成長のための戦略的な動きと見られる。
- 株価は業界平均と比べて割安水準にあり、配当利回りも相対的に高い。年初来高値圏で推移しており、投資家の関心も高い状況。
- 今後は都心不動産市況やホテル需要の動向、投資回収の進捗などが注目される。
企業情報
| 銘柄コード | 8934 |
| 企業名 | サンフロンティア不動産 |
| URL | http://www.sunfrt.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 不動産 – 不動産業 |
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